どうも、ロンドン駐在員のぷーたです。
今回の記事は、次のような方の疑問を解決するために書いています。
- イギリスでの海外駐在を終えて日本に本帰国する予定だけど、どんな準備をすればいい?
- 海外赴任から本帰国するときのスケジュールを教えて!
- 海外駐在員が本帰国するときに気をつければいいことは何?
今回の記事では、イギリス駐在員が駐在を終えて日本に本帰国するときに準備するべきことを詳しく解説します。
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イギリス駐在員にとっての日本への本帰国
今回の記事ではイギリス駐在員が日本へ本帰国する際に準備しておくべきことや、実施すべきことについて解説します。
私ぷーたはまだ当分の間ロンドンでの駐在が続く予定ですが、今年になって私の周囲で本帰国する方が例年よりも多いと感じており、自分の本帰国のときのためにも本帰国前にやるべきことをリスト化しておきたいと考えました。
イギリスにいる日本人駐在員にとっては、日本への本帰国はポジティブ・ネガティブ両面があると考えます。
本帰国のポジティブな側面としては、下記の項目が挙げられます。
海外駐在から本帰国するポジティブ面
- 海外駐在からの本帰国は通常であれば栄転として扱われる
- 海外駐在で幅広い経験を積んだことを評価して昇格人事が期待できる
- 現地法人のオペレーションを知っていて、ローカルスタッフとの人脈のある人材として日本での評価が変わる
- 異文化、異言語の中で暮らしてきたため気づいていなかった日本の素晴らしさに気づく
- イギリスなど海外で仕事をするのに比べて日本で働くのがずっと楽なことがわかる
一方、本帰国のネガティブな側面としては下記のことが考えられます。
海外駐在から本帰国するネガティブ面
- (主に都市部勤務の場合)ロンドンよりもずっと大変な満員電車での通勤
- 外国人とのコミュニケーションとは異なる日本特有のハイコンテクストな文化(言わなくても察する文化)
- 災害や最近特に顕著な夏の猛暑などの環境要因
イギリスから早く帰りたい、イギリスにもっと長くいたい、どちらの方もいると思われますので、本帰国をポジティブともネガティブとも一概には言い切れませんが、まずは海外駐在を頑張ってきた自分に対して「お疲れ様」を言ってあげてほしいと思います。


本帰国の準備は3ヶ月くらい前から始めたい
あくまでも理想論ですが、イギリスからの本帰国の準備は3ヶ月くらい前から開始しておきたいです。実際には本帰国の内示を受けるタイミングは会社によってそれぞれですから、場合によっては2週間前に本帰国を告げられて慌てて帰国する、というようなケースもあるようです。
ですが、日本国内の転勤と違って、国を跨いだ移動にはそれなりに手続きに時間がかかります。私が周囲の方々に聞いた限りでは、2〜3ヶ月前に内示を受けるケースが半分以上はあるように感じています。
そのため、3ヶ月前に下記のようなスケジュールが作成できていると、日本への本帰国がスムーズに進むことが期待できます。

本帰国2〜3ヶ月前の準備

まずは本帰国2〜3ヶ月前から準備することを挙げてみます。
イギリス住居の退去通知
イギリスの住居では、退去から1〜2ヶ月前に退去通知を大家に対してすることが契約書に書かれているのが一般的です。退去通知が遅れてしまった場合、遅れた期間分の家賃を支払わなければならなくなります。
帰国前は業務引き継ぎなどで慌ただしくなってしまいますので、退去通知を忘れて余分な家賃を取られてしまった、と言う事態を避けるためにも、早めに通知をしておきましょう。
なお、退去が決まると大家側は次の入居者を迎え入れる準備に入ります。入居者募集の広告が出て不動産屋経由で内覧の申し込みが来ることがありますが、契約書には入居者が退去までの期間内覧に応じる義務があることが書かれているのが通常ですので、誠実に対応することをおすすめします。もちろん、予定が入っているのを無理に対応する必要はありません。
イギリスでは住居の賃貸終了時には、入居時と同じように戻す(原状回復)ことが求められます。基本的には日本も同じなのですが、日本では経年劣化部分は貸主の負担となるところが、イギリスの場合が借主側がある程度責任を負わなければならないケースが多いです。
退去時に慌てて入居時の状況を確認しようとしても、インベントリーチェックの書類が見つからなかったり、入居時に撮影しておいた動画や写真が探せない、といったことが考えられますので、2〜3ヶ月前の余裕のあるタイミングで準備しておきましょう。
通常そうなっていると思いますが、CleaningについてProfessional cleanedとなっている場合、掃除はプロに任せるのが無難です。クリーニング業者は引っ越し業者に紹介してもらうことが可能な場合もありますので、見積もり時に相談してみましょう。

