駐在員の生活

イギリスで生活してわかった日本の良さ~海外で生活してこそわかる日本の良いところ~

どうも、ロンドン駐在員のぷーたです。
今回の記事は、次のような疑問を解消するために書いています。

  • イギリスに駐在してみて感じた日本の良さって何?
  • イギリスと日本はどっちがいいと思う?
  • イギリスで生活して大変なことは?

イギリスでの生活は大変

私ぷーたはイギリスで生活してもうすぐ5年になります。5年も暮らせばイギリスの生活にも十分慣れたでしょ?と思われるかもしれませんが、日本で長く生活してきた身からするといつまで経っても慣れません、というのが正直な気持ちです。

もちろん駐在員という立場もあり色々と良い経験もさせてもらっているところもありますが、生活そのものは日本でしてきたよりもずっと大変であると言わざるを得ません。

英語圏ですので、他の言語圏よりはずっと楽だろうと思われる部分もあるかもしれませんが、

こちらの記事ではイギリス生活での大変な思いをまとめていますが、

ロンドン駐在員が紹介~イギリスあるある~イギリスってこんな国ですこの記事ではイギリスでの日本人の感じる「あるある話」を教えてほしい!イギリスに駐在して困ったことって何?イギリスってどんな国なのか教えてほしい!といった疑問にお答えしています。...

簡単にまとめれば以下のような大変さがあるのだと思います。

  • 多民族・多国籍のコミュニティのため共通認識の醸成が難しく、ルールが守られない
  • 社会インフラが思ったよりも整っていない
  • サービスは受けるものではなく与えられるものという意識

イギリスと日本は同じ島国ではありますが、上記のような理由から日本人にとってはイギリスで生活すること自体がとても大変なのだと思います。

今回は、イギリスで生活してわかった日本の良いところを挙げてみたいと思います。

イギリスで生活してわかった日本の良いところ

社会インフラが整備されている

日本の素晴らしいところはたくさんあるのですが、まずは社会インフラの整備の充実は言うまでもない点だと思います。ありとあらゆる点で、優れているのではないかと思ってしまう部分ですね。

道路


道路に関しては、日本の道路は本当にきれいだと思います。イギリスで生活していて感じるのは、ありとあらゆる場所でまともではない道路が多いという点です。

歩道だけならばまだしも、車の走る車道ですらボコボコですし、穴が開いていることもしょっちゅう見かけます。日本では穴が開いている道路というのは、よほどの田舎でない限り見たことありませんでしたが、イギリスでは都会であっても普通に存在しています。特にB道路(地方都市どうしを結ぶようなB4000といったBから始まる道路)では、アップダウンやカーブも多い中で、道路が陥没していますので目も当てられません。

私も一度このトラップでタイヤをパンクさせたことがあります。道路の修繕もできたらやる、という感じなのでしょうか、なかなか修繕されないことも多いです。

加えて道路上の白線や文字なども消えていて見えないことが多いです。見えないのが当然というレベルで、日本ではよほど交通量の少ないところでなければ考えられませんね。

電気・ガス・水道


電気・ガス・水道に関しては、さすがに長期間使えなくなることは経験したことがありませんが、止まることはイギリスでは普通にあります。要因として、外部からの供給が止まる場合と、家の内部の設備に支障がある場合とに分けられます。

外部からの供給が止まる場合、ある程度復旧も早いのですが内部の設備が原因の場合、その故障を直すために数週間待たされてしまうこともあります。私の知人は冬にガス給湯器が故障してしまい、数週間にわたって給湯器修理を待たされてしまったそうです。

当然その間はガスが使えません。イギリスではガスはお湯の供給だけでなく、セントラルヒーティングの暖房機能も担っていますので、冬にガスが止まるのは死活問題です。布団にくるまって生活するしかないわけですが、復旧を早める手だでもなく、どうしようもありません。

日本では電気・ガス・水道の復旧は災害時であっても早いですよね。加えて、設備の故障に対してもサービスが充実していますので、かなり早いタイミングでエンジニアが来てくれて修理や設備交換に対応してくれます。

社会インフラを使えるのは当たり前、ということが日本では浸透しており素晴らしいと思います。

自宅のインターネット・携帯電話でのネット接続

インターネットや携帯電話の通信もイギリスではかなりひどいと言わざるを得ません。サービスプロバイダによる部分もあるかもしれませんが、インターネットの不調はよくあります。

また、携帯電話に関しては建物の中で通じなくなることが多いと感じます。携帯電話のアンテナが立っていないのだと思いますが、現代の必需品と言える携帯電話がどこでも通じる状態ではなく、毎回電波状況を確認しなければいけないというのはストレスに感じます。

