どうも、ロンドン駐在員のぷーたです。
今回の記事は、次のような疑問を解消するために書いています。
- イギリスで生活する人の年間の予定はどうなっているの?
- イギリスで忘れちゃいけない更新・支払関係の予定を教えてほしい!
- イギリスの祝日や学校の休みはいつあるの?
イギリスと日本の年度の違い
イギリスで生活をする場合、日本とは年度が違うことに気を付けておく必要があります。例えば、下記のような点がイギリスと日本の違いになります。
日本 | イギリス | |
年間祝日数 | 16日 | 8日 |
学校の年度 | 4月~翌年3月 | 9月~翌年7月 |
税金の申告年度 | 1月~12月 | 4月6日~翌年4月5日 |
会社の決算年度 | 4月~翌年3月 | 1月~12月 |
これらを踏まえて、イギリスの年間スケジュールを見ながら、駐在員家族の生活について説明していきます。各種公共料金の支払スケジュールについても触れていますので、備忘としても使えると思います。
イギリスの年間予定:全体
まずは全体スケジュールをこちらでご覧ください。スポーツや各種イベントなども含めることも考えましたが、あまりに長くなってしまうためイベントは最低限のもののみを記載しています。学校関係が多いのは、子どもがいる場合イギリス駐在員の生活は完全に学校の予定に振り回されてしまうからです。
イギリスの年間予定:春(3~5月)
3月~4月:現地校春休み
イースターホリデーの時期によって毎年春休み期間が変わってくるため、時期を明確に記載できませんが、3~4月の間に学校の春休みが入ります。期間としては2週間プラス数日、という長さのお休みとなります。
3月~4月:イースターホリデー
春といえば、イースターホリデーですね。イングランドでは金曜日にグッドフライデー、月曜日にイースターマンデーがあり、土日を合わせて4連休となります。この時期には学校の春休みということもあり、旅行に出かける人が多いです。
イギリスは4月に入ってもまだまだ寒く、冬のような気候が続きますが、サマータイムに入ったことにより夕方の日は長くなってきて、少しずつ春の近づきを感じられます。
家の中に隠したタマゴを探すエッグハントのようなイベントもありますが、大々的にやっている感じはありません。
3月~4月:Council Tax(住民税)支払
3月~4月にかけて、居住している地域のCouncilからCouncil Taxの請求書が届きます。Council Taxは日本で言う住民税で、住宅用財産にかかるイギリスの地方税という説明ですが、大家ではなく入居者が支払うのが一般的です。カウンシル(自治体)による警察・消防やごみ収集、道路の清掃、公共交通機関運営などサービスに利用されます。
Council Taxについては下記のRightmoveというイギリスの不動産ポータルサイトについて説明した記事に記載しています。
このCouncil Taxですが請求書を無視していると、容赦なく裁判所への呼び出し状が届く可能性があるので忘れずに支払いをしましょう。Council側の手違いもよく起こっており、支払ったのに裁判所へ呼び出すぞ、という脅しのリマインダーが届くこともよくあるのが困りものです。
3月~4月:お花見シーズン
イギリスでも桜が咲きます。もちろん日本ほどの桜の名所はありませんし、大量の桜の木が咲き誇っているような公園や通りはありませんが、日本人の心を癒やしてくれる桜の木が見られる箇所は少なからず存在します。
たとえばこちらのような公園では春になると桜の木が咲いているところを見ることができます。芝生の上にレジャーシートを敷いてお花見なんかも可能です。残念なのは、桜が咲いてもイギリスはまだまだ気温が低いので、コートを着込んで花見をするような形になってしまいます。
3月最終日曜日:サマータイム開始
3月最終日曜日はサマータイムが開始される日です。サマータイムはDaylight Saving timeとも言い、イギリスではグリニッジ標準時(GMT、Greenwich Mean Time)からイギリス夏時間(BST、British Summer Time)に切り替わります。
具体的には、3月最終日曜日の午前2時になると、時計が1時間進み午前3時になります。つまりその日だけは1日が23時間になってしまいますので損した気分になります。ですが暗い冬が終わり夏が始まる(暖かくなるのはまだ先ですが)ため、テンションは上がりますし1時間の損くらいは私は気になりません。
4月5日:税務年度最終日(ISA最終日)
イギリスの税務年度、つまり1年間の税金を計算するための所得の計算期間は4月6日~翌年4月5日です。このような中途半端な期間になったのは、下記の経緯によるものです。