日本の住居の準備
日本へ帰国となる場合、問題になるのが日本の持ち家を賃貸に出しているケースです。海外赴任の場合、定期借家契約で賃貸に出すのが一般的ですので、まずは次の更新はしない旨を仲介している不動産屋に伝える必要があります。
本帰国の時期と定期借家契約終了のタイミングが合えばいいですが、合わない場合には契約終了までの期間を過ごす賃貸物件の手配を考えなければなりません。
これは日本で賃貸物件に居住していた場合でも同じですが、住居探しはイギリスにいる間からおこなう必要があり、内覧はリモートでおこなうことになるでしょうから注意して物件を見ていく必要があります。
引っ越しの見積もり・仮日程の確保
引っ越しの見積もりも2〜3ヶ月前にはおこなっておきたいです。時期にもよりますが、日本の人事異動の多い4月、イギリスの進学・進級シーズンである8〜9月は引っ越しが混み合うことが予想されますので、早めに日程確保しておきたいです。特に会社の規定で2回に分けて荷物を搬出できる場合は、1回めの荷物搬出は帰国から2~4週前くらいになるためある程度早めにスケジューリングをしなければなりません。
日本への引越しであれば、日本通運、引越のサカイ、ヤマト運輸、コヤナギワールドワイドなどの日系の運送業者が候補になりますが、業者を選定していれば仮の引越し日程が決められます。見積もり自体はオンラインでできますし、時間もかかりませんので早めに業者にコンタクトすることをおすすめします。
見積もりは各会社によって基準が異なりますし、サービスも違ってきますので少なくとも2社には見積もりを依頼して、費用だけではなくサービスも比較して業者を選択しましょう。
たとえば、下記のようなサービスがついてくるかどうかは確認しておきたいです。
引越し業者によってついてくるサービス
- 帰国のフライトで持って行く手荷物の住居→空港への宅配サービス
- 帰国した日本の空港→日本の住居・ホテルへの手荷物宅配サービス
- 引越荷物の梱包サービス
- 不要な家財道具、家電の引取処分サービス
業者によって無料でつくもの、つかないものがありますので、海外引越は料金以外にも付帯サービスの有無を重視して選択するようにしたいです。
不要な荷物の整理
引越しの見積もりとともに、荷物の整理も始めておきたいです。イギリス生活がある程度の期間になると、旅行のお土産や生活雑貨、家具、子どものおもちゃなど大量な荷物で住居があふれていることが多いです。
また、イギリスでは手に入らないから、と日本から赴任時または一時帰国時に購入してきたものも多く残っているかもしれません。日本国内での引越しと異なり、海外引っ越しの場合は会社の規定で荷物の量が制限されることもあるはずですし、本帰国後の住居には元々日本に置いてきた荷物や家電なども入るはずですので、日本の住居が荷物であふれてしまう可能性があります。
そのため、荷物の量はある程度減らしておく意識を持って、2~3ヶ月前から整理を始めていきましょう。イギリスで不要な荷物を処分する方法には下記のような方法があります。
イギリスで不要な荷物を処分する方法
- ネットで販売する:Vinted、Depop、eBay、MixBなど
- ガレージセールで売る
- フリーマーケットで売る
- 寄付する:チャリティショップ、学校や図書館、自宅前に置いておく
- 捨てる:リサイクル可能ゴミとして、または粗大ゴミとして
こちらの記事では上記のイギリスで不要になった物の処分方法について、それぞれ解説しています。
https://london-chuzai.com/2025/05/01/unwanted_items/
旅行に行く
本帰国が迫ってくると慌ただしくなってしまいますので、旅行に行く心の余裕も時間もなくなってしまうでしょう。そのため、2〜3ヶ月前の比較的余裕のある段階で行きたかったところへの旅行の計画を立てて、行ってしまいましょう。
イギリスで生活していると気づかなくなってしまいますが、イギリスという場所を拠点に旅行に行けるのは駐在中の今しかありません。是非とも日本からは行けない場所への旅行を実現していただきたいです。候補としては下記のような場所が考えられます。
イギリス駐在で行きたい場所
- ヨーロッパのリゾート地:サントリーニ島、マルタ、キプロス、コートダジュールなど
- 日本から行くのが面倒な場所:アフリカ(エジプトやモロッコ)、アイスランド、東欧各国
当ブログイチ押しのBA Amexカードを持っている方であれば、コストの高いイギリス生活でAvios(British Airwaysのマイルのようなもの)が溜まっているでしょうから、最後に使えるだけ使っておきましょう。BA Amexで獲得できるコンパニオンバウチャーを使用すれば、1人分のAviosで2人分の航空券の予約が可能なため、家族旅行にも大活躍です。
BA Amexについては、こちらのイギリスでおすすめのクレジットカードランキングで説明しています。BA Amexはもちろんランキング1位です!