加えて人が多く集まる状況では携帯電話がつながらないことが多いです。これは日本でも同じかもしれませんが、イギリスの場合はそこまで多くの人がいるとは思えない状況でもつながらなくなります。これも困りますね。

日本ではインターネットも携帯電話でのネット利用もトラブルが一切ない、とは言いませんが繋がらなくて困ることはほとんどないと思います。

なお、こうした状況から公衆Wifiが利用できる場所も多いのですが、公衆Wifiはセキュリティ面で不安があるため、私は常にVPN接続を使用するようにしています。私の場合、NordVPNを利用しており、日本のU-NEXTやNetflixなどのサブスクリプションの利用が可能なだけでなく、セキュリティ面でも安心です。

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治安がとてつもなく良い

日本が世界に誇れるのは治安の良さだと思います。こちらは少し古いデータになりますが、Nippon.comの各国の強盗の発生率を示したグラフです。人口10万人当たりの発生件数は日本では1程度なのに対し、イギリスでは80~120で推移しています。

まさに桁違いですね。

イギリスでは外に出ているときは少なからず緊張感を持っていますし、実際に私の住むイーリング地区では、比較的治安がいいと思われるのですが、実際には様々な危険なことが起きています。

  • 朝車を止めてある場所に行ったらナンバープレート以外すべてなくなっていた
  • 家の勝手口(正面玄関ではなく庭側の出口)でなにか音がすると思ったら泥棒がいた
  • 駅前でナイフを持った人にお金を出せと言われた
  • 電車の中でナイフを突きつけられてワイヤレスイヤホンを寄越せと言われた
  • 近所から大麻の匂いが漂ってくる(イギリスでは大麻の所持は禁止)
  • 会社で一人で残業していたら強盗が入ってきた

これらは私の友人・知人の体験した実話です。

他にもフラフラ歩いている人に声を掛けられるような事案はしょっちゅう起きていますし、身近ではないまでももっともっと危険なことも起きており、安全と思うことはあまりないですね。イギリスはヨーロッパの中ではまだ治安が良いほうなのかもしれませんが・・・。

サービスが充実

サービスの充実というのは、日本が誇れる素晴らしい点の1つだと考えます。

役所

役所のサービスというのは、サービスレベルを考える点ではいい例だと思います。ここで私の住むイーリングカウンシルのGoogleレビューを見てみましょう。

1,154件の評価で平均1.3という素晴らしいスコアを記録しています。

私の経験を述べますと、必要な期間中にどうしてもカウンシルに連絡を取らなければ行けなかったのですが、Webのフォームで問い合わせても、メールを送っても反応がなく、電話をかけても自動応答でどこまでいっても「問い合わせはWeb上の番号にかけてください」と言われて終わっていました。

自動音声で最終的に人間につながらないのはイギリスで初めて体験したことです。ちなみに人間に繋がる場合は30分~1時間平気で待たされます。

どうしようもなくカウンシルの建物に行ってみましたが、入口のところの係員に止められました。その時のやり取りが、

ぷーた
ぷーた
◯◯の件で連絡を取りたいのですが
係員
係員
アポイントがないと入れられませんので、アポイントを取ってください
ぷーた
ぷーた
電話をしてもネットでもわからないので、アポイントの取り方を教えてください
係員
係員
私もアポイントの取り方がわからなくて困ってるのよ(笑)

という感じで、実際に現地に行ってもどうしようもありませんでした。

サービスコストを極限まで抑えようとすると、このようなことになるのだと思いますが、日本の役所はどこに行っても人がいますし、何なら受付のところでどこに行けばいいかも教えてくれますし、日本の役所は素晴らしいと思います。

こうした公共サービスの、あくまで現場レベルでは日本のレベルはかなり高いと思いますね。日本に住んでいた頃は気づきませんでしたが、イギリスと比べると過剰サービスと言えるくらいのサービスレベルにもかかわらず、日本では文句を言う人も多く、区役所等にクレームを寄せる方も多いようなので、そういった方はイギリスの役所の対応を見てほしいです。

イギリスでは文句を言う先もないのでクレームのしようもないんですよね。電話しても人につながりませんし、メールをしても”Thank you for your feedback.”といった定型文が返ってきて、もちろん何の対応もありません。

道路工事

道路工事は日本とイギリスの差を大きく感じる点の1つです。イギリスを始め多くのヨーロッパの国では、工事中はもとより、夜間の工事をしていない期間であっても、自動で切り替わる信号を置いたまま放置されます。

その結果、どのように渋滞が発生しようがお構いなしです。信号は感応式信号のようなできな信号ではありませんので、時間で切り替わるだけですし、ひどい場合には交差点のある片側一車線の片方を潰して、四方向を信号で切り替えて交通規制しますので、周囲の道路は大混雑します。

