どうも、ロンドン駐在員のぷーたです。
今回の記事は、次のような疑問を解消するために書いています。
- イギリスで路上駐車で駐車違反をしたらどうなるの?
- イギリスで駐車違反の通知を受け取ったら、どうやって罰金を支払えばいいの?
- イギリスの路上駐車に関するルールを教えて!
イギリスでは交通違反のチェックが厳しい
イギリスで車を利用することになる方は多いと思います。たとえば、このような状況です。
- 公共交通機関(特にバス)が思ったとおりに走ってくれず、行きたいところまでの所要時間が想定よりも長くなることが多いため車のほうが利便性が高い
- 比較的安価に買い物できる大型商業施設(スーパー、Costco、IKEAなど)は郊外にあることが多く、荷物の面からも車で行くほうが便利
- サッカー場やラグビー場などのスポーツ観戦には車で行く方が便利な場合がある
- 子供の学校やスポーツクラブなど場所によっては車で送迎が必要
ですが、イギリスでの車の運転は気をつけなければすぐに交通違反となってしまい、罰金などのペナルティが課せられてしまいます。
私ぷーたはロンドン生活の6年間で下記の交通違反(駐車場内での違反含む)を犯してしまい、合計で400ポンドもの罰金を支払っていました。
- スピード違反:1回(100ポンド)
- 駐車場での駐車違反:2回(60ポンド✕2)
- ボックスジャンクション停止:1回(80ポンド)
- 高速道路の赤いX印通過:1回(100ポンド)
スピード違反と駐車違反はわかりやすいと思いますが、下2つは日本ではあまり馴染みがない内容ですので説明しておきます。
まずボックスジャンクション停止による違反は、交差点に書かれている下記の黄色のチェックボックスの間に停車することが違反となります(右左折時はOK)。
また、高速道路の赤いX印通過というのは、Red Xという下記の表示があるレーンを通過することです。
それだけで違反になるの?と思われるかもしれませんが、カメラで撮影されているような場所ですと、それだけで違反となり100ポンド近くの罰金を取られてしまいます。
イギリスでは路上は罠だらけです。
路上駐車で駐車違反をするとどうなる?
6年間で一度も路上駐車での駐車違反をしたことのなかった私ですが、最近ついに路上駐車での駐車違反をしてしまいました。
ロンドン市内でよく駐車をしている場所で、今までは土日駐車OKだったため、いつも通り駐車して用事を済ませて帰ってきたところ、車のフロントガラスのところにこちらの通知が置いてありました。
あわてて路上の駐車に可能時間を確認したところ、「駐車は土日を含む全日パーキングパーミットを受けた車のみ駐車可」に変わっていました。こうした駐車に関するルールはカウンシルの意向で随時変わっていくため、注意が必要なんですね。
いつもはそれとなく確認していたのですが、このときは急いでいたこともあり、確認をせずに車を離れてしまいました。イギリスでの駐車は、慣れた場所であっても駐車に関する標識を確認することが鉄則です。
なお駐車違反の通知は、私のように車に直接置く場合と、後日V5C(車検証のようなもの)の住所宛に郵送されてくる場合があるようです。
路上駐車に関するルール
イギリスにおける路上駐車に関するルールは少々複雑です。ここでルールについて確認したいと思います。
イギリスでは多くの場所に路上駐車をすることが出来ます。もちろんルールはあって道路沿いに黄色のラインがある場合は乗車していたとしても、停止している誰かを待ったりしてはいけません。2本線はいつでも、1本線は指定された時間のみ禁止となります。
あとはこちらのような白い線が引いてある場合、この線の範囲内は駐車禁止となります。
これらの線が引かれていない場合、基本的には路上駐車可能となります。ですが、もう一つ気にしなければならないのが駐車可能な対象を示すサインです。
いくつか例をご紹介しておきます。
こちらの表示の場合はレジデントパーミットA2の保持者のみが駐車できる時間帯が月~土の午前8時~午後6時という意味となります。
こちらの場合は月~金の午前8時~午後6時は1時間までは無料、1時間を超えて駐車する場合はパーキングメーターで支払ってチケットを表示しなければなりません。
こちらの場合は、月~土の午前8時~午後7時は20分のみ無料、一度離れたら40分は同一の区域内に戻ってきてはいけません。
このように色々と面倒なルールが設定されていますが、もしこれに反すると罰金を課せられてしまいますので注意が必要です。逆に言えば上記の期間、例えば月~土の午前8時~午後7時以外であれば駐車し放題ですので、日曜日は朝から晩まで駐車していても問題ありません。
要注意なのがこちらのような標識です。よく見ると、パドロック(南京錠)がついていて、時間や曜日を変更できるようになっています。こうした標識のある場合、いつ変更されるかわかりませんので、駐車のたびに必ず曜日と時間を確認することをおすすめします。
そうしなければ私のように、いつもと同じと思って駐車したけれど、適用されるルールが変わっていて駐車違反の判定をされた、という結果になってしまいます。
路上駐車の駐車違反通知を受け取ったらどうする?