ちなみにBAのマイルはJAL便にも使えるため、日本に本帰国した後でも国内旅行で使用することも可能ですので、万が一使いきれなかった場合にもあきらめずに保有しておきましょう。

本帰国1ヶ月前の準備
本帰国1ヶ月前にもなると、仕事の後任者への引き継ぎや送別会、引越し準備で慌ただしくなってきます。時間が足りなくなってしまいますが、必要な手続きはしっかりと押さえておきましょう。
本帰国スケジュールの確定
会社の都合もありますので簡単には確定しないかもしれませんが、1ヶ月前には本帰国のスケジュールを決めておきたいです。イギリスの場合、住居の退去時にクリーニングやインベントリーチェックで時間が取られますので、余裕を持ったスケジュール作成をを心がけましょう。
人事異動あるあるだとは思いますが、受け入れ側の日本側は今すぐにでも来てほしい、送り出し側のイギリス側はできるだけ長く滞在して引き継ぎをしっかりしてほしい、と板挟みになってしまうこともあるかもしれませんが、主張するべきところは主張して、流されないようにしていきたいですね。
自宅ブロードバンド(インターネット)の解約
自宅のブロードバンド(インターネット)は1ヶ月前の解約通知が必要なケースが多いです。帰任時期が予定通りに決まらず、プロバイダーの契約によっては1年契約や2年契約で期限が来ていない、ということもあるかもしれませんが、違約金(最大で契約期間分の月額利用料総額、通常はそれよりも安いことが多い)を払えば問題なく解約できます。
なお、ブロードバンドの契約は自宅に設置するモデムの返却義務が規定されています。通常は解約後1~2ヶ月以内にモデムを返却しないとペナルティで30〜100ポンドほどの請求が来てしまいますので、気をつけましょう。
こちらはBTのブロードバンドのFAQページですが、BTでは60日以内にモデムを返却しない場合、65ポンドが請求されることを説明しています。私の知人の話では、引越しギリギリまでインターネットを使おうとして契約解除を帰国日近くに指定したところ、モデムの無料返却キットが届かず、仕方なく自分で郵便代を支払って返却したということでした。
プロバイダーにもよりますが、モデムの無料返却キットは解約日から10営業以内に送付する、というところもあるようです。
携帯電話契約の解除
イギリスの携帯電話のSIMは日本では使えないため、解約が必要です。厳密には日本で使えないこともないのですが、イギリスの携帯ではEU域内のローミングが標準でついていますが、日本でのローミングは高額になってしまいます。
例えばO2の場合、日本でO2のSIMカードで海外ローミングした場合1GBのデータ通信で9ポンド、通話は1分3ポンド、SMSは1回の送信で1ポンドと超高額です。
一応1日当たりの定額料金として7ポンドで使い放題というのもありますが、1ポンド=200円換算で1日1,400円ですから決して安くはありません。イギリスの携帯電話は解約する必要があると考えたほうが良さそうです。この携帯電話の解約通知もインターネット契約同様1ヶ月前の通知が通常ですので、タイミングを見て解約の連絡をしておきましょう。
インターネット契約とは異なり、モデム等の返却はありませんので、解約日をいつにするかは意識する必要はなく、帰国日の翌日を指定して、帰国直前まで使えるようにしておいても問題ありません。
なお、イギリスのサービスを利用するためにイギリスの携帯電話番号でSMSを受信する必要があるため、イギリスの携帯電話番号を維持したいという場合には最安値のプランで契約し続けるという選択肢も考えられます。イギリスの携帯電話契約では、日本にいてもSMSの受信は無料でできますが、データ通信をすると多額のコストがかかりますので、イギリスのSIMはモバイルデータ通信と海外ローミングをオフにしてWifi接続・日本のSIMのみでネット接続することをおすすめします。
私がこちらの記事でご紹介しているイギリスの携帯電話契約を比較できるUswitchでは、最も安くイギリスの電話番号を維持する方法は、こちらのspusuとなっています。1ヶ月当たり2.9ポンド(約580円)が高いか安いかは考え方にもよると思いますが、イギリスの携帯電話番号がないためにサービスにログインができない、という事態を避けるためにはやむを得ないコストと考えるのもありかもしれません。
日本の学校の手続き
帰任が決まったら、お子さんを帯同している場合は学校に関する手続きも必要です。
まずは日本の学校です。
まずは公立学校に入学、編入する場合です。公立学校の手続きは、まずは日本で住む予定の役所へ問い合わせをしましょう。そこで通っているイギリスの学校(日本人学校、現地校、インターナショナルスクール)の区分に従って必要書類などの案内があります。
学区によって学校が決まり、役所の担当者からそれぞれの学校へと先に連絡してくれるのが一般的です。そのため、役所から話を通してもらってから学校へと連絡をすると話がスムーズに進みます。
学校にもよりますが、海外からの転入の場合担任の先生や学年主任の方と親、子どもで面談をするのが通常です。海外の学校、特に現地校やインターナショナルスクールで生活してきた子どもは日本の学校で過ごしてきた子どもとは異なる感覚を持っていますので、気になる点はできるだけ面談時に確認しておきましょう。実際に子どもが登校するようになってからも、面談で相談した内容のフォローアップを求めるなど、コンタクトしていくことも可能です。
なお、日本の学校で私立学校に入学、編入する場合は個別にその学校に問い合わせることになります。

