イギリスについて

イギリスの自動車税(Vehicle Tax)について詳細解説~支払を忘れると大変なので余裕を持った手続きを~

どうも、ロンドン駐在員のぷーたです。
今回の記事は、次のような疑問を解消するために書いています。

  • イギリスで自動車を保有するとVehicle Tax(自動車税)を支払わなければいけないと聞いたけど、どんな税金なの?
  • イギリスのVehicle Taxはいつ支払うの?どう支払えばいい?
  • イギリスのVehicle Taxを支払わないとどうなる?

イギリスのVehicle Taxとは

Vehicle Taxの概要

Vehicle Taxは、イギリスで自動車を保有し、公道を走行する際に必要な税金です。正式には「Vehicle Excise Duty(VED、自動車使用税)」と言いますが、Vehicle Tax、Car Tax、Road Taxなどと呼ばれています。ここではVehicle Taxで統一します。

Vehicle Taxがイギリスで導入されたのは1888年で、Excise Dutyとしての徴収が始まったのは1920年のことでした。当初は道路建設のために税金が使われていましたが、1937年以降は一般税化され、道路建設の目的で徴収されることはなくなっています。

自動車の保有者はこの税金を支払う義務があり、支払わなければ公道で自動車を運転することができず、もし違反した場合は罰金が科せられます。

Vehicle Taxの金額

2017年4月1日以降に登録された車両のVehicle Tax金額

Vehicle Taxですが、2017年4月1日以降に登録された車両は、新車登録時に最初の支払いをおこない、その後毎年定額を支払っていきます。自動車の性能上のCO2排出量によって、税額が変動し、CO2排出量が多いほど税金が高くなります。

また環境規制の要求の高まりから、代替燃料車がもっとも安く、RDE2(Real Driving Emissions 2、実路走行排ガス基準)に適合していないディーゼル車がもっとも高くなっています。代替燃料車には、ハイブリッド車やバイオエタノール車、LPG(液化天然ガス)車などが含まれます。

ちなみにこのVehicle Taxですが、2025年4月1日より下記の変更が予定されています。

  • ゼロエミッション車(電気自動車・燃料電池車等)の新車登録時の支払免除が廃止され、CO2排出量1~50g/kmのカテゴリーの税金支払の義務化
  • 代替燃料者の年間10ポンド割引の廃止

新車登録時の初回支払金額

2年目以降の支払額は下記のとおりです。分割払いにすると金利分高くなってしまいます。電気自動車は税金がゼロとなっています。

2年目以降の毎年支払額

2001年3月1日から2017年3月31日までに登録された車両のVehicle Tax

参考まで、2017年3月31日以前に登録された車両のVehicle Taxについても紹介しておきます。2017年以降の登録と比べて、支払いの総額はかなり割高になっていることがわかります。あまり古い車に乗り続けず、排ガスも少ない新しい自動車への乗り換えを推奨しているようにも見えますね。

ガソリン車(TC48)とディーゼル車(TC49)
代替燃料車(TC59)

2001年2月28日以前に登録された車両のVehicle Tax

もうほとんど見られないと思いますが、2001年2月28日以前に登録された車両のVehicle Taxも紹介しておきます。車両数が多くないからなのか、一転して税金は安くなっています。

Vehicle Taxを支払わなくていい場合

保有する自動車を使用しない場合、手続きをすればVehicle Taxの支払をしなくてもよくなります。これはSORNと呼ばれる手続きが必要となります。SORNはStatutory Off Road Notification(法定オフロード通知)の略で、公道で走行や駐車をしない自動車についておこなう通知です。

イギリス駐在員にはあまり関係のない話ですが、こうしたSORNの手続きをしていない場合Vehicle Taxを必ず支払わなければならないことは理解しておく必要があります。

Vehicle Taxの支払い方法

さて、ここからはVehicle Taxの支払い方法について説明します。新車登録時の支払いについては、新車を購入する際の手続きで支払うことになりますので割愛し、2年目以降毎年訪れる支払い方法を解説します。

なお、中古車を購入する場合でもディーラーを通して購入する場合には購入時のVehicle Taxの支払いはディーラーがおこなってくれます。一方、個人間で中古車を売買するような場合だと、自分で支払いの手続きをする必要がありますのでご注意ください。

Vehicle tax reminder(V11)の受領

まず、自動車税の支払期限が近づくと、DVLA(Driver & Vehicle Licensing Agency)からVehicle tax reminder(V11)というレターが登録された住所宛に送付されます。この書面にVehicle Taxの支払期限や支払のためのコードなど、必要な情報がすべて記載されています。

MOTの確認

Vehicle Taxを支払うためには、MOTが完了している必要があります。MOTというのは日本で言う車検なのですが、イギリスではMinistry of Transportの略称が車検を意味する用語として通用しています。Ministry of Transportは日本語でいう運輸省に当たり、現在ではDepartment of Transportと名称が変更されているのですが、MOTと言う名称は変わっていません。

Vehicle Taxの支払をスタートする際に、自動車のレジストレーションナンバー(ナンバープレート番号)でMOTの履歴がオンラインでチェックされ、MOTが完了していない場合Vehicle Taxの支払い手続きには進めず、まずはMOTを終わらせてください、という説明が出て終了してしまいます。

