どうも、ロンドン駐在員のぷーたです。
今回の記事は、次のような方のお悩みを解決するために書いています。
- イギリスの携帯電話事情を知りたい!
- イギリスで携帯電話を保つ方法はどんなものがある?
- イギリスの携帯電話代は1ヶ月でどれくらい?
イギリスの携帯電話事情
イギリス駐在員の方は基本的に会社からの支給携帯電話を持たされると思います。基本的にはこれで事足りるでしょうけど、自分のプライベート用や家族用に、携帯電話を選ぶ必要があることもあると思います。
まず、イギリスの携帯電話事情について説明します。
料金が安い
イギリスの携帯電話は料金が安いです。最近でこそ日本ではAhamoなど大手キャリアでも格安プランが出てきましたが、イギリスでは20日ポンド(3,000円くらい)も出せば相当なギガ数の利用が可能です。毎月数ギガしか使わない、というレベルでしたら数ポンドも出せば1月使えるレベルです。
この携帯電話料金の安さは、他の生活コストが高いイギリスの生活の中で、私が最も生活面で満足している部分です。
スーパーやコンビニでSIMカードが売っている
イギリスでの携帯電話の使用は、日本に比べてよりカジュアルに使用できます。スーパーやコンビニでプリペイド式のSIMカードが売られており、購入して手持ちの携帯電話に挿せば、すぐに携帯電話サービスの使用が可能になります。
もちろん支払いにはクレジットカードやデビットカードが必要ですので、その登録などは必要ですが、日本よりは簡単に使い始められる印象です。
日本よりも5Gが広まっている
イギリスでは日本よりも5Gが広まっています。
5Gとは、第5世代移動通信システム、英語では5th Generation Mobile Communication Systemを指し、高速大容量、高信頼低遅延、多数同時接続を満たす新世代の通信規格です。
日本では、2021年5月23日時点のNTTドコモの東京駅周辺の5Gエリアは以下のようになっています。オレンジ色のエリアはLTE、赤色の部分が5Gです。東京の中心でさえ、一部エリアにのみ展開している、という段階ですね。一方、イギリスでは、あくまでもロンドン中心地限定でみると、大部分が5Gでカバーされています。こちらはイギリスの大手通信会社O2のサービスエリアマップです。オレンジ色の部分が5Gであり、東京よりは広い範囲がカバーされているように見えます。
私も5GにアクセスできるiPhone12miniを使っていますが、普通に5Gを活用できています。
日本よりもつながらないケースが多い
5Gがイギリスでは活用できているから便利!と言いましたが、その肝心の電波が届かない範囲が多いのもイギリスの携帯電話の特徴です。
地下鉄の中や、スーパーの中など、奥まったところに入ると電波が届かなくなります。日本では、そうしたケースでも使えるようにたくさんアンテナを立てているのだと思いますが、イギリスではそうしたことはせず、携帯電話は使える範囲で使う、という感じがします。
よくあるのが、スーパーで買い物をしようとして、色々と調べようとしたところ電波が届いておらず、慌てて一度外に出る、というケースです。買い物くらいならいいのですが、映画のチケットなど、チケットをインターネットで発行している場合には、不測の事態を避けるために、QRコードをスクリーンショットしておくなどの準備も必要になります。
ショッピングモールなどではWifiも使えますので、Wifiも併用しながら使っていけばいいのですが、少し面倒に感じます。
私がプライベートで使用しているThreeは格安だから仕方がないとも言えるのですが、会社支給のO2でも同じことが起きていますので、イギリス全体でそうなのでしょう。
イギリスで携帯電話を使う手続き
イギリスでは、日本と同じようにSIMカード付きの携帯電話を購入するケースと、携帯電話は自分で用意して、SIMカードだけを購入するケースがあります。
携帯電話会社でSIMカード付きの携帯電話を購入する
まずは、携帯電話会社でSIMカード付きの携帯電話を購入するケースです。携帯電話会社ですぐに携帯電話端末を購入できるので、端末の購入の手間が減るというのがメリットですね。