イギリスの学校の手続き
日本の学校への入学・編入手続きについて連絡をしたら、今度はイギリスの学校の退学の連絡をしましょう。日本人学校、現地校、インターナショナルスクールのいずれの場合も、退学のフォームがありますので、それに記載して提出しましょう。
現地校やインターナショナルスクール似通っている場合、日本の学校の手続きには使わないかもしれませんが、成績証明書(School record)や出席記録(Attendance report)、学校での活動の記録などの書類を求めれば出してくれるので、一応もらっておきましょう。イギリスの学校は転出・転入が日常茶飯事ですので、子どものEducation recordが欲しい、と言えばどこの学校でも対応してくれるはずです。こうした書類は帰国子女としての証明として、受験などでも使うことが可能になります。

BBCのTVライセンス解約
BBCの受信料、TVライセンスを支払っている方は、その解約もしておきましょう。色々と問題のあるNHKとは違い、簡単にインターネット上で解約することが可能です。
なお、年間一括払いをしている場合は、残りの期間のリファンドがあります。
BBCの契約についてはこちらの記事で解説しています。
https://london-chuzai.com/2025/01/19/bbc_license/
水道・ガス・電気契約の解約(準備)
水道・ガス・電気契約は、どのような契約になっているかで解約のタイミングが異なります。水道契約では割とあるようですが、メーターがついておらず、年間定額契約のような固定料金の場合は1ヶ月前に解約の連絡をすることができます。
ですが、通常は自分でメーターを見てアプリなどで申告して、利用した分だけを支払う契約になっていることが多いと思います。この場合は、事前の連絡にこだわる必要はなく、退去が済んでインベントリーチェックを受ける際にチェッカーが読み取ったメーターの数値を申告すると同時に退去日(過去の日付でもOKです)を連絡します。
自分がどこまでの期間までの料金を負担して、大家がどこからの期間の料金を負担するのか、という点が明確であればガス会社等は問題ないため、事後の連絡でOKということです。

