どうも、ロンドン駐在員のぷーたです。
今回の記事は、次のような疑問を解消するために書いています。
- イギリスで簡単に銀行口座を解説する方法はない?
- イギリスのネットバンクMonzoで口座開設する方法を教えて!
- イギリス国外でのカード払いで手数料を抑えたい!どうすればいい?
イギリスでの銀行口座開設
イギリス駐在をする場合、家賃や水道光熱費、通信費などの支払には銀行口座が必要になることが多いです。場合によってはクレジットカード払いが可能な場合もありますが、クレジットカード払いができない場合もあり、その場合は銀行口座が必要になってきます。
このクレジットカード払いができるかどうかはサービスの提供会社によって異なりますので、よく確認が必要です。一般的にはクレジットカード払いは支払を受ける側がクレジットカード会社に手数料を支払わなければならないため、大きくない会社の場合はクレジットカード払いが選択できず、銀行振込や口座振替(スタンディングオーダー)しか対応していない場合も多いです。
また、イギリス国内で受け取る給与はイギリスの銀行口座で受け取らなければなりませんので、イギリス駐在を開始する際には銀行口座を準備する必要があります。
イギリスのメガバンク(The big four)とは?
日本における4大メガバンク(みずほ・三菱UFJ・三井住友・りそな)のように、イギリスにはバークレイズ、HSBC、ナットウエストグループ、ロイズ・バンキング・グループといった4大メガバンクが存在します。これらを総称してThe big fourという言い方もします。
イギリスのメガバンクはそれぞれの中規模程度以上の都市に支店を置いていることが多く、何かあった際には支店に行って話をすれば何とかなる、ということがあります。英語のハードルはありますが、銀行の人と対面で話せば意思疎通もできますし、何とかしてくれることが多いです。
一方で、メガバンクは口座開設については各行それぞれ基準を有しており、書類の審査やKYC(Know Your Client)、つまりマネーロンダリングなどをしない人物かどうかの本人確認プロセスに手間をかけています。そのため、必要書類を全部準備したとしても必ずしも口座が開設できるとは限らず、何かの要素が引っかかってしまった場合には口座開設にかかる時間が長くなってしまうこともあるようです。
イギリスのチャレンジャーバンクとは?
チャレンジャーバンクとは、メガバンクなどの銀行とは異なり、実店舗を持たずに、申し込みを含めすべてをオンラインで完結する銀行サービスとなっています。今回ご紹介するMonzoや、Revolut、Starling Bank銀行が有名です。ネットバンクという言い方の方がよく使われるかもしれません。
チャレンジャーバンクの特徴は、口座開設を手軽に申し込めて手続きが速い・手数料がかからない・アプリが使いやすいといった点があります。以下、それぞれの特徴について説明します。
口座開設を手軽に申し込めて手続きが速い
チャレンジャーバンクは、実店舗のある銀行と比較して、口座開設を手軽に申し込めるという特徴があります。元々店舗がないためオンライン口座開設のスピードが速く、また、必要なのは銀行開設とともに発送されるデビットカードを受け取れるイギリスの住所とパスポートなどの身分証明書だけと手軽に申し込むことができます。
また何か確認したいことなどが出てきた場合も、オンライン申請が前提のため、オンラインチャットなどのサポートがメガバンクなどと比べて整っており、サポートもスムーズに進みます。
手数料がかからない
イギリスでは日本と違って、国内銀行送金は、他行宛であっても無料で手数料はかかりません。その上、送金のスピードも速くとても頼りになります。これはメガバンクでも同じなのですが、チャレンジャーバンクの場合、国内外でのATM手数料や、デビットカードの海外利用などでも手数料を取られることがありません。
もちろん利用できる最大金額や時間帯が決まっているなど、制約もありますのでよく確認しておく必要はありますが、メガバンクよりも手数料の点で優れていることが多いです。
アプリが使いやすい
アプリが使いやすいというのも、チャレンジャーバンクの特徴の1つです。チャレンジャーバンクはネットに特化した銀行ですので、アプリの使いやすさが生命線になるため、各社とも使いやすいアプリの開発に力を入れています。
もちろん、メガバンクもアプリはありますが、使いやすさという面ではチャレンジャーバンクの方に軍配が上がると思います。
送金や着金時のプッシュ通知や、入出金明細の照会がしやすい、カード紛失時のアプリでの即時のカード凍結(すぐに戻すことも可能)など、便利な特徴があります。
イギリスのチャレンジャーバンクについてはこちらの記事で詳しく説明しています。
Monzoとは?
