どうも、ロンドン駐在員のぷーたです。
今回の記事は、次のような方のお悩みを解決するために書いています。
- イギリスでオススメのVPNはどれ?
- ExpressVPNって高いけど、利用する価値ある?
- ExpressVPNを使用するメリットとデメリットを知りたい!
私はイギリスに駐在していますが、海外で生活して困ることの1つが、日本のAmazon Prime VideoやTverなどの動画配信サービスやYahoo!ニュースなど日本で普通に見ていたサービスが利用できないことなんですよね。
ですが、そんな不便はVPNを使えば解決します。この記事では私が実際に使用したExpressVPNについて、メリットとデメリットを含めてイギリスでの実体験を元にExpressVPNが使えるかどうかをお伝えします。
VPNを使えば海外からでも日本の動画が見られる
前提として、VPNが何か?ということを知っておく必要があると思いますので、もしVPNって何?という方でお時間がある方はこちらの記事を見てみてください。
簡単にまとめておくと、VPNとはVirtual Private Networkの略で、
- VPNサービスはパソコンやスマートフォンの住所を別の場所にできるセキュリティ向上の仕組み
- VPNサービスを利用するメリットは
ーVPNを利用すればアクセス元の国を変えることが可能
ーVPNはセキュリティ向上にも役立つ - VPNサービスを利用するデメリットは
ー通信速度が遅くなる
ー有料VPNはお金がかかる
となります。VPNを使うことで本当はイギリスにいるんだけど、日本にいると見せかけることで、日本のAmazon PrimeやTverを見ることができる、ということなんですね。
ExpressVPNとは?
まずはExpressVPNの概要ですが、下記のとおりです。
月額利用料 | 1年契約:5.48ポンド/月(今なら3ヶ月無料つき) 6ヶ月契約:8.21ポンド/月 1ヶ月契約:10.64ポンド/月 |
運営企業 | Express Technologies Ltd. |
所在地 | イギリス領ヴァージン諸島 |
VPNサーバー数 | 3,000台以上 |
接続可能国数 | 105カ国 |
同時接続端末数 | 8台 |
暗号化アルゴリズム | AES-256bit |
ノーログポリシー | 最低限のログのみ(個人情報はノーログ) |
お試し期間 | 30日間返金保証 |
サポート | 24時間ライブチャット・メール(英語) |
対応OS | Windows/macOS/iOS/Android/Linux |
対応デバイス | ルーター/AppleTV/Amazon Fire TV Stick/Android TV |
ExpressVPNは、イギリス領ヴァージン諸島の企業Express Technologies Ltd.が提供するVPNサービスで、イギリスのマン島で法人登録されたKape Technologies PLCの子会社です。Kape Technologies PLCはCyberGhostの親会社でもあるんですね。
Express Technologies Ltd.の情報はこちらのCompanies Houseというイギリス政府の運営する法人検索サービスで確認することができます。
ExpressVPNのメリット
メリット1:世界中に多くのサーバーがありマルチに接続可能
VPNサービスを利用する上で、サーバーがどこにあるのかというのは重要です。例えば、イギリスから日本のコンテンツにアクセスする場合は日本にサーバーがある必要がありますが、プレミアリーグを全試合DAZNで放映しているスペインのサーバーにつなぎたい、とか日本からBBCやITVに接続してEURO2024を見たい、といった場合はできる限り多くのサーバーが各国に存在している方が有用です。
ExpressVPNはアルゼンチン、チリ、アルバニア、エストニア、インド、台湾、アルジェリア、南アフリカを含む105カ国にサーバーを置いており、必要に応じて様々な国からのアクセスを可能にしてくれます。しかも、合計サーバー数は3,000以上あり、1国平均で約30のサーバーがあるため、たとえいくつかのサーバーがトラブルなどで機能していなかったとしても、その国の別のサーバーに接続することで、動画コンテンツなどへのアクセスを可能にしてくれます。
サーバーをおいている国数が多いのはExpressVPNの強みといえるでしょう。NetflixやYouTubeプレミアムを別の国から申し込むと月額利用料が安くなることがあるのですが、これを申し込もうとしても、VPNサーバーがその国にない場合は申し込みができません。それを考えても、多くの国からのVPN接続ができることに越したことはありません。
メリット2:高速通信
