どうも、ロンドン駐在員のぷーたです。
今回の記事は、次のような方の疑問を解決するために書いています。
- ロンドンは物価が高いと聞くけど、日本に比べてどのくらい高いの?
- ロンドン駐在員の給与は高いと思うけど、生活は楽?苦しい?
- 海外駐在員の生活費はどれくらいかかるの?日本よりは高い?
ロンドンの物価は日本と比べてかなり高い!
ロンドンの物価は日本と比べてかなり高いです。もちろんこれは為替レートの変動に寄っても変わります。私がロンドンに赴任した2020年2月には1ポンド=145円程度でしたが、この記事を書いている2024年5月19日現在のレートは198円ほどとなっています。
日本円換算した場合145円→198円になるだけで金額が1.36倍になるわけですから、為替レートのことを考慮してしまうと実際の生活費がいくらなのかを正確に把握するのは難しいかもしれません。ですが、今回の記事ではあくまで参考として、1ポンド=198円として金額を示してみます。
住宅費が高い!
さて、ロンドンの生活費についてですが、特に顕著なのは家賃です。日本からの駐在員という立場では、家賃は会社が住宅手当として支給してくれますので厳密には生活費としてカウントする必要はありませんが、生活費高騰の一例としてご説明します。
住宅費については、ワンルーム、1ベッドルーム、3ベッドルーム等広さによっても大きく変わりますが、ここでは家族4人で居住するのが一般的な3ベッドルームで比較してみます。
私の住んでいるイーリングという日本人が比較的多めの地域では、3ベッドルームの家賃は2,500ポンド~4,000ポンド(50万円~79万円)ほどとなっています。イーリング自体はロンドンの西部で都心部まで電車で30分程度かかるようなところですので、東京で言えば杉並区とか中野区くらい?でしょうか。
築浅のタワーマンションであれば、杉並区や中野区でも3LDKで50~80万円くらいの家賃の物件はあるようですが、杉並区や中野区の最上位物件と同じくらいの物件がロンドン西部では一般的というような状況です。もちろん東京でもロンドンでも都心部に行けば行くほど価格が上がりますが、目立つようなタワーマンションではなくても、軒並み家賃が高い印象があります。
食費・外食費が高い!
最近では東京の物価も上がっているとは思いますが、ロンドンの食費・外食費の価格も東京よりずっと高いと言えます。スーパーマーケットを利用する際にもM&SやWaitroseではなく、ASDAやLidlなど安めのスーパーに足が向かってしまいがちな状況ですが、それでも高いと感じます。
主な食品のロンドンでの価格を書いてみます。
- 牛乳 (1リットル):0.9~1.2ポンド(178~238円)
- パン (1斤): 1.0~1.5ポンド(198~297円)
- 卵 (12個入り): 2.0~3.0ポンド(396~594円)
- レストランでの食事:
- カジュアルなレストランでの食事: 15~20ポンド(2,970~3,960円)
- 中級レストランの3コースディナー: 25~50ポンド(4,950~9,900円)
- マクドナルドのビックマックセット(Mサイズ): 5.79ポンド(1,146円)
日用品(紙類)が高い!
ロンドンに来て驚くのが、日用品の価格の高さです。私調べで安めのものを購入していますが、それでもこの価格です。
- トイレットペーパー(ロール):0.6ポンド(119円)
※Costcoの40ロールセットの1ロールあたり価格です。 - ティッシュペーパー(箱):1ポンド(198円)
※まとめ売り2個セット(5箱セットなどはなし)の1個あたり価格です。
洗濯洗剤や掃除用の洗剤などはそこまで差は感じませんが、紙類は特に高いと感じます。
光熱費が高い!
実はロンドンに来て私が一番ショックを受けたのは光熱費です。エネルギー価格の高騰の影響もあり、大幅に高くなっています。家によって断熱性能の違いが大きく、エネルギーの利用効率も異なるため、どれくらいの電力、ガスを使用するかはまちまちですが、4人家族の私の家の例では、
- 電気代:100ポンド(19,800円)/月
- ガス代:140ポンド(27,720円)/月
- 水道料:40ポンド(7,920円)/月
と合計で月5.5万円ほどとなっており、日本に比べて極めて高額です。日本では電気代・ガス代・水道代の合計で2万円にも満たなかったと思いますので、3倍位になった印象です。
教育費やスポーツの月謝が高い!