家財保険の解約
イギリスの住居での家財保険に加入している場合は、これも解約しておきましょう。自動車保険や水道・電気・ガスの契約は忘れなくても、家財保険については一旦加入してそのままにしてしまっている、といったケースもよくあるようですので、しっかりと解約をしておきましょう。
保険の契約は必ずしも1ヶ月前にする必要はなく、退去日までにしておけば利用していない期間のリファンドを受けることができます。退去日よりも後になってしまうと、過ぎた期間のリファンドが得られない可能性があります。


カウンシルタックスのリファンド請求
カウンシルタックス、いわゆる住民税についても、帰国による転居の連絡をカウンシルにすることで、払い込んだカウンシルタックスのリファンドを受けることが可能です。
イギリスのお役所は日本と比較して非常にスピードが遅いため、早めの連絡を心がけておきましょう。1ヶ月前に連絡しても、リファンドを受けるのは日本に帰国して数ヶ月後になる、というのもよくある話です。
なおカウンシルへの連絡方法は、カウンシルによりますが、インターネット上でアカウントがある場合には割と早く手続きできますが、メールや電話での連絡の場合なかなか早くは進まないようです。
私のブログで何度か登場していますが、私の住むイーリングのイーリングカウンシルはGoogle Mapの評価で1,000件以上の口コミが集まって1.3というほぼ最低ランクを記録しています。こうした評価をされるくらいの対応となりますので、覚悟はしておきましょう。
Web上(イーリングカウンシルアカウントでログイン)で連絡して、その後メールで何度か連絡したらやっと動いてくれる、というのがスタンダードです。
GPへの連絡
イギリスに来た頃にGP(かかりつけ医)登録をしている方は、GPへの連絡もしておきましょう。放置してもコストが発生するわけではありませんが、定期的に連絡が来ますし、郵便物も届きますので、日本への帰国を連絡しておくことをおすすめします。
連絡はインターネット上のアカウントでできますし、GPにNHS番号を添えて「GP registration cancellation」とメールを出すだけでもできますので、手間はそれほどかかりません。
今はコロナのワクチン接種証明は不要ですので大人は特に書類の請求は必要ありませんが、お子さんの予防接種の証明は日本に帰ってから役に立ちますので取得しておくことをおすすめします。Vaccination Record(予防接種記録)やSummary Care Record(GPでケアを受けて概要) がほしい、というのみです。
郵便物の転送
どこまで真面目にやるかは人それぞれだと思いますが、銀行やクレジットカード、スーパーや趣味で利用するアカウントなどイギリス駐在中にさまざまなアカウントを作成してきたと思います。そのアカウント情報を元にダイレクトメールや広告が住んでいた住所宛に送られてくることがありますので、それを次の入居者に送られないようにするために、郵便転送届を出していくということも考えられます。
郵便転送はRoyal MailのWebサイトで申し込むことが可能です。問題となるのはそのコストなのですが、家族4人分のイギリス国内住所への転送届は、1年間で99.5ポンド(1月当たり8.29ポンド)となっています。日本だとタダなんですが、イギリスではしっかりと料金を取ってきます。
一方でイギリスから日本に転送する場合、コストは年間348ポンド(月当たり29ポンド)と跳ね上がります。
さすがにこのコストをかけてまで郵便転送をする人はあまりいないと思われ、前の入居者宛の郵便物を受け取るケースは私の周りの駐在員仲間でもよく聞きます。

車の売却
車を保有している方は帰国直前まで車を使用したいと思われるかもしれませんが、ある程度高値で車を売りたいのであれば、早めに売却に動いておくことをおすすめします。
イギリスで車を売る方法と期待される効果は大きく分けて下記のとおりです。それぞれの方法を星3つで評価しており、★★★が良く、★が悪いとなっています。
ディーラー下取り | ディーラーオークション | 個人売買 | 知人に売る | |
売るスピード | ★★★ | ★★ | ★ | ★★★ |
売却価格 | ★ | ★★ | ★★★ | ★★ |
安心度 | ★★★ | ★★★ | ★ | ★★★ |
手続きの楽さ | ★★★ | ★★★ | ★ | ★ |
おすすめ度 | ★★ | ★★★ | ★ | ★★ |
ディーラーに下取りに出すと即日買取もできますが、売却価格は安くなりがちで、高く売るにはディーラーオークションや個人売買を利用しましょう。
イギリスで車を売る方法はこちらの記事で紹介しています。