インターネットのサービスを利用する上で、多くの利用者が重要視するのは通信速度です。もし通信速度が遅い場合、Webサイトの閲覧くらいならばまだ我慢できるレベルかも知れませんが、動画、特に高解像度での快適なコンテンツ閲覧からは程遠くなってしまいます。
そのため、VPNサービスを選択する際に、通信速度を重視することは重要であり、最も重要なポイントと言ってもおかしくはないかもしれません。ExpressVPNは通信のプロトコルにLightwayを活用するなど、高速で不自由の少ない通信を実現しています。
ここでLightwayについて簡単に説明します。Lightwayとは、VPNの通信プロトコルなのですが、VPNプロトコルというのは、アプリがサーバーに安全に接続する方法からデータを転送する方法まで、ソフトウェアのあらゆる動作を制御するコードのセットです。
このVPNプロトコルは通常L2TP (Layer 2 Tunneling Protocol)やOpenVPN (TCP/UDP) 、IKEv2(Internet Key Exchange Version 2)などが使われていますが、ExpressVPNでは独自のLightwayを採用しています。
Lightway はExpressVPNがセキュリティ、速度、信頼性の最適な組み合わせを実現するために開発した独自のプロトコルです。
あくまでもExpressVPNのWebサイトの情報ですが、「10人中 9 人が Lightway によって以前よりも速く VPN に接続できるようになったことに同意しています。」と記載しており、ユーザーの満足度はかなり高そうです。
メリット3:最強クラスの安全性
VPNサービスはその性質上、セキュリティが万全な安全なサービスでなければサービスとして成立しません。VPNサービスを利用する目的の1つがセキュリティの向上ですから、VPNを利用しているのに通信しているデータが盗まれてしまっては、VPNを利用する意味がないからです。
通信速度を重視することは当然ですが、VPNサービスにおいては安全性の高さもサービスを選ぶ際の大きな基準となります。
ExpressVPNは、VPNサービスとして最高クラスの安全性を誇ります。
ExpressVPNも他のVPNサービスと同様に通信自体を暗号化していますが、暗号化の方法が高い安全性を誇る方式を採用しています。
最強な暗号化方式AES-256の採用
ExpressVPNが採用しているのはAES-256という2024年時点で暗号強度が最強といわれているアルゴリズムで、破られた前例がない暗号化の方式であり、アメリカ合衆国政府と同じ暗号化の方式です。AES-256は機密情報を扱う世界中のセキュリティの専門家も使用している暗号化の方式です。AES-256は256ビットの鍵を使用しており、鍵のパターンは2の256乗、10の77乗もの数値になります。10の68乗が無量大数ですので、日本語で数字を表すことができないほどの数値ですね。それだけ多くのパターンから正解を当てるのは、総当たりで当てようとしても相当な時間を書けなければ当たりません。そのため、当てることが不可能な鍵であり、万全なセキュリティを備えていると言うことができるんですね。
安全性については、ExpressVPN側の説明だけでは信用できないかもしれません。ですが、ExpressVPNの安全性は外部監査を受けており、信頼できるものと言えます。
こちらのExpressVPNのWebサイトでは、独立した監査法人、KPMGやF-Secure、Cure53からのセキュリティ監査を受けた監査報告書19通を開示しています。こうした第三者による監査結果を見ることで、ExpressVPNは外部の監査をパスできている、セキュリティ性能に優れたVPNサービスだと考えることができるでしょう。
もちろん、外部監査だけではなく、内部での侵入テストなども実施しており、セキュリティを万全な体制に整えています。そのため、ExpressVPNは機密情報の送受信や金融サービスへのアクセスなどの高い水準のセキュリティを求める場合でも安心して利用できるでしょう。
プライバシー保護も最強
ExpressVPNでは、一切のログを保有しないノーログポリシーにもとづき、VPNサービスを運営しています。VPNサービスを利用する際に取ることのできるログは以下のとおりです。
アクティビティログ | VPNに接続している間のオンラインアクティビティ情報。これには、アクセスするWebサイト、ダウンロードするファイル、および使用するアプリの情報 |
接続ログ | 接続の時間と日付、接続したVPNサーバーのIPアドレス、転送されたデータの量など、VPN接続に関する情報 |
集約されたログ | 各サーバーに接続するユーザー数や転送されるデータの総額など、VPNの使用パターンに関する情報 |
