どうも、ロンドン駐在員のぷーたです。
今回の記事は、次のような方のお悩みを解決するために書いています。
- イギリス駐在を開始したけど、銀行口座がなかなか開けない。いい方法はない?
- イギリスで作れるネットバンクを教えてほしい。
- イギリスのチャレンジャーバンク3社の違いを教えてほしい。
イギリスで銀行口座を開設するのは手間がかかる
イギリスには、バークレイズ、HSBC、ナットウエストグループ、ロイズ・バンキング・グループといったメガバンクがあり、イギリスに駐在する場合、どこかの銀行口座を開設するはずです。
ですが、これらの銀行は当然ですが、口座の開設の審査が厳しく、会社のレターを必要としたり、住所の証明などが必要です。
私の場合、新型コロナウイルスの影響もあり、銀行窓口が閉鎖されていたため、オンラインでの申請手続きが必要でしたが、なかなか手続きが進まず、赴任してからしばらくの間、銀行口座なしの状態で生活することを余儀なくされました。
イギリスでは、キャッシュレス化が日本よりも進んでおり、また水道光熱費やインターネット回線の申込みなど、決済に日本のクレジットカードが使えない場合も多く、少なくとも銀行のデビットカードを持っていないと生活さえままならない状況があります。
そんな中、私はチャレンジャーバンクの銀行口座を開設してしばらくの間をしのいでいました。
チャレンジャーバンクの特徴
チャレンジャーバンクとは、メガバンクなどの銀行とは異なり、実店舗を持たずに、申し込みを含めすべてをオンラインで完結する銀行サービスとなっています。デジタルバンクとか、ネットバンクといった言い方もしますね。
チャレンジャーバンクの特徴は、口座開設を手軽に申し込めて手続きが速い・手数料がかからない・アプリが使いやすいといった点があります。
口座開設を手軽に申し込めて手続きが速い
チャレンジャーバンクは、実店舗のある銀行と比較して、口座開設を手軽に申し込めるという特徴があります。
今では新型コロナウイルスの影響で実店舗のある銀行であっても、オンラインでの口座開設ができるようになっていますが、基本的に口座開設に関する動きが遅く、なかなか進んでくれません。
私もなかなか口座開設ができないので、何度も何度も電話をかけて審査状況を確認したりしましたが、そもそも電話がつながらない、1時間以上待たされてつながっても答えが出ない(たらい回し)など、とてもストレスを受けました。
一方でチャレンジャーバンクは、元々店舗がないため、オンライン口座開設申請のスピードが速く、また、必要なのは銀行開設とともに発送されるデビットカードを受け取れるイギリスの住所とパスポートなどの身分証明書だけと手軽に申し込むことができます。
また何か確認したいことなどが出てきた場合も、オンライン申請が前提のため、オンラインチャットなどのサポートがメガバンクなどと比べて整っており、サポートもスムーズに進みます。
手数料がかからない
イギリスでは日本と違って、国内銀行送金は、他行宛であっても無料で手数料はかかりません。その上、送金のスピードも速くとても頼りになります。これはメガバンクでも同じなのですが、チャレンジャーバンクの場合、国内外でのATM手数料や、デビットカードの海外利用など、ほとんど手数料が取られることがありません。
イギリス国外へ旅行している場合や、出張している場合に急遽現金が必要になったとしても、ATM手数料がとられないのは、なかなか便利ですね。
ぷーたは銀行手数料を取られるのがとても嫌なので、日本でも銀行は楽天銀行や住信SBIネット銀行を大いに活用していますが、イギリスでもチャレンジャーバンクを活用すれば手数料についてあまり意識しなくてもよくなります。
アプリが使いやすい
アプリが使いやすいというのも、チャレンジャーバンクの特徴の1つです。チャレンジャーバンクはネットに特化した銀行ですので、アプリの使いやすさが生命線になるため、各社とも使いやすいアプリの開発に力を入れています。
もちろん、メガバンクもアプリはありますが、使いやすさという面ではチャレンジャーバンクの方に軍配が上がると思います。
送金や着金時のプッシュ通知や、入出金明細の照会がしやすい、カード紛失時のアプリでの即時のカード凍結(すぐに戻すことも可能)など、便利な特徴があります。
オススメのチャレンジャーバンク3社
イギリスで特に有名なチャレンジャーバンクは、Revolut 、Monzo、Starling Bank、の3社です。チャレンジャーバンク自体はたくさんあるのですが、イギリス赴任が決まって、口座を作ろうと思ったのであれば、この3社の中から選べば間違いはありません。
それぞれのチャレンジャーバンクの解説をします。
Revolut
Revolutは、ロンドンに本拠地を置く世界中でユーザ数を拡大している海外送金などを中心とした銀行サービスです。後ほど紹介するMonzoやStarling Bankとは少しサービスが異なりますが、人気の高いチャレンジャーバンクであり、私も使っているため、先に紹介します。
日本での知名度は低いですが、実は日本でもRevolutを契約することできます。そのため、イギリス駐在が決まったら、すぐに日本で口座を開設してしまうと、イギリスでの生活がスムーズに進むもしれません。
日本での口座開設には、住民票とマイナンバーが必要になりますので、もし住民票を抜いてしまっていると、日本では口座開設ができませんので、イギリスで作りましょう。
イギリスで口座を開設する場合は、パスポートとBRPカードなどの居住資格の証明、およびカードを受領できる住所が必要となります。ただ、賃貸契約書などの住所証明は不要ですので、BRPカードが到着すれば開設手続きが可能です。
Revolutは2015年に設立された企業で、そのユーザ数は1,500万人を超えています。特徴としては、以下のものがあります。