絶対に駐車違反でない場合を除いては早く支払うべき
さて、路上駐車のルールについて理解した上で、それでも駐車違反をしてしまい、駐車違反の通知を受け取ってしまった場合どうすればいいでしょうか?
もし、絶対に駐車違反をしていないと明確に主張できる根拠があるのであれば申立をするべきですし、そうでない場合は早々に支払ってしまったほうがいいです。
まずは実際の駐車違反の通知(Penalty Charge Notices – PCNs)を見てみましょう。
ここに書いてあることを要約すると、
- Civil enforcement officer(民間執行官)があなたの車が駐車違反をしているとみなした
- 駐車しているときに必要なパーキングパーミットや駐車料金の支払いの表示がない
- 罰金160ポンドをこの通知の発行日から28日以内に支払わなければならない。ただし、14日以内に支払えば、罰金は80ポンドに削減される
- 罰金支払い方法はオンライン、電話、郵便、直接窓口で支払いが可能
- 異議申し立てをする場合は、罰金を支払ってはならない
- Civil enforcement officerに直接罰金を支払わないこと
となります。早く罰金を支払えば支払額が減額されるのはよくあるパターンですね。
違反状況の確認
おそらく多くの方は、罰金の通知が来たら支払ってしまうと思いますが、一応駐車違反の事実について確認しておきましょう。
罰金の支払いの過程で駐車違反の状況を確認できますので、こちらのイギリス政府の駐車違反Webサイトで駐車違反をした場所のポストコードを入力して「Find your local council」を押します。
すると、カウンシルの名前が表示されますので、赤枠で囲ったボタンを押します。
ここからは各カウンシルでページの構成が異なりますが、大筋では同じだと思います。私が違反したウェストミンスターカウンシルでの確認・支払い方法を説明していきます。
「Pay a parking ticket now」を押します。
すると、駐車違反通知に書かれたNotice Numberと車のレジストレーションコードを入力するよう求められますので、入力してShow ticketを押します。
違反状況が表示されます。ぼかしてしまっているため分かりづらいかもしれませんが、違反した状況の写真が数枚撮られており、言い逃れをすることは難しい状況のようです。
ちなみに写真の中には、このような駐車の標識もありました。黄色のParking Suspendedは対象外でしたが、普段はMon-Friとなっている曜日がMon-Sunに変わっていることに気づきませんでした。
違反内容の表示を下までスクロールすると、このように14日以内に支払えば80ポンド、それを過ぎると160ポンドになる、ということが記載されています。今回はこのまま支払いますので、Pay nowを選択します。
駐車違反の罰金の支払い
駐車違反の罰金の支払いはオンラインでおこなう場合、驚くほど簡単です。
先ほどの違反内容の表示のページでPay nowを押すと、こちらの支払いページが出てきて、カード番号等の情報を入力して支払いをするだけで完了です。
支払いが完了すると、このような通知がメールで送られてきます。支払ったにもかかわらず、未払として請求されるケースもイギリスではよくありますので、念のために保存しておきましょう。
他にも電話や郵送で支払う方法もありますが、時間がかかるのと支払いの確認にも手間がかかりますので、オンラインでの支払いをするべきだと思います。
異議申し立てをする場合
さて、駐車違反についてどうしても納得がいかない、という場合はどうすればいいのでしょうか?イギリスでは駐車違反に対してオンラインで異議申し立てを行うことが可能です。この異議申し立ては日本でも可能なのですが、日本の場合は警察署に対して弁明書を提出する必要があるため、日本に比べるとイギリスは異議申し立てがしやすいと言えます。
方法について説明します。まずは「違反状況の確認」のところで出てくる下記の画面で、Challengeを押すことで異議申し立て手続きが開始します。
最初に、駐車違反の異議申し立て理由を選択します。例えば、
- 駐車違反をしていない
- 自分が駐車違反をした時間運転していなかった
- すでに駐車違反の通知書(PCN)を支払済である
などです。どれを選択するかによって、説明することや添付書面が変わってきますが、ここでは「駐車違反をしていない(The contravention did not occur)」を選択します。
次に駐車違反をしていないと申し立てる根拠を選択します。たとえば、「駐車違反と判定された際には荷物の積み下ろしをしていた」といった内容です。
加えて、駐車違反と判定されたときの詳しい状況を文章で説明することが求められます。
さらに、異議申し立ての事実をサポートする参考資料のアップロードが可能です。アップロードしなくても手続きに進むことは可能です。
最後に、個人情報を入力してFinishを押すと異議申し立て完了です。ちなみにこの異議申し立てのページにもPay nowのボタンがずっと出ていて、「いつでも払えるよ!」といっているようにも思えます。
加えて、この異議申し立てページは戻るボタンがありません。修正したい場合には最初から手続きをやり直さなければなりません。この点はわざとそうした仕様にしているのかもしれませんが、少々面倒ですね。
異議申し立ての申請後、28日以内に判断が下され、結果が通知されます。
異議申し立て自体は自由にできますし、したことによって不利になることはないと言われています。加えて、14日以内の支払いによる罰金減額(160ポンド→80ポンド)は、異議申し申し立て中は期間が停止しますので、異議申し立ての却下後も80ポンドの罰金で済ませることが可能なようです。
ですので、少しでも可能性があるのであれば異議申し立てをしてみるのもいいかもしれません。
駐車違反の通知を無視するとどうなる?
