イギリスについて

イギリスで交通違反したときの対応を詳細解説~講習or罰金+ペナルティポイントor裁判のどれがいい?~

どうも、ロンドン駐在員のぷーたです。
今回の記事は、次のような方の疑問を解消するために書いています。

  • イギリスではどんなことをすると交通違反になるの?
  • イギリスで交通違反をしたらどうすればいいの?
  • イギリスで交通違反をして警察から手紙が来たけど無視してもいいよね?

イギリスでは交通違反のチェックが厳しい

イギリスで車を利用することになる方は多いと思います。たとえば、このような状況です。

  • 公共交通機関(特にバス)が思ったとおりに走ってくれず、行きたいところまでの所要時間が想定よりも長くなることが多いため車のほうが利便性が高い
  • 比較的安価に買い物できる大型商業施設(スーパー、Costco、IKEAなど)は郊外にあることが多く、荷物の面からも車で行くほうが便利
  • サッカー場やラグビー場などのスポーツ観戦には車で行く方が便利な場合がある
  • 子供の学校やスポーツクラブなど場所によっては車で送迎が必要

ですが、イギリスでの車の運転は気をつけなければすぐに交通違反となってしまい、罰金などのペナルティが課せられてしまいます。

私ぷーたは下記の交通違反(駐車場内での違反含む)を犯してしまっています。4年半でこれが多いか少ないかはわかりませんが、合計で400ポンドもの罰金を支払っています。

  • スピード違反:1回(100ポンド)
  • 駐車違反:2回(60ポンド✕2)
  • ボックスジャンクション停止:1回(80ポンド)
  • 高速道路の赤いX印通過:1回(100ポンド)

スピード違反と駐車違反はわかりやすいと思いますが、下2つは日本ではあまり馴染みがない内容ですので説明しておきます。

まずボックスジャンクション停止による違反は、交差点に書かれている下記の黄色のチェックボックスの間に停車することが違反となります(右左折時はOK)。

また、高速道路の赤いX印通過というのは、Red Xという下記の表示があるレーンを通過することです。

それだけで違反になるの?と思われるかもしれませんが、カメラで撮影されているような場所ですと、それだけで違反となり100ポンド近くの罰金を取られてしまいます。

イギリスでは路上は罠だらけ、と言えますね。

交通違反をすると警察からレターが届く

さて、今回の記事は交通違反をしたときにどうなるのか?ということを掘り下げたいと思います。最近私の犯したRed X通過についてどのようなことが起こったかを恥ずかしながら説明します。ある日突然、このようなレターが警察から送られてきます。レターに書かれているのは、高速道路上のレーン閉鎖のルール違反をしたこと、違反者の名前と住所の提供をリクエストすること、そしてそれをしない場合倍のペナルティになる可能性があること、となります。

添付されているレターに具体的な手続き方法が書かれています。3つの選択肢があることが書かれています。 

選択肢は以下の3つです。

  • 選択肢1:違反者向けの講習を受講する
  • 選択肢2:罰金の支払い+ペナルティポイント加算
  • 選択肢3:裁判する

それぞれ紹介します。

選択肢1:違反者向けの講習を受講する

お金を支払いたくない!という場合は違反者向けの講習の受講がオススメです。今回の私の違反は高速道路上で起きたものですので、National Motorway Awareness Courseという講習の受講を推奨されています。

この講習を受講をするための手続きは、UKROEd(UK Road Offender Education)のWebサイトにアクセスし、警察からのレターに書かれているReference NumberとPIN Numberを入力して登録します。

そしてDashboardでManage my CourseでOKを押してコースの予約に進みます。ちなみに私の場合は選択肢2:罰金を支払うを選択したため、講習は選べなくなっていました。

ですが、講習を希望する場合は、その後に表示されるGoogleの画面から講習を受けるセンターを指定し、日時を指定して予約します。ちなみにNational Motorway Awareness Courseの場合、3時間の講習で78~92ポンドの手数料がかかります。