- イングランドとアイルランドでは、キリスト教の4つの主要な宗教的祝日である3月25日(聖母マリアの日)、6月24日(夏至)、9月29日(ミカエル祭)、12月25日(クリスマス)を借金を返済し、土地や財産の費用を支払う「四半期の日」として扱われており、そのうち3月25日は新年として扱われ、イギリスの税務年度の初日となっていた
- 1752年以前、イギリス(大英帝国)ではヨーロッパで使用されていたグレゴリオ暦(現在でも世界で使われている暦)よりも11日遅れのユリウス暦を使用していた。1752年になってイギリスはグレゴリオ暦を採用することとなり、3月25日から11日進めた4月5日がイギリスの税務年度の初日となった
- 1800年にユリウス暦はうるう年であるのに対し、グレゴリオ暦ではうるう年でないため、1日を足した4月6日がイギリスの税務年度の初日となった
元々の3月25日であっても中途半端ですので、4月6日であってもあまり変わらない気がしますが、1752年当時は11日進んだことで、借金の返済が早まったり、地代の支払いが早まったりしたため、問題になったようです。これは日本の明治時代に、旧暦(太陰暦)の明治5年12月3日を新暦(太陽暦)の明治6年1月1日にしたときにも同じことが起こったようです。
さて、4月5日はイギリスで生活する一部の方にとって重要な日となります。それは税務年度の最終日ということで、この日がその年のISA枠の最終日となるからです。
ISAとはIndividual Savings Accountの略で、日本語にすると「少額投資非課税制度」になります。日本でもNISAという制度のことをニュースなどで耳にすることがあると思いますが、日本のNISAはNippon Individual Savings Accountの略でイギリスのISAをモデルにして導入されたものなんですね。
こちらの記事ではイギリスのISAの日本のNISAとの違いやISAの内容を詳しく解説しています。
2024年現在、ISAでは20,000ポンドの非課税投資枠が設定されていますが、この投資枠は毎年4月6日~翌年4月5日までの期間で有効であり、4月5日を過ぎてしまうと残った投資枠は無効になってしまいます。ですので、4月5日が近づくと証券会社などから「投資枠を使い切らなくて大丈夫?」といったリマインドが入ります。20,000ポンドと言えば約400万円ですから1年間にそれだけの金額を投資に回すのは難しいかもしれませんが、4月5日という日付は気に留めておいても良いかもしれません。
4月:現地校サマーターム開始
イギリスの学校は3学期制で、9~12月がオータムターム、1~3月がスプリングターム、4~7月がサマータームとなっています。意地でもウィンタータームとは言わないところにこだわりを感じます。実際のところはオータムタームもスプリングタームも冬なんですけどね。
サマータームは学年の最終タームということもあり各種イベントが目白押しです。Key Stage2のアセスメント、つまりPrimary Schoolの最終年度であるYear6の学力テストが5月、Secondary School以降のキャリアを決定するGCSE(General Certificate of Secondary Education)のテストがおこなわれる5月~6月など、最終タームとして次のステップに進むためのテストがおこなわれます。
他にも、卒業旅行としてのスクールトリップや運動会のようなスポーツデイも開催されます。
5月第1月曜日:アーリーメイバンクホリデー
5月第1月曜日はアーリーメイバンクホリデーです。イギリスの祝日はバンクホリデーと呼ばれますが、これは銀行が休業を許可された日というところから来ているそうです。
アーリーメイバンクホリデーは、
- 春、再生、豊穣を祝う古来の祭りであるメーデー(May Day)
- 労働者の権利に関する日である国際労働者の日(International Workers’ Day)
を組み合わせた祝日ということです。
日本はゴールデンウィーク期間ということもあり、イギリスの日本人駐在員がお休みを取りやすい期間の1つです。
5月下旬:現地校ハーフターム
5月下旬は学校のサマータームにおけるハーフタームとなります。通常1週間学校がお休みになります。ハーフタームはイギリスにおける親の悩みのタネで、1週間のお休み中に子どもをどうしようか?ということで頭を抱えます。