Vehicle Taxの支払

さて、ここからはVehicle Taxの支払について説明していきます。まずはイギリス政府のこちらのサイトから手続きをおこないます。

まずはStart nowを押してスタートします。

Tax reminder letter(V11)が来ているかを聞かれます。今回はレターを受け取っていますのでYesとしていますが、もし受け取っていなくてもV5C(自動車登録者証)やメールでのリマインダー等他の書面でも手続きは可能です。

次にTax reminder letterのrefernce numberを聞かれますので、それを入力してContinueを押します。

ちなみにreference numberは先ほどのVehicle Tax reminder(V11)の赤枠の部分に書いてあります。

Vehicle Taxを支払う自動車のレジストレーションナンバーやメーカーなどの詳細が表示されます。確認してContinueを押します。次に支払い方法を決めます。イギリスでの支払いはDirect Debit(口座引落)とクレジットカード払いを選択できることが多いです。

Direct Debitを設定すると、今後の支払時に自動で引き落とされます。便利なことは便利なのですが、一度Direct Debitを設定すると、以降毎回引き落としが自動でされてしまい、サービスの解約を忘れてしまっても引き落としが発生してしまうため、私はできるだけ利用しないようにしています。今回は税金ですので、忘れるのが怖い、という方は自動で支払われるDirect Debitでいいかもしれません。

私の場合、クレジットカード払いであればポイントも溜まりますのでできる限りクレジットカードで支払いをしたいと考えています。支払方法を選択後、Continueを押します。

なおこちらの記事でご紹介していますが、クレジットカードの還元率の観点から、私はBritish Airways AMEX Cardをオススメしています。

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Vehicle Taxの支払ですが、クレジットカード払いは12ヶ月一括払いは180ポンド、6ヶ月ごとの分割払いは99ポンド✕2となり、12ヶ月一括払いの方が安くなります。6ヶ月後に支払うことを考えると、半年支払いを遅らせるだけで18ポンドも金利相当額を取るのはボッタクリな気がしますね。

支払期間を決めてContinueを押すと、クレジットカード情報の入力画面になりますので、入力します。

最後に支払金額と自動車の詳細を確認して完了です。メールアドレスと電話番号を入力する箇所がありますが、メールアドレスを入力しておくと支払の証明がメールで送付されますので、メールアドレスだけでも入れておきましょう。Continueを押します。

Vehicle Taxの手続きが完了しました。念のためにreference numberを記録しておきましょう。先ほどの画面でメールアドレスを入力しておけば、この情報はメールでも送付されます。Finishを押して終了です。

Vehicle Taxを支払わないとどうなる?

イギリスで暮らす外国人としてVehicle Taxを支払わずに自動車に乗るということは避けなければなりませんが、もし支払を忘れて自動車に乗ってしまったらどうなるのでしょうか?

自動車税および登録法(The Vehicle Excise and Registration Act 1994)には、罰則についても規定されています。Vehicle Taxが支払われておらず、かつSORNの通知もしていない自動車を使用した場合は、

  • 30ポンドの罰金+Vehicle Tax税額×50%の追加税の支払についての法廷外和解書が発行される
  • (上記の和解書に従わず支払をしない場合)Magistrates Court(治安判事裁判所)に犯罪行為として訴えられ1,000ポンドまたはVehcile Taxの5倍のどちらか大きい金額の支払いが命じられる

ということです。ちなみにSORNを通知していながら自動車を使用した場合はもっと罪が重く下記のとおりになります。

  • 30ポンドの罰金+Vehicle Tax税額×100%の追加税の支払についての法廷外和解書が発行される
  • (上記の和解書に従わず支払をしない場合)Magistrates Court(治安判事裁判所)に犯罪行為として訴えられ2,500ポンドまたはVehcile Taxの5倍のどちらか大きい金額の支払いが命じられる

Vehicle Taxが支払われているかどうかは車のナンバープレートで確認が可能であり、それはイギリス国内中に設置されたカメラで読み取られていますので、Vehicle Taxを支払わずに乗って、見つからずに済むということは不可能であると考えます。罰金額を考えると支払わないと言う選択肢はありませんね。

まとめ

以上、Vehicle Taxについて解説してきました。まとめておきます。

  • イギリスのVehicle Taxは正式名称をVehicle Excise Duty(VED、自動車使用税)といい、当初は道路建設のために税金が使われていた
  • Vehicle TaxはSORN(Statutory Off Road Notification、法定オフロード通知)で使用しない旨を通知すれば支払わなくてOK
  • Vehicle Taxの支払いはオンラインで完結する。分割払いの金利は高いので一括払いがオススメ
  • Vehicle TaxはMOT(車検)が完了していないと支払えないので余裕を持った手続きが必要
  • Vehicle Taxを支払わないで自動車に乗っているのが見つかった場合、30ポンドの罰金とVehicle Taxの50%が上乗せされてしまうので注意

ありがとうございました。

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ぷーた
ぷーたです!投資とポイント活動、ジョギングが趣味のロンドン駐在員です。お得活動のためには徹底的な調査と行動をしており、たくさんの方に情報を共有したいと思ってこのブログを立ち上げました。