ちなみにUKROEdでは様々な交通違反用の講習を提供しています。下記にコースと対象となる違反、講習時間と手数料を示します。

What’s Driving Us?(何が私達を駆り立てるのか?)やYour Belt Your Life(あなたのベルト、あなたの人生)など、ちょっと捻ったタイトルがついているのが面白いですね。

いくつかのコースについて、具体的な違反行為についてもう少しだけ解説しておきます。

  • National Motorway Awareness Course (NMAC)
    ー可変速度制限でのスピード違反
    ー赤いX印レーンの通過
    ー路肩や緊急避難エリアでのルール違反
  • Safe and Considerate Cycling Course (SCCC)
    ー自転車での信号無視
    ー夜間にライトを点灯せずに自転車を運転
    ー自転車専用道路ではない歩道で自転車を運転
  • What’s Driving Us? (WDU)
    ー十分な注意、配慮をせずに運転
    ー幅寄せ
    ー信号無視
    ー交通信号違反
    ー実線の白線の通過(追い越し等)
    ー横断歩道エリアでの停止、追い越し、歩行者を優先しない
    ー学校の校門部分での停車
    ー進入禁止違反

What’s Driving Us?はちょっと油断すると違反になってしまいそうですね。実際にはカメラなどで撮られていなければ違反になることはあまりなさそうですが、通報される場合もあり得るので気をつけなければいけません。

選択肢2:罰金の支払い+ペナルティポイント加算

続いて、罰金の支払い+ペナルティポイント加算です。選択肢2では2つのことをしなければなりません。それぞれ解説します。

罰金の支払方法

罰金の支払はレターの下記の部分に記載されています。支払方法には以下の3通りの方法があります。

  • オンラインでの支払
  • 電話での支払
  • 郵便での小切手による支払

オンラインで支払うのが最も楽な方法ですね。こちらのPenalty Notice Portalからレターに記載のあるNotice Number、Offence Date、Offence Codeの情報を入力して支払をおこないます。

ペナルティポイント加算

イギリスではドライバーに対して運転記録という記録が登録されるのですが、交通違反をするとその記録にペナルティポイントが加算されます。このペナルティポイントは違反の重さに応じて4年間または11年間残ります。

違反内容 ペナルティポイント
整備不良(ライト切れ、欠陥タイヤ) 3
スピード違反 3~6
信号無視 3
高速道路での特別規則違反 3
歩行者横断規則違反 3
交通標識の違反 3
飲酒運転・薬物を使用しての運転 3~11
携帯電話使用や飲食しながらの運転 3~6
対人対物保険をかけていない場合 6~8
交通事故 3~11
事故を起こして報告しない 5~10
免停期間中に運転 6

この中で知っておかなければいけないことに飲酒運転のルールがあります。イギリスでは呼気100ml当たり35μgです。つまりはこの数値を超えなければ飲酒運転にならないわけですが、これを日本の基準になおして比較してみると、このようになります。

飲酒運転の基準 条件 ペナルティ
日本の酒気帯び運転 呼気1リットル当たり0.15mgのアルコール ー90日間の免許停止(13点)
ー3年以下の懲役又は50万円以下の罰金
日本の酒酔い運転 呼気1リットル当たり0.25mgのアルコール ー免許取り消し(25点)
ー5年以下の懲役又は100万円以下の罰金
イギリスの飲酒運転 呼気1リットル当たり0.35mgのアルコール ー6ヶ月の懲役
ー無制限の罰金
ー少なくとも1年間の運転禁止

イギリスの飲酒運転の基準はかなり高いと言えますね。一般的なイギリス人はビール2パイントまで飲んでもいい、となっているようですが保証はまったくできませんので、「飲んだら乗るな」を心がけることをオススメします。

ちなみにスコットランドでは呼気1リットル当たり0.22mgのアルコール量で飲酒運転になります。これでも高いかもしれませんね。

イギリスで車を運転していると急加速や急な割り込みなど危険な思いをすることが多い気がしますが、この飲酒運転の基準が高いことも影響しているのかもしれません。

さて、ペナルティポイントの加算ですが、違反の通知が来た時点で児童で加算されるわけではありません。

違反のレターについてきたこちらの運転免許情報通知書を記載して、郵送する必要があります。情報を記載するだけでよく、運転免許証のコピーや原本を送付する必要はありません。

ペナルティポイントが貯まるとどうなる?