Monzoの概要
Monzoは、2015年にイギリスで設立されたチャレンジャーバンクの一つで、金融テクノロジーを駆使したオンライン銀行です。支店を持たない完全デジタル型の金融サービスを提供しており、ユーザーはスマートフォンアプリを通じて銀行サービスの利用が可能です。Monzoは、既存の銀行システムの複雑さや手数料の透明性の欠如といった課題に対する革新的な解決策として誕生したと言われています。
Monzoの特徴は、ユーザー中心のサービス設計と使いやすいモバイルアプリにあります。特に、リアルタイムで取引が表示され、予算管理や貯金の計画を簡単に行える機能が便利です。また、Monzoは実店舗がなく低コストで運営されるため、手数料も抑えられていることも大きな特徴です。
Monzoの主な機能とサービス
Monzoの主力サービスは、モバイルアプリを中心に展開される日常的な銀行業務です。イギリスで生活をするに当たって、Monzoをメインバンクとしても問題ないくらいの機能を有しています。
チャレンジャーバンクの特徴である口座開設の簡単さもあって、イギリスで駐在を開始したらまず最初に口座開設をしておいてもいいと思います。
Monzoのモバイルアプリでは、下記のような機能があります。
- リアルタイム通知: すべての取引が即座にアプリに通知され、ユーザーは自分の支出を瞬時に把握できます。
- 予算管理ツール: カテゴリ別に支出を追跡でき、月ごとの予算設定や分析が可能です。これにより、家計管理が簡単になります。
- Savings Pots(貯金用ポット): 貯金をするための専用のポットを作成でき、目標金額を設定して計画的に貯金ができます。
- 国際送金: Monzoは国際送金にも対応しており、手数料が安く、為替レートも競争力があります。
- 海外での手数料無料でのカード利用: 通常であれば海外でのカード決済には数%の手数料がかかりますが、Monzoでは手数料無料で海外決済が可能です。
- カード利用制限: カードを紛失した場合でもアプリから即座にロックができ、再発行手続きもスムーズです。
特にSaving Potsは、ISA Cashに対応していますので、通常の預金利息を稼ぐことを想定しないイギリス駐在員にとってはとても便利です。
金利も2024年9月現在で3.6%ほどと悪くはありません。
ISAについてはこちらの記事で解説しています。
また、Cash ISAで余剰資金の金利を稼ぐにはTrading212をオススメしています。少々の制約はあるものの、金利が5%を超えている、Cash ISAとしての必要条件を多く満たしたアカウントになります。
Monzoが人気のある理由
Monzoがチャレンジャーバンクの中で人気のある理由としては、下記のような理由が挙げられます。
- 手数料の透明性: 多くの銀行の手数料や料金体系が複雑であるのに対し、Monzoは手数料に関して非常に透明であり、明示されています。またユーザーがすぐに理解できるシステムを採用されており、国際送金や外貨取引でも、為替レートや手数料がリアルタイムで表示され、ユーザーに負担をかけません。
- ユーザーコミュニティとの連携: Monzoはユーザーとの対話を重視しており、オンラインフォーラムMonzo Community ForumやSNSを通じてフィードバックを受け取り、サービス改善に反映しています。新機能の開発においても、ユーザーの意見を積極的に取り入れているということです。
- 顧客サポートの強化: チャットベースのサポートを強化しており、問題があれば迅速に対応しています。
この中でもユーザーコミュニティであるMonzo Community Forumのユーザーの意見のサービスへの反映というのは、ユーザー本位のサービスであることが伺えます。このMonzo Community Forumでは初心者向けの利用方法に関する質問を受け付けたり、旅行先での使い方を質問したり、様々なスレッドが見られます。
Monzoでの口座開設方法を詳細解説
ここからはMonzoの口座開設方法を説明していきます。なお、Monzoの口座開設は紹介リンクから開設申込をして、口座開設から30日以内にMonzo口座からの支払を1度でもおこなうと、5ポンドのボーナスをもらうことができます。
もしMonzo口座の開設を希望されているのであれば、こちらのボタンから申し込んでみてください。ちなみに無料口座を選択していれば、月額利用料は一切かかりませんので安心して申し込みできます。
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Monzoアプリのダウンロード
Monzoを利用するには、まずアプリのダウンロードが必要となります。スマートフォンを準備して、こちらのリンクから表示されるページに電話番号を入力してAccept Inviteを押します。
続いて表示される画面でDownload Monzoのボタンを押すとApple StoreまたはGoogle Playのアプリダウンロード画面になりますので、Monzoアプリをダウンロードします。