各所でハーフタームキャンプという、ハーフターム期間中を対象とした子どもの参加可能なアクティビティが開催されており、学校と同じように子どもを預けることが可能です。働いている家庭ではこうしたハーフタームキャンプを利用するか、いっそのことハーフターム期間中に親も休暇を取って旅行に行ってしまうパターンも見られます。
ちなみにハーフタームキャンプにはそれなりのお金がかかり、9時~15時くらいの参加で1日30~40ポンド(5,850~7,800円程度)かかりますので決して安いとは言えません。もちろんランチは別で、お弁当を持たせたりする必要があります。
現地校であれば学費もランチ(学年による)もタダですので、ハーフタームは時間面だけでなく金銭面でも親の悩みのタネになることは間違いありません。
5月最終月曜日:スプリングバンクホリデー
年間祝日が8日しかないイギリスで、貴重な祝日が5月に2日あります。5月末のバンクホリデーは学校のハーフターム期間に重なるため、親も3連休以上が確定しており休暇をつけて旅行に行くのをよく見ます。
このスプリングバンクホリデーは聖霊降臨祭(Whit Sunday)というイースター後の第7日曜日を休日としていたものが、1971年に5月の最終月曜日を祝日となったそうです。
ちなみにこの5月最終日の祝日は、正式には名前がないそうです。便宜上スプリングバンクホリデーなどと呼ばれていますが、正式名がないというのはすごいですね。
イギリスの年間予定:夏(6月~8月)
イギリスの非常に短い素敵な季節である夏です。夏といっても実際に季節がいいのは6月~7月くらいまでで、それ以降は朝晩も冷え込んで夏と言うには涼しい気候となります。
ホリデーシーズンであり、それ自体がビックイベントのためそれ以外のイベントは少なめです。
7月下旬~9月上旬:現地校夏休み
イギリスの現地校では7月下旬にサマータームが終了します。Primary SchoolのYear6、Secondary SchoolのYear12などは卒業になりますので、卒業のセレモニーが開かれます。卒業セレモニーは日本のような厳かな感じではなく、次のステップに向けての明るいお別れ会のような感じです。
同じ学校で進級をする場合であっても、先生は変わりますのでお世話になった先生に贈り物をする習慣があります。贈り物はギフトカードのようなものを渡すことが多いです。
現地校の夏休みは7月下旬から始まって9月上旬まで続きます。ヨーロッパ全体では7月~9月の期間はホリデーシーズンとなります。事業所によっては、1~2週間の事業所閉鎖のような休暇を設けているところもあります。
日本人駐在員としては、あまりに仕事が進まなくなるので魔のシーズンとも言えます。とにかく各部署で誰かが休んでいる状態になり、人によっては2~3週間程度の休暇を取得する場合もあり、その期間の仕事を誰かがやってくれるかというと、そんなこともありません。とにかく休暇明けを待つしかなく、ようやく休暇明けの人が戻ってきたと思ったら次の工程の担当者が2週間帰ってきません、といったこともありとにかく仕事が進みません。
とはいえ周りがホリデー気分ですので日本人駐在員もお休みを取って旅行に行きたくなりますね。特にイギリスのビーチは水温が低く海水浴をできるのは熱波が来て30℃近くまで気温が上がったとき以外は気合を入れなければできませんので、イギリス国外のビーチに出かけるチャンスです。
ちなみにイギリスの海水温はこちらのサイトで確認ができます。例えばイギリス有数のビーチリゾートであるブライトンの7月の海水温は下記のとおりです。なんと、真夏であっても平均最高水温が20度を超えません。
8月最終月曜日:サマーバンクホリデー
サマーバンクホリデーは、元々8月第1月曜日だったのですが、1971年に8月最終月曜日に変更されました。これはイギリスの多くの企業が8月前半に2週間休業するため、重なってしまうことを避けるためだったということです。
夏休みのホリデーで遠くに旅行に行った後、このサマーバンクホリデーでイギリス国内や周辺国に旅行に行く、という方が結構多いと思います。
イギリスの年間予定:秋(9月~11月)
9月上旬:オータムターム開始
イギリスの学校では9月から始まる学期はオータムタームと呼ばれ、新学年の始まりとなります。進級によって学校が変わるような場合は新しい仲間との出会いの場となりますが、Primary Schoolではクラス替えもないため、クラスメイトの顔ぶれも変わりませんが、新しい教室に移動して、新しい先生に出会うことで子どもたちは学年が上がったことを感じるようです。
10月下旬:現地校ハーフターム
親の悩みのタネであるハーフタームがやってきます。日が急速に短くなっていく時期ということもあり、どこか遠くに旅行にでも行きたくなるシーズンです。次で説明するサマータイム終了にかかる時期でもあるため、旅行中にサマータイム終了を迎えると旅行時間が1時間だけ得になります。