駐車違反の通知ですが、無視してしまうことはおすすめできません。駐車違反の通知に対しする対応のフローチャートは下記のとおりです。
駐車違反の通知を無視し続けると、
- 通知から28日経過でCharge Certificateによる罰金の50%アップ(160ポンド→240ポンド)
- さらに無視するとカウンシルから訴訟を受ける、この場合の裁判費用の発生
- 訴訟で敗訴した場合や訴訟を無視した場合は財産の差し押さえが発生
- 訴訟が起こった場合には、クレジットスコアに影響
イギリスでは外国人である日本人駐在員が、こうした司法手続きまで至ってしまうことは通常ないと思いますが、うっかり忘れていた場合でも容赦なく手続きをしてきますので、忘れないようにしましょう。
なお、訴訟に関してはカウンシルから罰金の請求権を譲り受けた債権回収会社が起こすことも考えられます。債権回収会社は、債権回収が仕事ですのでカウンシルよりも厳しく迅速な対応をしてくることが考えられるため、イギリスで暮らしていてなにかレターが来ていたら必ず確認しておくことが重要です。
これは駐車違反の罰金に限ったことではなく、カウンシルタックス(住民税)の支払いや電気・ガス代のような公共料金の支払いでも同じことが発生する可能性があります。
上記の訴訟によって影響を受けてしまうクレジットスコアについては、こちらの記事で解説しています。

路上駐車の駐車違反を避ける方法
イギリスで路上駐車の駐車違反を避けるにはどうすればいいのでしょうか?私は結果的に駐車違反をしてしまいましたが、ここでイギリスで駐車違反を避けるための方法について説明したいと思います。
Googleマップで駐車可能な場所を確認
まずは車で行く場所が決まり、この辺に駐車できればいいなという場所があったら、Googleマップのストリートビューで駐車の標識を確認することをおすすめします。
たとえばこちらの記事で紹介した、セントジョンズウッドの土日無料駐車ゾーンについて調べてみましょう。

今回の記事の教訓でもありますが、駐車の標識は都度変更されることがあります。下記の無料駐車ゾーンも、駐車する時点で有効かはわかりませんので、必ず駐車時に標識を確認するようにしてください。

無料駐車ゾーンの上側をストリートビューで見てみます。Ordnance hillという通りです。 画面をドラッグアンドドロップで左の方に向けて、標識を見てみます。ストリートビューの状況によってはよく見えない場合もありますが、今回は確認できました。解像度が低いですが、月曜日~金曜日の午前8:30~午後6:30の間はパーキングパーミット保有者しか駐車できないと表示されています。
交差点を1つ過ぎるだけで駐車の標識が変わることもよくありますので、駐車できないと表示されていたとしても、その周辺を色々と見てみると意外に駐車できる場所がありますので、諦めずにとりあえずは見てみることをおすすめします。
なお、上記のストリートビューの日付は2022年10月となっています。3年前というのは少し情報として古すぎるかもしれません。初めて行く場所であれば、駐車の標識が変わっていることも想定しておいたほうがいいでしょう。
カウンシルのWebサイトを確認
カウンシルのWebサイトでは、必要となるパーキングパーミットの種類や場所、対象時間について公開されています。
たとえば上記のウェストミンスターカウンシルについて見てみます。こちらのWebサイトです。
下のほうにスクロールすると、このように地図と表へのリンクが出てきます。
上のMAPを開くと、下記のようにカウンシル内のパーキングパーミットが適用される場所が表示されます。先ほどの説明に使ったOrdnancehillはC1のゾーンに属しています。
表でC1について見てみると、駐車制限は月曜日~金曜日の午前8:30~午後6:30ということがわかります。
これで少なくともGoogleストリートビューで見た3年前の情報とは変化していないことがわかります。