携帯電話端末料金の支払いは、後述するPay As You Go(プリペイドプラン)の場合は一括で支払い、月払い契約の場合は分割払いをすることが可能です。
- とにかく早く携帯電話を使いたい
- 日本から携帯電話を持ってきていない
ただ私としては、携帯電話に関しては日本から持っていくことを強くオススメします。もちろん、赴任前に使っていた携帯電話でも全く問題ありません。
※日本の携帯電話会社でSIMロックがかかっている場合は必ず解除するようにしてください。
たとえイギリス赴任で新しく携帯を購入したい、と思ったとしても日本で購入しましょう。その理由は、単純にイギリスで携帯電話を購入するとVAT(消費税)分だけ損だからです。
イギリスのVATは本体価格に対して20%、日本の消費税は10%です。10%分だけ日本のほうが得ですね。
実際にiPhone12 64GBの価格で見てみましょう。£=150円換算で、
- イギリスで購入した場合:
合計£799=119,850円、VAT相当額は19,975円、本体価格は99,875円 - 日本で購入した場合:
合計94,380円、消費税相当額は8,580円、本体価格は85,800円
もちろん、ポンドの価値によって比較は変わるのですが、基本的にイギリスの物価は高めで、本体価格の比較だけでも日本購入したほうがお得です。これに消費税・VATの10%差があるのですから、差が大きく開きますね。
ちなみに、イギリスと日本でiPhone12の本体価格が同じになるレートは£1=107円です。こんなレートになることは考えられませんね。
ちなみに、携帯電話会社でSIMカード付き携帯電話を購入する場合も、日本の携帯電話会社ほどの割引はありません。
こちらはThreeの例ですが、ギガ無制限のプランで24ヶ月の支払額は1年契約で£20、そうすると総額で、契約時£49+月額£53✕23ヶ月=£1,268の支払いとなり、ここから£20✕24ヶ月=£480を差し引くと、£788となりほとんど安くなっていません。
日本ではプラン契約のインセンティブがあるため携帯電話会社で購入するほうが安くなるケースもありますが、イギリスでは分割購入時に含まれる金利も高く、あまり得ではないのかと思います。
携帯電話会社でSIMカードのみを購入する
続いて、携帯電話会社でSIMカードのみを購入するケースです。日本から携帯電話を持ってきた場合、イギリスで別に携帯電話を購入した場合、こちらのケースになります。
SIMカードのみを購入する場合、さらに2つに分かれます。
- Pay As You Go(プリペイドプラン):プリペイド方式のSIMを購入し、期限切れまたは金額がなくなったらチャージする
- Monthly Plan(月額契約プラン):携帯電話会社と月額利用契約を結ぶ
それぞれを解説していきます。
Pay As You Go(プリペイドプラン)
まず、Pay As You Goです。特徴は以下のとおりです。
- 1ヶ月分の料金を前払いして使う
- 1ヶ月経過後、またはデータ使用量を使い切った場合は、さらにチャージすることで使用し続けることが可能
- スーパーやコンビニでSIMカードを購入して、クレジットカードやデビットカードの情報を入れればそのまま使用開始できる
- 1ヶ月あたりの料金は月額契約プランに比べて高い
- 毎年4月の自動値上げはない
日本のプリペイドSIMでも同じですが、月額契約ではないため気軽にはじめて気軽に終了できるのが特徴ですね。その分料金は高くなってしまいますが、1ヶ月だけお試しで使ってみてるには適したプランです。
イギリスに駐在してすぐに12ヶ月契約などの月額契約プランを契約してしまうと、自分の住むところでは使いづらいとか、勤務先で電波が入らないといった場合に、変更するのに余分なコストがかかってしまいます。
そこで、このPay As You Goを利用して試してみて、気に入ればその携帯会社の月額契約をする、というのがベストであると考えます。
もちろんそのままPay As You Goで毎月使い続けることもできるのですが、毎月契約に比べて高額になりますので、赴任期間がある程度読めるのであれば、月額契約プランに切り替える方が良さそうです。