ペナルティポイントの加算ですが、当然ながらポイントが貯まってしまうと問題があります。

  • 免許取得(試験合格)から2年位内に6点加算されると免許取り消し
  • 3年間で12点加算されると6ヶ月間の免停

そのため、選択肢1:違反者向けの講習を受講するであればペナルティポイントが貯まりませんので、6ポイントほどまで貯まってしまったら講習を受講することが推奨されます。講習を受けた場合、ペナルティポイントは加算されません。

それにしても、免許取得から2年位内に6点加算で免許取り消しというのは非常に厳しいですね。免許取り立ての場合は、講習受講が必須になってくるかもしれません。

選択肢3:裁判する

3つ目の選択肢は裁判です。裁判所での裁判をリクエストして、違反の事実についての陳述をすることが認められます。判事が言い分を認めてくれれば無罪放免の可能性があります。

ですが裁判には時間がかかりますし、明らかな証拠がない限りは認めて講習を受講するか、罰金+ペナルティポイントで解決したほうが良さそうに思えます。

レターにも裁判を選択する場合は法律の専門家のアドバイスを受けることを推奨しています。もしこの相談も有料ということになれば、罰金を支払ってしまった方が安く済むかもしれません。

つまりは、講習が用意されていない違反で、かつペナルティポイント9点で崖っぷちな状況で交通違反をした場合の最後の選択肢ということなのかもしれません。

警察からのレターを無視するとどうなる?

なお、警察からのレターを無視するとどうなるのでしょう?正解は、こちらのリマインダーレターが送られてきます。

こんなのもらってしまってはいけませんね。ですが一度だけは許してくれるようです。このリマインドのレターの発行日から10日以内にアクションしないと法的措置をとるぞ、と言っています。

ちなみにこのレターまで無視してしまうと裁判所への召喚、逮捕など深刻な自体に陥る可能性がありますのですぐに対応しましょう。

警察のレターに対応した場合

私は上記の警察からのレターに対しては罰金の支払い+運転免許情報通知書を送付して対応しました。通知書の送付から数週間後下記のスタンプが押された運転免許情報通知書が返送されてきました。

すべてのチェックが完了しペナルティポイントの加算が完了した、ということですね。

ちなみにペナルティポイントの確認はこちらのWebサイトで可能です。レンタカーなどを借りる際に使用する運転免許証の情報を取得すると確認可能です。

はい、しっかりと3ポイントが加算されていました。

次回以降は違反とならないように十分に気をつけて運転していきたいと思います。それでも引っかかってしまうのがイギリスの取り締まりのようですが、ルールはしっかりと把握しておきたいですね。

まとめ

以上、イギリスで交通違反をした際の対応について説明しました。今回の記事をまとめます。

  • イギリスでは交通違反のチェックが厳しく、あらゆるところでカメラによる監視を実施しており罰金を請求されるリスクがある
  • 交通違反をすると警察からレターが届く。選択肢は3つ。
    ー選択肢1:違反者向けの教育コースを受講する
    ー選択肢2:罰金の支払い+ペナルティポイント加算
    ー選択肢3:裁判する罰金の支払方法
  • ペナルティポイントが加算される影響
    ー免許取得(試験合格)から2年位内に6点加算されると免許取り消し
    ー3年間で12点加算されると6ヶ月間の免停
  • 警察からのレターを無視すると、リマインダーが送付される。それも無視すると裁判所への召喚、逮捕などの可能性がある
  • イギリスでの飲酒運転の基準は日本よりずっと高く、日本では酒酔い運転(呼気1リットル当たり0.25mgのアルコール)となるレベルでもイギリスの基準(呼気1リットル当たり0.35mgのアルコール)では違反にならない

ありがとうございました。

ABOUT ME
ぷーた
ぷーたです!投資とポイント活動、ジョギングが趣味のロンドン駐在員です。お得活動のためには徹底的な調査と行動をしており、たくさんの方に情報を共有したいと思ってこのブログを立ち上げました。