ExpressVPNでは、これらの情報を取得しないというポリシーを掲げています。逆を言えば、VPNサービスによっては、これらの情報を取得しているサービスもあるようですので、気をつけましょう。
ExpressVPNでは、すべてのデータはRAM(電源を切ったら情報が消えてしまうメモリ)にに保存しているため、サーバーを再起動した際にはすべてのデータが抹消されてしまいます。また、このノーログポリシーについて独立した第三者機関から監査を定期的に受け、ポリシーへの準拠の確認を受けています。
このため、情報のやり取りが激しく規制さる中国からの利用や機密情報の送受信の場面など、政府による検閲や情報漏洩が懸念される状況で使用するサービスとして適していると言えるでしょう。
メリット4:突然VPN接続が切れても安心
ExpressVPNには「Network Lock」という安全機能が実装されています。この機能は他のVPNサービスではキルスイッチと言われています。
これは、VPNを使用しているときにVPNサーバーとの接続が遮断された場合に通信そのものを遮断するシステムです。もしこれが備わっていないと、サーバーとの接続が切れたときに通常のインターネット経由の通信に切り替わってしまい、情報漏洩の原因になることが考えられます。
Network Lockやキルスイッチが実装されておらず、かつセキュリティのかかっていないフリーWifiに接続しているような場合は大変危険です。もしVPNサービスとの接続が遮断された場合、VPN接続無しでフリーWifiに接続することになり、パソコンやスマートフォンの中の情報が盗まれてしまうような自体が起こりかねません。
ですがNetwork Lockやキルスイッチがあればインターネット接続が自然に切断されますので、情報を盗まれるリスクを低減する事が可能になります。
なお、ExpressVPNではiOSのみNetwork Lockに対応していませんでしたが、iOS14からはアプリでの接続でVPN接続が切れた時点でネットワーク接続の自動切断が可能です。もちろんAndroidでもNetwork Lockに対応しています。
メリット5:マルチデバイスに対応している
ExpressVPNは対応デバイスの種類が多くなっており、例えばルーター、Apple TV、Amazon Fire TV Stick、Android TVなどのデバイスにVPNを設定することが可能です。
AppleTV、Amazon Fire TV Stick、Android TVは、TVに接続してNetflixやTverなどのコンテンツを見ることができる便利なデバイスですが、イギリスなど外国にいる場合、日本以外からのアクセスを制限されてしまい、日本のコンテンツを見ることができません。ですが、Amazon Fire TV Stick自体にExpressVPNアプリをインストールして日本にVPN接続してしまえば、日本のコンテンツが視聴が可能になります。
また、ExpressVPNではルーターでのVPN接続に対応している点も大きいです。例えばNintendo Switchでセキュリティ対策でVPN接続をしようとしても、Nintendo Switch独自でVPN接続に対応することができません。そのため、ルーターの方でExpressVPNでVPN接続をして、Nintendo Switchをルーターに接続することでNintendo SwitchでもVPN接続が可能になります。
ExpressVPNは、このようにルーターでのVPN接続をすることができるため利用価値が高いと言えます。
さらに、ChromeのようなブラウザにExpressVPNを設定することも可能で、この場合は他のブラウザやアプリではVPN接続をせず、Chromeで接続するときのみExpressVPNで接続することが可能です。
フレキシブルな接続ができることもExpressVPNの特徴と言えるでしょう。
ExpressVPNのデメリット
デメリット1:料金が他のVPNサービスと比較するとやや高い
ExpressVPNの料金体系は、1ヶ月契約ではほかのサービスと同水準になっているものの、長期間契約した場合はやや高めです。
ExpressVPNの月額利用料は下記の通りです。
1年契約 | 5.48ポンド/月(今なら3ヶ月無料つき) |
6ヶ月契約 | 8.21ポンド/月 |
1ヶ月契約 | 10.64ポンド/月 |
各VPNサービスの月額利用料を比較して見るとこのようになります。ExpressVPNは他社と比較すると少し高いと言えるでしょう。
VPN名 | ExpressVPN | NordVPN | Surfshark | Proton VPN | CyberGhost |
---|---|---|---|---|---|
月額料金 | £5.48 | £2.69 | £1.69 | €4.49 | £1.78 |
契約期間 |