なお、パソコンからのアクセスの場合入力後、QRコードが表示されますので、スマートフォンでQRコードを読み込むとアプリダウンロード画面に進みます。
アプリでの申し込み手続き
アプリダウンロード後、Monzoアプリを開くと下記の画面になります。I’m new to Monzoでアカウント登録を始めます。
アカウント登録のためにメールアドレスを入力してJoinを押します。
登録メールアドレス宛に確認用メールが届きますのでメールを確認して、メールに届いているリンクをクリックします。
メールアドレスに届いてリンクをクリックするとMonzoアプリが再度開きますので、住んでいる国の情報を登録します。United Kingdomを選択してConfirmを押します。
Monzoがイギリスの正式な銀行であること、パスポート等のID情報が必要であることを説明されます。FCSC(Financial Services Compensation Scheme)の対象であり、85,000ポンドまでの預金が保証される点も書かれていますね。
アカウント種類の選択&個人情報入力
続いてアカウントの種類を選択します。Personal accountは個人1人の口座、Joint accountは夫婦などパートナーと共有できる口座です。
ここではPersonal accountを選択しています。Nextを押します。
ここからは個人情報を入力していきます。氏名と生年月日を入力してNextを押します。
続いて住所を入力します。ポストコードを入力するとプルダウンメニューで住所を選択できますので、選択してNextを押します。
続いて携帯電話番号を入力します。
携帯電話宛にSMSで6桁のコードが届きますので、それを入力します。
2点の確認を求められます。支払時などに通知をオンにするかどうかと、新機能やオファーのメールでの連絡をOKするかどうかです。通知はオンにしておいたほうがいいと思いますが、メールでの連絡はどちらでも構いません。
About you(国籍、雇用について)
ここからは4つの情報が必要となります。まずはAbout youで、国籍や雇用についての情報です。Get startedを押して開始します。
Citizenship(国籍または市民権)についての情報です。私は日本以外の市民権は持っていませんので、日本を選択しています。Nextを押します。
続いて雇用形態について聞かれてますので、Full-timeを選択してNextを押します。
勤務する産業について聞かれますので、回答してNextを押します。
職業を選択して回答します。これでAbout youについての回答は完了です。
Your finances(収入と資産)
次にYour financesで収入と資産について回答します。
年収について聞かれますので入力してNextを押します。正確な金額でなくても大丈夫です。
ちなみに年収は住宅手当などのベネフィットも含めた金額を記入します。
なお、ロンドン駐在員がどのくらいの年収を得られるかについて、私の情報をこちらの記事で公開しています。
次に居住している住居の家賃を入力してNextを押します。
扶養する家族の人数(自分を含む)を選択してFinish sectionを押します。
これでYour financesは完了です。
Your account(銀行口座の利用について)
3つ目の情報はYour accoutです。こちらはMonzoの銀行口座をどのように利用するかを聞いています。Nextを押します。
最初の質問は、主なゴールは何?ということですがメインの利用目的について選択します。私の場合は海外での利用にしていますが、何でも問題ないと思います。Nextを押します。
Monzo銀行口座を何に利用するかを聞かれます。Nextを押します。
最初の支払をどこから受けるのか、支払額はいくらくらいになるのかを選択します。Monzoの場合ATMでの入金に1ポンドの手数料がかかりますので、注意が必要です。他の銀行口座があればその口座からの入金がオススメになりますが、Wiseを利用した日本からの送金も可能です。
毎月口座にどのくらいの入金があるのかを概算で選択します。少額でも問題はありません。Finish sectionを押してYour accountの回答は完了です。
Your identity(個人認証)
ようやく最後の項目となりました。Your identityです。Nextを押して開始します。
身分証明書の写真を撮る必要があるとの説明があります。I’m readyを押してスタートします。
身分証明書の写真を撮ります。身分証明書はパスポート・運転免許証・BRPカードから選択可能です。私はBRPカードを選択しました。表裏両面の写真が必要です。
続いて身分証明書の本人が申込みをしていることを証明するために、ビデオの録画が必要になります。英語で”Hi, my name is ◯◯, and I want a Monzo Bank account.”という文章を読みます。あくまで本人確認ためのものですので、発音などはそこまで気にしなくて大丈夫です。撮り直しも可能です。