ただ、イギリス赴任も終盤になってきて、いつ日本に呼び戻されるかわからない状態になるようでしたら、再度Pay As You Goに切り替得ればいいと思います。
Monthly Plan(月額契約プラン)
月額契約プランは、日本にもありますが一定期間の使用をする前提で、月額いくらでSIMカードを使用可能という契約をするプランです。
- 半年、1年、2年などの固定契約となる。期限前に契約解除する場合違約金が発生する
- 毎月決まった時期に銀行引き落とし(Standing Order)などで支払う。クレジットカードの使用も可能
- 月額使用料金はPay As You Goよりも安い
- 申し込むタイミングによっては月額料金が下がるセールもある
- 毎年4月に4%ほど使用料金が自動的に上がる
契約期間の縛りがある関係で、Pay As You Goよりも安いのが魅力です。もちろん、契約期間満了前に解約する場合には、違約金が発生してしまいますので、帰任予定1年前くらいになったら月額契約プランではなく、Pay As You Goに切り替えるなど考える必要があります。
また、毎年4月に料金が上がることも注意が必要です。
こちらは私のThreeの毎月の請求額ですが、2021年4月から月額使用料が£16から£16.73に上がっています。こちらは元々£20/月のギガ無制限1年契約プランを2020年11月のブラックフライデーセールで契約したものですが、せっかくの固定契約なのに、料金が上がってしまうのは残念ですよね。
ちなみに、4月をまたいだからといって、新規契約の場合に価格が上がるかというとそんなことはなく、ギガ無制限1年契約プランは2021年6月1日現在でも£20で契約可能です。
この辺りの仕組みはよくわかりませんが、単純に釣った魚に餌を与えない考えなのかな、と思っています。新規顧客を優先するのは日本でも同じですよね。
私のところにも下のようなレターが届いており、毎月4月に見直しをして、今回は£20を£20.90に上げるよ、といったことを言われています。
おそらく、物価がそれなりに上がっているイギリスのことですから、消費者物価指数を元にに値上げをおこなっている、
Office for National StatisticsのConsumer price inflationのページを見る限り、どう考えても1%くらいで、4%も上がっていないんですけどね。契約だから仕方ないですね。
イギリスで携帯電話を使う場合、この価格上昇があることから、毎年契約を乗り換えたほうが得なのではないか?となんとなく私は思っています。
また、イースターやハロウィン、ブラックマンデーやクリスマスなど、セール期間中には通常に比べて格安のオファーが出ることもありますので、そうした情報も注意して見ておいたほうが良さそうですね。
ちなみに、私が申し込んだブラックフライデーセールの概要はこんな感じでした。ギガ無制限で£17(12ヶ月契約)、月12GB制限で£10と書いてありましたが、私はギガ無制限を£16で契約できました。このあたりは申し込みタイミングによるのか、実際にやってみないとわかりません。
まとめ
以上、イギリスの携帯電話事情と、携帯電話の契約方法について説明しました。
日本と比べたイギリスの携帯電話の特徴としては、このようなものがあります。
- 携帯電話の使用料金が安い、ギガ無制限でも日本円で3,000円程度のプランがある
- 携帯電話の電波が届かない場所が結構ある。ショッピングモールや地下鉄では使えないところも多く、Wifiの併用が必要
- 申し込むタイミングで月額料金が下がるセールをやっていることもある
- 月額契約は毎月4月に勝手に値上げされる
イギリスでの携帯電話のつながりにくさは実は私にとって本当にストレスに感じるのですが、そんなことを気にしないのがイギリス流なのかもしれません。
日本に比べればずっと安い料金で月額契約できますし、ギガも気にすることなく使用することができます。
イギリスと日本、携帯電話の違いを把握して、ベストな方法で申し込みましょう。
ありがとうございました。