1年契約(今なら3ヶ月無料) | 2年契約(ベーシックプラン) | 2年+3ヶ月契約(Sufshark Starterプラン) | 2年契約 | 2年+4ヶ月契約 |
ExpressVPNは料金が少し高いため、コストとしては割高になると言えますが、その分接続速度やセキュリティ面など品質は高いため、コストより品質を重視する方に向いていると言えますね。
デメリット2:中国からの利用がしにくいことがある
中国国内からVPNを使用し、Great Firewallを回避して国外のサイトにアクセスするのは、よくあるVPNの用途です。
中国では中国全土に敷かれているGreat Firewallというインターネット検閲・ブロックシステムによって、中国政府に対して不利益となる情報を規制しています。そのため、日本やイギリスでは普通に利用できるサービス、例えばGoogle検索のようなサービスが中国では利用できません。
これはGreat FirewallによってGoogleへの接続が遮断されてしまうんですね。ですが、VPN接続を使用することでGoogle検索が利用可能となります。
そのため中国でもExpressVPNを使用すればNetflixやTverなどの日本のコンテンツにアクセス可能になります。
ですがこれは私の中国の駐在仲間から聞いた話ですが、ExpressVPNのようなVPNサービスが使えないケースもあるそうです。常に使えないわけではなく、使えない時がある、ということです。駐在仲間の話では、中国政府が特定のVPNサービスのサーバーを狙って通信を遮断するなどの対策をしているのではないか、ということですが実態はわかりません。
その場合、ExpressVPNの別のサーバーに接続することもできますが、それでもダメな場合もあるようですので、中国からの接続を考えている方は複数のVPNサービスを利用することを考えても良さそうです。
VPNサービス自体はそこまで高いものではないですし、海外にいて働いていると日本にいるときよりもストレスが多いこともありますから、日本や他国のコンテンツを見てストレス発散したいですよね。
ExpressVPNに向いている方
ExpressVPNのメリット、デメリットをご紹介しましたが、総じてExpressVPNは下記のような方に向いていると言えると考えます。
- セキュリティの高さを最優先の条件としてVPNを探している方
- VPNを使用しても高い通信速度を確保したい方
- ルーターやAmazon Fire TV Stickなど様々なデバイスでVPNを使用したい方
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他のVPNサービスとの比較
他のVPNサービスと比較したいまだ迷っているここで一覧表でそれぞれのVPNサービスを比較してみました。初めてVPNを利用する人や、契約するVPN選びで悩んでいる人はおすすめの中から選んでみてください。
VPN名 | NordVPN |
ExpressVPN |
Surfshark |
Proton VPN |
CyberGhost |
---|---|---|---|---|---|
月額料金 | £2.69~£10.39 | £5.48~£10.64 | £1.69~£12.29 | €4.49~€9.99 | £1.78~£10.89 |
通信速度 | 285Mbps | 292Mbps | 298Mbps | 280Mbps | 277Mbps |
サーバー 台数 |
6,300以上 | 3,000以上 | 3,200以上 | 5,100以上 | 11,800以上 |
接続可能 設置国数 |
111ヶ国 | 105ヶ国 | 100ヶ国 以上 |
91ヶ国 | 100ヶ国 |
同時接続 端末数 |
10 | 8 | 無制限 | 10 | 7 |
返金保証 | 30日間 | 14〜45日間 |
まとめ
- VPNサービスはパソコンやスマートフォンの住所を別の場所にできるセキュリティ向上の仕組み
- ExpressVPNはイギリス領ヴァージン諸島の企業Express Technologies Ltd.が提供するVPNサービス
- ExpressVPNを利用するメリットは
ー世界中に多くのサーバーがありマルチに接続可能
ー高速通信
ー最強クラスの安全性
―突然VPN接続が切れても安心
―マルチデバイスに対応している - ExpressVPNを利用するデメリットは
ー料金が他のVPNサービスと比較するとやや高い
ー中国からの利用がしにくいことがある - ExpressVPNが向いている方は
ーセキュリティの高さを最優先の条件としてVPNを探している方
ーVPNを使用しても高い通信速度を確保したい方
ールーターやAmazon Fire TV Stickなど様々なデバイスでVPNを使用したい方
ありがとうございました。