- 日本で口座開設手続きが可能
- 1つの口座で、ポンドや円など36の通貨を管理できる
- 月£1,000までは手数料無料で通貨間の両替ができる
- ATM引き出し手数料(国内 / 海外): 月£200まで無料
- 月£5,000まで海外送金が無料(36通貨、160カ国以上に対応)
- バーチャルカードを選択できる、送金用の使い捨てカード番号座の利用も可能
- チャレンジャーバンクの中では最も利用者が多い
- 仮想通貨にも対応している
- Apple PayやGoogle Payでの利用可
- 送金以外では、クレジットカードでしか入金できない(VISA、Maestro、Mastercard)※現金をATMで入金するのは不可
- デビットカード発行・郵送料に£4.99かかる
- FSCS対象ではないので、預金保護の対象にはならない
Revolutの申込みはこちらのボタンから可能です↓
Monzo
Monzoは元々プリペイドカードなどを発行していた会社でしたが、2017年からチャレンジャーバンク事業をスタートしました。事業開始からまだ4年しか経っていませんが、ユーザー数は5百万を超えています。
日本での口座開設はできませんので、渡英してからの手続きになりますが、海外送金を中心とするRevolutと比較して、普段の生活資金決済口座として使用するのに便利な機能が揃っている点が大きな特徴です。
- Potsという複数の目的別口座の設定が可能
- イギリスを含むEEA圏内ATM手数料が£250/30日まで無料
- 海外でのデビットカード利用時に手数料がかからない
- FSCS対象のため£85,000まで預金保護あり
- 現金でのATM入金が£1/回の手数料がかかる、クレジットカード入金はできない
- Apple PayやGoogle Payでの利用可
- デビットカード発行・郵送料無料
Starling Bank
3つ目のチャレンジャーバンクは、Starling Bankです。こちらは、2014年にチャレンジャーバンク事業を開始しており、今回ご紹介する3社の中では最も歴史が古いですが、利用者数は2百万人超と他2社と比較すると少なくなっています。
Starling BankはMonzoと同様に、日常生活資金の決済口座としては優秀な機能をもっています。
- Goalsという複数の目的別口座の設定が可能
- ATM引き出し手数料無料(1日の引出し上限£300)
- イギリスを含むEEA圏内ATM手数料が無料
- 海外でのデビットカード利用時に手数料がかからない
- FSCS対象のため£85,000まで預金保護あり
- 現金でのATM入金が可能、クレジットカード入金はできない
- Apple PayやGoogle Payでの利用可
- Post Officeでの現金入金・出金が可能
- デビットカード発行・郵送料無料
- 預金に利息がつく
まとめ
以上、イギリスで海外赴任時に作成するのをオススメするチャレンジャーバンク3社を紹介しました。ここで、一覧表で3社の比較をしたいと思います。
Revolut | Monzo | Starling Bank |
|
口座維持費 | 無料 | 無料 | 無料 |
デビットカードの 新規発行手数料 |
£4.99 | 無料 | 無料 |
イギリスの口座番号 | ○ | ○ | ○ |
EURO IBAN 口座 | ○ | ✕ | ○ |
口座への入金 | 振込以外ではクレジットカードのみ(手数料あり) 現金、小切手は不可 |
振込以外では小切手、現金のみ(※手数料あり) クレジットカードは不可 |
振込以外では小切手、現金のみ クレジットカードは不可 |
預金利息 | ✕ | ✕ | ○ |
FSCS預金補償 | ✕ | ○ | ○ |
イギリス国内ATM手数料 | £200/月まで無料 | £250/30日まで無料 | 無料(1日の引出し上限£300) |
イギリス国内の送金手数料 | 無料 | 無料 | 無料 |
海外でのATM手数料 | £200/月まで無料 | £200/30日まで無料(EEA圏内はイギリス国内と同じ) | 無料 |
海外でのデビットカード利用手数用 | 手数料0.5% (£5,000/月まで) |
無料 | 無料 |
海外送金 | 31通貨に対応 月に£5,000月まで無料 |
TransferWiseと提携した機能あり | 38カ国、20通貨に対応 |
Apple Pay、Google Pay、コンタクトレス決済 | ○ | ◯ | ◯ |
その他 | ・仮想通貨に対応している ・バーチャルデビットカード対応 ・決済用使い捨て口座使用可能 |
・Pot(目的別口座管理)の利用が可能 | ・アプリで小切手の入金が可能 ・Post Officeで現金入金・引き出しが可能 ・Goals(目的別口座管理)の利用が可能 |
RevolutとMonzo・Starling Bankは銀行としての性質が異なりますが、イギリス駐在でメガバンクの口座を1つは持つという前提であれば、どれか1つを作っておけばいいと思います。
これからイギリスに駐在する方であれば、日本でRevolutの口座開設をしておいて、赴任後当座の決済はRevolutでおこない、生活基盤が安定して日常生活資金の管理はMonzoやStaring Bankでおこなう、というように2つの口座を持つというのもありかもしれません。
RevolutはFSCSの預金保護対象外となっているため、万が一のことを考えるとあまり多くの金額を置いておくことはオススメできません。
そのため、Revolutをサブ口座、MonzoやStarling Bankをメインのネット口座とするのがよさそうです。
ありがとうございました。