10月最終日曜日:サマータイム終了
10月最終日曜日は、3月下旬から約7ヶ月続いたサマータイムが終了する日です。
10月最終日曜日の午前2時に時計が1時間戻り午前1時になります。深夜1時が2回繰り返されることになりますので、その日だけは1日が25時間になり1時間得することになります。ですが、1時間得してもその日からは午後4時には暗くなってしまいますのであまり嬉しくないというのが正直な気持ちです。
ちなみに午前1時が2回繰り返されるので、警察の事件の記録や裁判所の記録などはどうなるのだろうと思いましたが、
- AM1:30(BST:イギリス夏時間)
- AM1:30(GMT:グリニッジ標準時)
のようにどちらの標準時かを記載することで明確にしているということです。
10月31日:ハロウィン
10月31日は待ちに待ったハロウィンです。日本でも大分定着したこのイベントですが、イギリスでは夏以降クリスマスまでのビックイベントということもあり、スーパーや商店などではハロウィン向けの商戦が盛り上がります。
特にサマータイムが終わった後で夜が早く訪れるようになってしまうため、暗い気分を吹き飛ばしたいという気持ちもあると思います。
イギリスでのハロウィンは、他の国同様子どもたちが(小学生以下は基本的に親同伴)近所の家々を回ってお菓子をもらって歩きます。Trick or Treat!と言わなくてもお菓子が出てきますが、訪問する家にお子さんがいるような場合は、そのお子さんにお菓子を渡しますので、完全にお菓子交換イベントという感じです。
ハロウィンの仮装もみなさん頑張っていますが、10月下旬のイギリスの夕方の気温は10度を下回りますのでコートを着込んで歩き回ることになります。
なお、ハロウィンのルールとしてカボチャが置いてある家はハロウィンに参加している家庭のため訪問可、置いていない家は訪問不可というルールが我が家の近所では採用されています。子どもたちにとってはカボチャの置いてある家がどこかを探すのも楽しいイベントです。
ハロウィンは10月31日と日付が決まっているため、私は仕事もあり土日でなければ子どもと一緒に回ることができません。週末の方が子どもとハロウィンを楽しめて良いと思うのですが、面倒くさいと思っている方も多いかも知れず、何とも言えません。
11月上旬~:クリスマスイルミネーション
ハロウィンが終わるともうクリスマスです。サマータイムが終わって夕方は4時頃には暗くなり、気分も沈みがちですので、クリスマスとクリスマスホリデーに向けて気分を高めていく以外にモチベーションを保つ方法がありません。
クリスマスに向けて、プレゼントを何にしようかを悩み、実際に買いに行ったり、クリスマスパーティをどのようにおこなうかを考えたり、色々と準備をするのも楽しいですね。
夕方から真っ暗になってしまう環境もあって、11月上旬には様々な町でクリスマスイルミネーションが始まります。ロンドンで最も有名なオックスフォード・ストリートやリージェント・ストリートのイルミネーションも2ヶ月弱楽しめます。
イギリスの年間予定:冬(12月~2月)
12月下旬~1月上旬:現地校冬休み
12月下旬~1月上旬は現地校の冬休みです。会社も同じ時期に冬休みに入りますので、遠くに旅行に行くチャンスですね。新年早々会社が始まりますので、クリスマスの一週間前くらいから休暇に入る方がかなり見られます。日本よりも2週間位早い休みの始まりとなり、この時期も駐在員にとっては仕事が進まない、困った時期になります。
12月25日・26日:クリスマス・ボクシングデー
この祝日があるために冬休みがあるという考え方もできますが、貴重な8日のイギリスの祝日の2日がここで消費されます。12月25日のクリスマスは言うまでもありませんが、26日はクリスマスプレゼントの箱を開けるボクシングデーとなります。
冬休みでどうせ休みなのだからこの祝日をどこか別のところに持っていてほしいと駐在員的には思ってしまいますが、イギリス人にとってはこの2日間は家族で過ごす大事な時間となります。
1月1日:ニューイヤーデ―
こちらもイギリスの祝日となり、この日をもって会社での冬休みは終了、1月2日からは仕事が始まります。日本人的には三が日くらいはゆっくりさせてほしいと思うところですし、割と多くの欧州の日本人は1月上旬は休んでいるような気がします。
1月上旬:現地校スプリングターム開始
冬至から間もなく、冬はこれから本番という時期ですが現地校ではスプリングタームという名の2学期が開始します。朝は8時過ぎに日が出て、夕方は4時前に日が沈む完全な闇の世界ですが、気持ちだけでも春でいたいというのがスプリングタームです。