なお、上記の記事でも解説していますが、車を売ると道路税や自動車保険のリファンドもありますので、忘れずに手続きをしておきましょう。
本帰国2週間前
本帰国2週間前ともなると、公私共に慌ただしく、ゆっくりする暇もなくなってしまうかもしれません。このタイミングでイギリスを離れるための特段の準備はないのですが、本帰国後の準備を進めておきましょう。なお、忙しい毎日が続くことを考えると、睡眠時間を確保することだけはしておきましょう。
お土産の準備
帰国後に各方面に配るためのお土産の準備をしておきましょう。大事な方にはハロッズやリバティ、紅茶であればフォートナム&メイソン、ウィッタードオブチェルシーなどのイギリス土産の代表的なお店で買うのもいいですが、ばら撒き用のお土産であればAmazonを利用して時間短縮できます。
おすすめするのはやはりショートブレッドやクッキーですね。
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帰国直前
帰国直前を迎えてもイギリスのことなので、スケジュールを組んで予定通りに行かなかったこともあるかもしれません。仕事の引き継ぎが終わらず帰国してからもミーティングが設定されたり、引越し前なのに荷物がまとまってない、車が売れていないなど、色々とトラブルはあると思います。
ですがここまで来たら腹をくくって、イギリスにいる間にしなければならないことをとにかくしてしまいましょう。車の売却は日系ディーラーに持っていけば当日買取してくれますし、片付かない荷物は引っ越し屋に処分してもらうことも可能です(有料の場合あり)。

本帰国当日

別送品の手続き
本帰国当日は荷物を持って空港に行き、飛行機に乗るだけですが、海外からの引越しとなるため、別送品の手続きだけは忘れずにするようにしましょう。引越し業者からも案内があるはずですが、通常日本への帰国時には1枚だけ提出する携帯品・別送品申告書を本帰国の際には2通同じものを作成しておいて、税関の申告時に2通渡して1通に受領印を押してもらい返却してもらいます。
その返却してもらった携帯品・別送品申告書を日本の到着空港の引越し業者のカウンターで手渡します。


パスポートへの入国印の押印
詳細は後述しますが、日本の役所での転入届に使用するため、日本への入国審査時にパスポートに日本への入国印を押して貰うことも忘れないでしておきましょう。
本帰国後の手続き
忙しいイギリスから本帰国してほっとするのも束の間、今度は日本での手続きがあります。
イギリスと違って、行政サービスも行き届いている日本での手続きはスムーズに進むでしょう。イギリスとの違いに驚くとともに日本に帰ってきたことを実感する、といったことは誰しも経験することのようです。
帰国届の提出
イギリス駐在中は在留届を提出していたかと思いますが、在留届は海外にいる日本人を外務省が把握するためのものであり、もし海外で非常事態が発生した際に在留届をしている方に大使館が連絡を取る必要があるため、帰国したらできる限り早めに帰国届を提出しておきましょう。
帰国届は、インターネット上で簡単に手続きすることができます。
役所への転入届提出
まずはこれがないと始まらない、役所への転入届の提出です。この届出を起点に子どもの学校の手続や育児に関する手当等の手続きが可能になります。
海外からの転入の場合、日本への帰国日の証明として、パスポートへの日本への入国印の確認を求められますので、空港で入国する際に押印してもらいましょう。
なお、パスポートへの押印を忘れても、航空券などを提示すれば手続きはできます。
子どもに関する手続き
子どもに関する手続きとして、代表的なものは下記のとおりです。
子どもに関する手続き
- 学校の手続
- 児童手当の手続き
- 育児補助に関する手続き
- 医療証(自治体による)発行
基本的には、転入届提出時に役所の担当の方から案内があります。
できるだけ手続きを効率的に進められるように配慮してくれる日本の役所の方にイギリスのGoogle評価★1.3のカウンシルを相手にしているイギリス駐在員としては感心するばかりです。