アメリカの市民権があるか、またはイギリス以外に税務上の居住者になっているか、ということを聞かれます。該当していなければNo, just the UKを選択します。
税金に関しての宣誓をします。ここではイギリスのHMRC(歳入関税庁)がMoznoから情報を受け取ること、HMRCが他国の税務当局に情報提供することについて説明されています。
口座開設手続きの最後に、ドキュメントの閲覧および確認があります。
Monzoの規約、オーバードラフト(口座に預金が足りないときに貸し付けてくれるルール)、手数料に関するドキュメントの確認をそれぞれ求められます。契約ですので、きちんと読む方が望ましいですが、同意できるのであればAgreeのボタンを押して同意します。
続いてFSCSについての説明があります。Nextを押します。
イギリスのFSCS
イギリスのFSCS(Financial Services Compensation Scheme、金融サービス補償制度)は、イギリスにおける金融機関が破綻した場合に、個人や事業者の預金や投資を保護するための制度です。FSCSは、イギリスのFCA(Financial Conduct Authority、金融行動監視機構)およびイギリスの中央銀行が運営するPRA(Prudential Regulation Authority、健全性監視機構)の監督の下で運営されています。日本の預金保険機構のような制度ですね。
FSCSは様々な金融機関を対象としており、個人の預金や中小企業の預金が主な保護対象となり、万が一これらの金融機関が破綻した場合、FSCSから補償金を支払います。具体的な補償額は、預金者一人当たり最大で85,000ポンド(2024年現在)です。これは、金融機関ごとに設定されており、もし複数の銀行に口座を持っている場合、それぞれの銀行で補償を受けることができます。
日本では、金融機関当たり1人1,000万円が補償されることになっていますので、イギリスの方が補償額は多いと言えますね。加えてFSCSは預金だけでなく、保険商品や投資信託、年金口座などの金融商品も対象としていますので、預金のみが対象となる日本よりも補償が厚いと言えるでしょう。
万が一金融機関が破綻した場合、FSCSは自動的に補償手続きを開始します。補償手続きは迅速に行われることが一般的で、銀行預金の場合は通常7日以内に預金者に対して補償金が支払われます。一方、保険や投資商品に関連する補償手続きは調査に時間がかかることもあり、手続き完了まで数ヶ月かかることもあるということです。
すべての回答を完了するとこちらの表示が出て手続き完了となります。Nextを押します。
無料・有料口座の選択
口座開設に必要な情報が全て問題なければ口座開設が可能となり、アカウントのセットアップをおこないます。簡単に言えば無料口座にするか有料口座にするかを聞かれます。
有料口座については別途解説したいと思いますが、口座開設の当初は無料のFreeアカウントでいいと思います。
月3ポンドのExtraアカウントをオススメしてきますが、ここはKeep free accountで無料口座にしておきましょう。
デビットカードの設定
最後にMonzoのデビットカードの設定をおこないます。
まずはカードに記載される氏名と送付先の確認です。口座開設後2日でカードが受領できると書かれています。
あとは4桁のデビットカード暗証番号を設定します。
これでカードの設定が完了しました。到着見込み時期にかなりの余裕があるのが気になりますが、カードの郵送を待つことにします。なお、実際には申込みからぴったり2日でカードが郵送されてきました。さすがです。
これでMonzoの口座開設は完了です。
まとめ
以上、イギリスのチャレンジャーバンクMonzoの口座開設手続きについて解説しました。今回の記事のまとめです。
- イギリスで駐在するなど生活する場合は水道光熱費や通信費の支払に銀行口座を開設することが望ましい
- バークレイズやHSBCといったメガバンクで銀行口座を開設する場合、書類審査や手続きに時間がかかる
- Monzoのようなチャレンジャーバンクはメガバンクと異なりオンラインでの口座開設を前提としており下記の特徴がある
ー口座開設を手軽に申し込めて手続きが速い
ー手数料がかからない
ーアプリが使いやすい - Monzoは2015年にイギリスで設立されたチャレンジャーバンクの1つ。モバイルアプリの利用を前提とした銀行サービスを提供しており、手数料の透明性、ユーザーコミュニティとの連携、顧客サポートの強化といった特徴で人気がある
- Monzoの口座開設は、身分証明書(パスポート、運転免許証、BRPカードのいずれか)が準備できていればオンラインで15分程度で完了
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ありがとうございました。