スプリングタームは真冬の最中ということもあり、特にこれといったイベントはありません。ロンドンでは雪が降ることもほとんどなく、海流や偏西風の影響で0度を下回るような日はほとんどなく、緯度を考えればかなり温暖な環境ですので過ごしやすいはずなのですが、雨がしょっちゅう降りますし、雨が振らなくても日がほとんど出ませんので気分はかなり落ち込みます。
元気に学校に行っている子どもたちの元気に感謝する大人も多いのではないでしょうか。
2月下旬:現地校ハーフターム
特にイベントもなく耐えるだけの冬ですが、2月下旬には親の悩みのタネであるハーフタームが訪れます。欧州内で旅行に行くにも昼の時間が短く行動が制限されますが、イギリスに居るよりはマシなので南の方に旅行に行く方もそれなりにいると思います。
この時期には日の出・日の入りが毎日朝2分、夜2分の計4分ずつ日が長くなっていきますので、まだまだ寒くて暗いものの春の訪れを少しずつ感じられる季節でもあります。
番外編:年に1回の予定
以上でイギリスで生活する場合の1年間について説明したことになりますが、番外編として、年に1回(一部例外あり)こなさなければならない予定について解説しておきたいと思います。これはイギリスで生活するには基本的に毎年1回訪れる予定ですので、わすれずにおこなっておきましょう。
毎年1回の予定①:BBC受信料支払
イギリスで生活する場合忘れてはならないのがBBCの受信料支払いです。日本でもテレビを設置した場合はNHKの放送受信契約を結んで、受信料を支払わなければなりません。
日本ではあくまでもNHK受信料は、
- テレビを設置した世帯が放送受信契約を結ぶことが必須
- 放送受信契約を結ばせるためのテレビ設置の確認は強制的にはできない(裁判所の令状は取れない)
となっており、受信料支払の条件となるテレビの設置の確認を強制する方法がありません。そのため、テレビがあることをNHKに告知せず、受信料を支払っていない世帯も相当数あると言われています。
ですが、日本と異なりイギリスではBBCの受信料は強制に近い形となっています。その理由は、BBCの受信料支払は、
- BBCで放送されるライブ放送を同時に視聴できる可能性がある場合受信料支払が必要
- BBCの放送を見ることができる可能性があるかどうかを強制的に確認可能(裁判所の令状が取れる)
となっているためです。NHKでは受信料支払いについて、正当な理由なく支払いをしていない場合3倍の割増金制度がありますが、BBC受信料の場合、支払い義務があるのに支払っていない場合1,000ポンドの罰金が課せられるということです。BBC受信料は年間169.5ポンド(2024年現在)ですので、よっぽどの理由がない限りBBC受信料は支払っておいた方が良いと考えます。
特に「BBCで放送されるライブ放送を同時に視聴できる」というのがBBCで放送されている番組はインターネットやスマートフォンのアプリ(BBC iPlayer)で視聴可能ですのでインターネットにつながっている限り視聴できる可能性は出てしまいますので、BBCの職員(または外注業者)が確認しに来てしまった場合、言い逃れることが難しそうです。
ただし、これからインターネット視聴に対しても受信料を徴収しようとしているNHKと違って、BBC受信料は2027年12月31日で廃止されるということです。
個人的にはNHKオンデマンドという受信料で作成したコンテンツを、なぜか有料で再販売しているNHKに受信料を払いたいとは思わないのですが、BBCについてはオリンピックやサッカーの欧州選手権(EURO)などのコンテンツの見逃し配信をしっかりとやってくれていますし、インターネットコンテンツも豊富ですし、NHKよりも高い視聴料ですが支払うことに抵抗感はありません。
毎年1回の予定②:MOT(車検)
イギリスで新車登録から3年後以降の自動車を保有している場合、毎年MOT(Ministry of Transport)と呼ばれる車検を通す必要があります。MOT自体は車検というよりは交通省という意味なのでしょうが、MOTの規定するテストということで、イギリスでは広く一般に車検という意味で通用します。
このMOTがおこなわれているかどうかは、イギリスの自動車データベースにナンバープレートが記録されており、もしMOTが行われていない場合は街中の監視カメラでナンバープレートを読み取られて罰金の請求が来てしまいますので必ずMOTを通すようにしましょう。