マイナンバーカード発行
マイナンバーカードは2024年5月27日より日本からの出国時も維持できるようになりましたが、それ以前の出国でマイナンバーカードを返納していて、手元に保有していない場合は発行手続きをしておきましょう。
イギリスでISAを利用していた方は日本でもNISAを利用したいと思われるでしょうから、すぐにでも手続きしたいところです。
イギリスのISAと日本のNISAの違いについてはこちらの記事で説明しています。
https://london-chuzai.com/2021/06/03/uk_isa/
通常マイナンバーカードの発行には1ヶ月ほどかかるのですが、海外からの帰国者向けに特急発行・交付制度というものがあり、1周間程度で発行可能です。
携帯電話の契約
携帯電話は現代の生活では必須ですし、日本でマイナンバーカードを利用した手続き(マイナポータルでの手続きやマイナ保険証・免許証など)にも必要となりますし、帰国後すぐに契約しておきましょう。
私はイギリス駐在中にも日本の電話番号を維持しておくことで日本のSMSを受信できるようにすること、およびイギリス国内や国外でのバックアップ用として楽天モバイルを契約し続けています。
1ヶ月880円(税込968円)でSMS用の電話番号維持と海外ローミング2GBというのはコストパフォーマンスがいいとは言えないかもしれませんが、一時帰国した時にも使えますし、割と使えるかなと思っています。
海外で携帯電話番号を格安で維持する方法はこちらの記事で紹介しています。
https://london-chuzai.com/2021/06/04/japan_mobile_number_rakuten/

公的手続き(社会保険・年金)
海外赴任からの帰国ということであれば、社会保険や年金関係の手続きは会社で行なうことになるはずですので、会社からの案内に従ってください。
健康診断
イギリスはじめとする海外で駐在員として働いていると、日本とは異なる文化や言語の中で生活することで生活習慣も変わってしまうことが考えられます。
食習慣に関しても、ヘルシーな和食とはかけ離れた高カロリーの食事が多いことから気付かぬうちにカロリーを摂取してしまっていた、ということもあるかもしれません。
また、海外で仕事をする際には日本よりもはるかに大きなストレスにさらされてしまうことで、メンタルへの影響も心配されます。
こうした海外勤務での体や心への影響が大きいことを考慮して、労働安全衛生規則45条の2では、海外に6ヶ月以上派遣する者に対し、あらかじめ健康診断を実施することを義務づけており、また海外からの帰国後にも健康診断を実施することを義務づけています。こちらも会社から案内があるはずですので忘れずに受診しましょう。