ですが、これは全体に適用される制限であり、実はこれ以外にも場所によって制限が変わります。例えば大通りや駅前、店の前などは別の駐車制限が適用されることもあります。そのためゾーンの全域で駐車制限が「月曜日~金曜日の午前8:30~午後6:30」になるわけではないことに注意が必要です。
駐車時に路上の標識を確認
さて、実際に車で現地を訪れて、目標の路上に空きスペースを見つけて駐車できたとしても、油断してはいけません。
ここで必ず路上にある標識を見てください。注意すべきは、
- 事前に調べた駐車制限と同じ標識になっていること
- Parking Suspension(臨時の駐車禁止)表示がないこと
Parking Suspensionは下記のように示されています。この表示に記載の期間中は、普段駐車がOKな場所でも駐車禁止となり、違反した場合罰金の対象となります。
ちなみに、駐車に関する標識がなく、かつ黄色や赤、白のラインが引かれていない場所は、基本的には駐車が可能となります。標識がないことが確実でなければならないため判断がややこしいですが、明らかに標識がないところであれば大丈夫です。
どうしても駐車違反をしたくないならば有料駐車場を使用
路上駐車がOKかどうかわからない場合は、有料駐車場を使用するのも1つの方法です。日本のようにどこにでもオフサイト(路上ではない)の駐車場があるわけではないため、確認が難しいですがRing GoやPayByPhoneのような駐車アプリを使うことで、有料での駐車が可能か確認できます。
駐車場所で使うため、スマートフォンのアプリで使用することを前提としています。Ring Goアプリはこちらからダウンロード可能です。


アプリをダウンロードしてユーザー登録をおこなったら、一番下のボタンからMapをタップして地図を開きます。今回はセントジョンズウッド周辺を見てみました。
色が緑色のものは空いていて、黄色のものは少し混雑、赤は混雑となっています。1つの駐車場所をタップすると駐車場所の名前が表示されます。
駐車場の名前をタップすると、詳細が表示されます。駐車制限のある月曜日~金曜日の午前8:30~午後6:30では、10分当たり34ペンスで駐車が可能ということがわかります。一方でそれ以外の時間は無料で駐車が可能なことが確認できました。
このようにRing Goなどのアプリを使って、有料駐車場を利用したり、有料となる時間帯を調べることも駐車違反を避けるためには有効です。
まとめ
以上、イギリスで路上駐車の駐車違反をした場合の対応について解説しました。ここでまとめておきます。
- イギリスでは交通違反のチェックが厳しい
ぷーた(筆者)がイギリス生活6年でしてしまった交通違反は下記のとおり
・スピード違反:1回(100ポンド)
・駐車場での駐車違反:2回(60ポンド✕2)
・ボックスジャンクション停止:1回(80ポンド)
・高速道路の赤いX印通過:1回(100ポンド)
・路上駐車での駐車違反:1回(80ポンド)←New! - 路上駐車で駐車違反をすると駐車違反の通知を受領する
- 路上駐車に関するルール
ー赤線2本は常時駐停車禁止、赤線1本は駐停車禁止時間あり
ー黄色線2本は常時駐車禁止、赤線1本は駐車禁止時間あり
ー白線が引かれている部分は駐車禁止
ー駐車禁止の時間帯は路上に設置してある標識を確認する - 路上駐車の駐車違反通知を受け取ったらどうする?
ー絶対に駐車違反でない場合を除いては早く支払うべき
ー違反状況の確認をカウンシルWebサイトでおこなう
ー駐車違反の罰金の支払いは簡単
ー異議申し立てをする場合もカウンシルWebサイトから - 駐車違反の通知を無視するとどうなる?
ー通知から28日経過でCharge Certificateによる罰金の50%アップ
ーさらに無視するとカウンシルから訴訟を受ける(裁判費用の発生)
ー訴訟で敗訴した場合や訴訟を無視した場合は財産の差し押さえが発生
ー訴訟が起こった場合には、クレジットスコアに影響 - 路上駐車の駐車違反を避ける方法
ーGoogleマップで駐車可能な場所を確認
ーカウンシルのWebサイトを確認
ー駐車時に路上の標識を確認
ーどうしても駐車違反をしたくないならば有料駐車場を使用
ありがとうございました。