MOT自体は、タイヤ、ワイパーとウォッシャー、インジケーター、ブレーキランプ、クララクション、排気システム、車体構造とシャーシの状態、排出ガス試験の検査、アンチロックブレーキシステム、シートベルト、バッテリーと配線、電子安定制御 (ESC)、スピードメーター、ステアリングロックなど数十の項目の検査が必須とされていますが、私が話をしたエンジニアはMOTは最低限の基準を検査するのみなので、できるだけサービスを受けることを推奨すると言っていました。
サービスというのは、通常MOTと同じタイミングの年に1回おこなわれる自動車のメンテナンスサービスです。MOTが最低限の基準のため、ある程度のメンテナンスをおこなっておく方が良いと考えます。サービスはカーディーラーやHalfordなどで受けることが可能です。
毎年1回の予定③:Road Tax(自動車税)支払
自動車の所有者は、年に1回Road Taxという自動車税の支払い義務があります。このRoad Taxですが、MOTが完了しないと支払うことができません。MOTの義務付けの意識からこうした制度になっているのでしょうが、MOTは通してもRoad Taxの支払いを忘れてしまうケースがあり得るためあまりいい制度とは私は思いません。
Road Taxは毎年支払時期が近づくとレターでリマインダーが届きます。このリマインダーを見てからMOTの予約をする方も多いのではないかと思います。
毎年1回の予定④:駐車パーミット更新
駐車パーミットの更新も重要な年1回の予定の1つです。こちらは居住しているカウンシルに対して申請するものになります。一度パーミットを取得できていれば更新は簡単に行うことができますので、忘れずにおこなうようにしましょう。
メールでのリマインダーは届くのですが、レターが来るわけではないため見過ごしがちですので注意が必要です。
毎年1回の予定⑤:ロードアシスタンスサービス更新
自動車関係が続きますが、ロードアシスタンスサービスも更新を忘れないでおきたい毎年の行事です。イギリスは道路のトラブルが多く、道路に穴が空いていたり落下物があって踏んでしまったりしてタイヤがパンクしたり、路上駐車していた車から部品が盗まれて車が動かなくなったりと、トラブルを挙げればきりがありません。
そうしたトラブルからの復旧にはAAやRACといった、日本で言えばJAFに当たるロードアシスタンスサービスは欠かせません。サービスに入っていなくてもお金を払えば利用は可能ですが、日本にいるときよりは利用する可能性が高いため、加入しておくことをオススメします。
ロードアシスタンスサービスの加入にもQuidcoを経由するとキャッシュバックを得ることができます。
毎年1回の予定⑥:自動車保険更新
自動車に乗るならば自動車保険も欠かせません。イギリスでは自動車保険の加入が義務付けられており、もし加入せずに自動車に乗ると厳しい罰則を科せられてしまいます。もちろん、この保険加入もナンバープレートと紐付けられており、街中のカメラで撮影されていますので、無保険車はすぐに補足され罰則が科せられます。
自動車保険の選択は、日本人駐在員であれば会社指定の保険会社を選択することになるとは思いますが、もし自分で選択できるのであればQuidco Compareを利用すると、保険会社を横並びで比較してお得な保険会社を選択ができ、かつ45ポンドのキャッシュバックを得ることができます。
毎年1回の予定⑦:住宅賃貸契約の更新
1年に1回の気の重い(?)イベントである住宅の賃貸契約の更新も忘れてはいけないイベントです。駐在員の場合、住宅手当という形で家賃相当分の金額を毎月受け取っていると思いますが、住宅契約の更新時に家賃が値上がりすることが通常ですので、住宅手当が家賃に近くなっている場合、住宅手当を家賃が上回ってしまうことがまま見られます。
家賃上昇を避けるためには、交渉が必須です。ダメ元でいいので家賃の上昇額を少しでも抑えるために交渉してみましょう。大家側もふっかけてきている可能性もありますので、ある程度は交渉の余地があることが多いと思います。
ただ、最近は金利の上昇を受けて、大家側の金利負担も多くなっているようですので、譲るところは譲らなければならない部分もあるとは思います。
というのが、例えば私の住んでいるイーリング地区で、ウェストイーリングの物件をイギリスで最もメジャーな不動産ポータルサイトRightmoveで見てみると、3ベッドルームのボリュームゾーンは売買価格で800,000ポンド(約1億6千万円)、賃貸価格で2,800ポンド(約56万円)/月となっています。
ウェストイーリングの売買物件のボリュームゾーン
ウェストイーリングの賃貸物件のボリュームゾーン