教育費については、日本の教育を受けさせようとした場合、という前提になりますがかなり高い金額がかかります。会社が負担してくれる日本人学校や日本語補習校は除いています。
スポーツに関してはそこまで高くない印象はありますが、日本に比べて時間が短く、そのために割高に感じることが多いです。
- 日本の学習塾: 400ポンド(79,200円)/月程度
※受験コースや科目数など内容によって左右されます - スイミングスクール:30分/週の授業で40ポンド(7,920円)/月程度
- サッカースクール:1時間半/週で40ポンド(7,920円)/月程度
通信費やレジャー費用などはそれほど高くない?
何もかもが高いと思われる一方で、そこまで高くない費用もあります。
たとえば通信費は、もちろんどこまでこだわるかによりますが
- 携帯電話: 5~15ポンド(990~2,970円)程度
- 光回線インターネット:30~40ポンド(5,940~7,920円)程度
と日本とほぼ変わらないか安いくらいですし、レジャー費用は
- 映画チケット: 10~15ポンド(1,980~2,970円)
- ジムの月会費:30~40ポンド(5,940~7,920円)程度
- プレミアリーグのチケット:25~80ポンド(4,950~15,840円)程度
など、こちらもそこまで高くないと言えるかもしれません。
ですが、日本より安いと言えるのはほとんどありませんので、生活費は多くかかると考えたほうがいいでしょう。
ロンドン駐在員の生活費を公開!
生活費の推移
こちらが我が家の生活費の推移となります。ここでは2021年4月~2024年3月の3年間の年間生活費の推移をお見せしています。こちらの記事でご紹介しているとおり、私の場合月の収入は4,500ポンド(89万1千円)程度ですので、この収入を超えないように支出をコントロールする必要があります。日本の銀行口座にも給料は入ってきますが、こちらは日本での固定資産税や持ち家の銀行ローンの支払いに利用しており、ロンドンでの生活費には充てていないため、ここでは省略します。
まずはポンドベースでの、1ヶ月あたりの生活費です。ポンドだとわかりにくいと思いますので、1ポンド=198円で円に換算した生活費の推移も示しておきます。
生活費分析1:食費や日用品が高すぎ?
家計簿は毎月つけているのですが、感覚が麻痺してしまっているのか、円換算したときの生活費の高さにビックリしました。通常ロンドン駐在員一家がお金を使うときは、1ポンド=100円で考えることが多いのですが(そうしないと、もったいなくてお金を使えません)、円安の影響もあってあまりにも高いですね。
直近(23年4月~24年3月)の月あたりの食費が12万円、外食費が4万円、日用品が12万円になっています。贅沢しすぎじゃない・・?と言われてしまうかもしれませんが、いえいえ、我が家は全く贅沢といえるほどの生活はしていないと思っています。
外食はマクドナルドやIKEA、Costcoなど最安値のところで済ますことが多いですし、高級レストランで豪華な食事などすることもほとんどありません。食事も日本食を食べるには自炊が一番!ということで自炊をしていますし、日用品といっても贅沢なものを買っているわけではありません。
ただ、21年4月~22年3月の金額と比較して食費が1.5倍位になっていますが、実際Brexitの影響やロシア・ウクライナの影響などにより特に食品の価格が上昇しています。体感では1.5倍よりも高くなっているものも多々ありそうですが、おそらく平均してそのくらいになっているのではないかと思います。
物価高の影響もありますが、ロンドンで暮らしているとこのくらいかかってしまうんですよね。ちなみに日本で生活している際には、この3分の1もいかない金額で生活できていたと思います。
生活費分析2:光熱費も高い
光熱費は上でも説明していますが、ガスの料金(27,720円/月)が非常に高いです。ちなみに我が家はロンドンでも相当光熱費をケチっている家庭であり、冬季の室内の気温は15~17度くらいになるように、セントラルヒーティングを調整しています。
そのため、室内ではブランケットや手袋、帽子、暖かい靴下など完全装備で在宅のお仕事や自由時間を過ごしています。