イギリスの銀行口座、クレジットカードの解約
イギリスで使用していた銀行口座やクレジットカードは帰国してからの解約が推奨されます。この理由は、帰国後に銀行口座やクレジットカードのアカウントに対するリファンドがあったり、電気やガス料金が退去後に確定して引き落としがあったりするためです。
銀行のデビットカードやクレジットカードはイギリスを離れても期限が来るまでは有効ですし、実際に日本で使用することもできます(手数料は高いです)。そのため、急いで解約する必要はありませんが、カードの有効期限が切れるとイギリスで住んでいた住居宛にカードが届いてしまいますので、それまでには解約しておきましょう。
解約手続きはインターネット上でできることもありますが、クレジットカードはチャットや電話連絡が必要な場合があります。
銀行口座を解約する場合、残高を別の口座に移す必要があります。原則としてイギリスの非居住者は口座が持てない前提になりますので、日本に送金することになります。帰国時の海外送金を行う場合にはWiseを利用してイギリスから日本の口座に送金することをお勧めします。
例えば2万ポンドを2025年10月11日にイギリスから日本の銀行口座に送金する場合の実際の受取額は下記のようになります。
金融機関 | レート(1ポンド) | 手数料 | 日本円での受取額 | Wiseとの差 |
Wise | 201.962円 | 69.56ポンド | 4,025,192円 | ー |
HSBC | 200.288円 | なし | 4,005,766円 | −19,426円 |
BARCLAYS | 199.831円 | なし | 3,996,628円 | −28,564円 |
NatWest | 197.280円 | なし | 3,945,605円 | −79,587円 |
HSBCをはじめとするメガバンクは送金手数料こそかかりませんが、レートに注目してみるとWiseよりずっと不利なレートになっています。
イギリスの口座の残高を最もお得に日本に送金するためのWiseのアカウント開設は、日本に帰ってからでも間に合います。
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Wiseを使ってイギリスで稼いだお金をお得に送金しましょう!
Wiseの詳細情報、利用するメリット・デメリット、海外駐在員の利用するシーンなどはこちらの記事でくわしく解説していますので、よろしければご覧ください。
https://london-chuzai.com/2025/09/06/wise_pros_cons/
インターネット契約の申し込み
日本での電気・ガス・水道の手続きは簡単にできますのでここでは割愛しますが、インターネットの契約に時間がかかるのは日本でもイギリスでも同じです。本帰国ごの入居先が決まっているのであれば前もって申し込みをしておいて、入居日に合わせてインターネット工事日を設定すればタイムラグがなく自宅でインターネットを使用することが可能になります。帰国して早々に在宅勤務をすることはないかもしれませんが、できるだけ早くインターネットが使えるに越したことはありませんよね。
私はイギリスではキャッシュQuidcoをお勧めしていますが、日本ではちょびリッチというポイントサイトを重用しています。インターネットを申し込むにもポイントサイトを使用するのとしないのとでは数万円単位で差が出てきますので、是非ポイントサイトを利用しましょう。なお、イギリスからの本帰国では入居先が決まらないことも多いと思います。そんな時に役立つのが楽天モバイルです。楽天モバイルは使用するデータ通信量(ギガ)の制限がないため、自宅でのインターネット工事を待っている間もデータ通信量を気にせずにパソコンやタブレットでのテザリング使用ができますので、おすすめです。楽天モバイルは日本への一時帰国時も通信量を気にせずインターネットがしようできるので、大変役立ちます。
楽天モバイルは海外からでも申し込みは可能ですが、初回の開通手続きは日本国内で行なう必要があります。楽天モバイルではeSIMの使用が可能なため、対応する携帯電話を持っているのであれば、日本到着日に合わせて開通申し込みをしておけば帰国した到着空港で即開通手続きが可能です。
帰国から1ヶ月くらいのボーナスタイムを楽しもう
私よりも早く帰国したイギリスの日本人駐在の方が口を揃えていうのが、「帰国から1ヶ月くらいは何を食べても美味しいし、日本を心地よく感じる」ということです。
イギリス駐在員がイギリスで得られる給与についてこちらの記事で解説していますが、日本へ帰国して1ヶ月もすると、イギリス駐在時代は安いと思っていた日本の物価が、実は日本ではもらえる給料が相対的に少なくなるため、そこまで安くないことに気づいてしまいます。
また、食べられるご飯は最初美味しいと感じていたけど、慣れてしまえばそれほど変わらなくなってきます。他にも行政はじめサービスが日本では行き届いているのも、それが当たり前に感じるようになるし、イギリスではなかなかゆっくり入れなかったお風呂もいつでも入れると思うとそこまでありがたみがなくなった、などなどイギリスで憧れていた日本のものが当たり前になってしまう、ということです。
帰国して1ヶ月くらいは新しい仕事に慣れなければなりませんし、引っ越しや日本での生活の立ち上げに忙しい時期ではありますが、そんな時期だからこそ一泊二日でもいいので旅行に行ってみるとイギリスとの格差で大きな感動を生むことが期待できるようですので、是非試してみてください。
私も帰国の時には試してみようと思います。
まとめ
以上、イギリスから日本に本帰国するときに行うべきことを解説しました。ここでまとめとして、あらためて最初にお見せしたスケジュールをお見せしておきます。

すべてをこのスケジュール通りに進めるのは難しいかもしれませんが、できる限り無理をせずに、しっかりと本帰国への準備をしていきたいですね。なお、本帰国2~3ヶ月前の旅行と、本帰国後1ヶ月間の日本を存分に楽しめるボーナスタイムだけはしっかりと楽しめるといいと思います。
ありがとうございました。
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Wiseの詳細情報、利用するメリット・デメリット、海外駐在員の利用するシーンなどはこちらの記事でくわしく解説していますので、よろしければご覧ください。