もちろん、売買用物件と賃貸用物件では違いもあるでしょうし、不動産の取得コストがわかりませんので一概には言えませんが、この売買価格と賃貸価格で見ると利回りは約4.2%/年となります。現在のイングランド銀行(Bank of England)のは5%ですから、単純計算では損してしまうことになります。
私がISA口座で利用しているTrading212では、2024年10月15日現在のCash ISA口座の預金金利は5.1%となっています。
Trading212についてはこちらの記事で詳しく解説していますが、今Trading212で口座を開設してStock ISA口座に1ポンド以上入金すると、プレゼントで株式がもらえるキャンペーンをやっています!もらえる株式の評価額は8ユーロ~100ユーロということなので、ちょっとした運試しに申し込んでみるのもいいかもしれません。
口座開設自体にはまったく費用はかかりませんし、株式取引コストも格安ですので、イギリスのISAで投資を始めようと考えている方にはTrading212はオススメです。もちろん、Stock ISAではなくCash ISA、つまり預金をしておくだけでもTrading212は使えます。
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毎年1回の予定⑧:インターネット・携帯電話契約見直し
こちらは契約期間によっては毎年1回ではなく、2年契約だったり毎月更新契約だったりと各種あるかと思いますが、ここでは便宜上年1回として予定に加えています。
インターネットや携帯電話の契約更新ですが、私としては毎回の更新タイミングで契約を見直し、別プロバイダーへ乗り換えることを推奨しています。
この理由には2つあります。
- インターネットや携帯電話料金は、毎年インフレ率を加味した値上げが前提となっており、継続利用することで割高になっていく
- インターネットや携帯電話サービスは乗り換えていくことで毎回キャッシュバックを得ることができるため、得になる
つまり、乗り換えていくことで元々の利用料金を安く抑えていくことが可能であり、かつ乗り換えによるキャッシュバックを得ることでさらにお得になるということですね。
乗り換えは面倒と思われるかもしれませんが、電話をかけて申し込むような面倒な手続きは必要なく、基本的にネットでの申込みで完結しますので、そこまでの手間ではないと考えます。特に携帯電話についてはSIMの申し込みをして、携帯電話番号の移動手続きをするのみですので、携帯電話だけでも乗り換えをすることをオススメしたいです。
我が家では基本的に毎年携帯電話会社を変えており、基本契約のコスト自体の低減とキャッシュバックの獲得を実現しています。
ぷーた:giffgaff(PAYG) → Three(PAYG) → Virgin Mobile(以降Monthly) → Talkmobile → Tesco Mobile
ぷーた妻:Virgin Media → Vodafone → O2 → ASDA Mobile
こちらの記事で携帯電話契約の選び方、キャッシュバックの受け方を説明しています。
なお、キャッシュバックはQuidcoの利用がとてもお得です。
Quidcoはイギリスのキャッシュバックサイトで、非常に多くのWebサービスを対象としています。Quidco利用者の平均的キャッシュバック金額が年間で280ポンド(約56,000円)となっています。私も4年半のロンドン生活の平均で260ポンド(約52,000円)のキャッシュバックを受けています。
現在、Quidcoでは下記のボタンからアカウント登録をして5ポンド以上のキャッシュバックを得ると、15ポンドがキャッシュバックされるキャンペーンをおこなっています。もしよろしければお試しください。
こちらでQuidcoについて詳しく解説していますので、よろしければご覧ください。
まとめ
以上、イギリスで生活する方の覚えておきたい年間スケジュールを説明しました。ここで改めてスケジュールを再度見ておきます。
学校が休みのタイミングを見ながら、仕事の都合をつけて休みを取って、どこで旅行に行くのか?ということを考えることが駐在員としての大事な仕事だと思います。実はこれに日本語補習校の予定や塾やスポーツクラブの予定なども加わって、なかなかスケジューリングが大変なんですよね。
基本的にはイースター・夏・クリスマスの三大休暇に遠出の旅行へ行き、ハーフタームやロングウィークエンドの祝日含む3連休を活用して近場の旅行に行くような感じでしょうか。旅行のことばかり考えていると思われてしまうかもしれませんが、旅行が一番の楽しみなんですよね。ありがとうございました。