それでも27,720円は恐ろしいです。ただし、光熱費は建物の断熱効率や、ヒーターの性能によるところが大きいので、いくら節約しようとしても費用が多くかかってしまう家はかかってしまいます。
こればかりは住んでみなければわからないため、もし引っ越しを何度もできるような環境であれば、何度か引っ越してみると光熱費の違いがわかるのかもしれません。
電気代(19,800円/月)は日本にいたときに比べると2倍くらいなのですが・・・ただ、日本で電力使用量が多くなりがちなエアコンがロンドンの我が家にはありませんので、なんでこんなにかかるのだろう?という感じがします。オーブンとかクッキングヒーターとかの電力使用量が高いのでしょうかね。あとは洗濯機とか冷蔵庫とか、そこまで電力使用量が高くないものばかりです。
水道代(7,920円/月)は電気代・ガス代に比べればマシに感じてしまいますが、それでも日本の2倍くらいはしますね。
生活費分析3:通信費や車代はそこまで高くない
通信費(13,107/月)は、ロンドンでは携帯電話やインターネット費用がそこまで高くなく、むしろ日本より安いサービスもあったりしますので、思ったよりも安いです。日本では楽天ひかり&楽天モバイルでかなり通信費を抑えていたため、我が家では日本のときの方が通信費は安かったのですが、それと大きく変わらない通信費となっています。
車代(37,733/月)は、ガソリン代、路上駐車のパーミットやMOT(車検)、車のメンテナンスサービス費用、交通違反時の反則金などなどが含まれています。ガソリン代こそ2024年6月現在で1.5ポンド(297円)/リッターと非常に高額ですが、毎年おおこなうMOTが安かったり、税金が取られなかったり、高速代金がほぼ無料ということもあり思ったよりはかかっていないと思います。
これに加えて、中古車市場で割と高く車を売ることができるため、車を持つ負担は日本よりも少ないと言えるかもしれません。
生活費分析4:貯金できるかは教育費、娯楽費、旅行代次第
ここまで見てきた生活費はたしかに高いのですが、海外駐在員としていただいている給料でまかなうことは可能です。ですが、これに教育費や娯楽費、旅行代などが入ってくると生活費は大きく変わります。
23年4月~24年3月はいくつか大きな旅行に行ったこともあり、旅行代(297,805円/月)がとんでもないことになっています。また、教育費(139,131円/月)や娯楽費(38,363円/月)も大きく、この合計が他の生活費合計とほぼ同じになっています。
海外駐在員がどこまで貯金できるかは、結局はこの教育費、娯楽費、旅行代にかかっているかなと思います。我が家は23年4月~24年3月は貯蓄ゼロという状況に陥ってしまいましたので、24年4月からは引き締めを図ろうと考えています。この生活費状況についてはどこかで記事にしたいと思っています。
結論:生活は楽だが、かかった費用を見て青ざめる
結論としては、ロンドン駐在員の生活はそれなりに切り詰めれば楽ということになるかと思います。
月の収入891,000円を分母にしてパーセンテージを出してみると下記のような割合になりました。物価の上がった昨今でも、収入の半分くらいで生活できるイメージで、教育費、娯楽費、旅行代にどこまで使うかで貯蓄額が決まる、という感じです。
【収入に占める生活費の割合】
我が家では23年3月まではかなりのペースで貯蓄できていましたが、23年4月以降は貯蓄できないレベルになってしまっています。今年は旅行にそこまでお金を使わないと思うので、投資も再開したいですね。
まとめ
以上、海外駐在員の生活費について説明してきました。今回の記事のまとめです。
- ロンドンの物価は日本と比べてかなり高い
– 住宅費はタワマンに住むくらいのイメージ
– 食費・外食費も総じて高い
– トイレットペーパーやティッシュペーパーなど日用品も高い
– 光熱費は3倍!
– 教育費やスポーツの月謝も倍くらい?
– 通信費やレジャー費用はそこまで高くない!? - ロンドン駐在員の生活費
– 月収89万円のうち、半分くらいで生活は可能
– 教育費・娯楽費・旅行代をどこまで使うかで貯蓄が決まる
ありがとうございました。