日本の場合は、工事中はほとんどの場合交通整理員がいて交通誘導をしますし、夜間は工事している場所をできる限り元に戻して、交通に影響を与えないようにしていると思います。そのため、工事による渋滞は限定的になっていると思います。

この工事中の交通誘導や夜間の交通に迷惑をかけないような配慮は素晴らしいと思います。そのためにコストがかかっていたり、工期が長くなっているのかもしれませんが、工事によって迷惑を受ける人が少ないように気を遣うサービス精神は尊いものだと思います。

お店

お店で待たせることもイギリスでは普通にある光景です。これはスーパーマーケットであっても、個人店であっても同じです。

スーパーマーケットであれば、レジに行列ができていて他に対応できる人がいるように見えても、新しいレジは決して開きませんし、待たせることについての謝罪も何もありません。個人店であれば馴染みの客とずっと話し込んでいて、後ろで待っている客がしびれを切らしていたとしても関係ありません。他の客を対応している間は待つのが当然、ということで特に待たせていることに関する引け目も感じないようです。

日本だと、レジ待ちをしていれば空いている店員が他のレジを開けて「お待たせしてしまい申し訳ありません」という言葉をかけてもらい、接客がスタートします。

ちょっと気を遣い過ぎ、謝り過ぎな感じもしますが、サービスを受ける側としてはありがたいと思います。

オープンな場所が多い

イギリスにいて困ることがあるのが時間を潰さなければならないときです。誰かとの待ち合わせや、予約を入れている店に早く着きすぎて時間を潰さなければならないときに、思ったよりも時間を潰す場所がありません。

最適な選択肢としてカフェやファストフード店に入って時間を潰すということがありますが、費用もかかります。それ以外であれば公園にいってベンチに座って待つ、とかでしょうか。お店をぶらぶら見て時間を潰そうとしても、場所にもよりますが気軽に入れるような店はそれほど多くもなく、なかなか難しいと感じます。

日本であればカフェやファストフードだけでなく、図書館や駅ナカなど無料で利用できるような公共のスペースも多いです。またお店を見て回る場合も、ただ見ているだけでも大丈夫な雰囲気は日本の方が感じられるため、楽にお店を見て回ることができると感じます。

この辺りの感じ方は個人差もあるかもしれませんが、イギリスの場合、街に出ても少し閉鎖的な雰囲気を感じてしまうことがあります。お店の看板が大々的に出ていなかったり、防犯の観点からかドアが空いていなかったり、というのもあるかもしれません。

加えて日本の場合やはりサービス精神から、無料で休める場所も多いですし、休むことに対してコストをかけなくてもいいという感覚があり、助かります。

物価が安い

これは良し悪しという部分もあるかもしれませんが、日本の物価の安さは大きな魅力です。イギリスで生活していると、1ポンドを100円と考えなければ生きていけない(10月8日時点の為替レートは1ポンド=193.57円)くらいの感覚です。

マクドナルドでビックマックセットを購入しようとすると5.99ポンド(1,159円)ですが、1ポンド=100円として、599円と考えなければもったいなくて購入できません。

これはアメリカでもユーロ圏でも同じような話を聞きますが、ポンドの場合は米ドルより、ユーロよりも高いので、これを100円と見なければいけないのは悲しいところです。

日本も物価が上がっているとは言いますが、欧米の特にここ数年の凄まじい物価上昇と比べればそこまで高くなっているとは言えず、物価は非常に安いと感じてしまいます。生活コストを考えれば、イギリスで暮らすよりもずっと安く済むと思います。

こちらは独立行政法人経済産業研究所のG7各国の消費者物価の上昇率を示したものですが、イギリスと日本では2017年からの物価上昇率に大きな差が出ています。

子どもを育てるのが楽

日本は保育園に入れるのが大変とか、子どもに寛容でないから子育てが大変と言われていますが、本当でしょうか?

確かにイギリスはじめ外国では子どもに対して寛容であり、例えば公共交通機関や公共の場では子ども連れにはとても親切にしてくれる、という話をよく聞きますが、私はイギリスで生活していてそこまでの対応をされたことはありません。子どもに席を譲ってくれたり、先に行かせてくれたり、というのはイギリスでも日本でもしてくれる人はするし、してくれない人はしないというのは変わらないと思います。

イギリスではYear5(9~10歳)未満の子どもは一人で出歩かせることはできません。これで本当に子育てが楽でしょうか?日本ではさすがに未就学児を一人で出歩かせることはしないでしょうが、小学校1年生になれば基本的には一人で学校に通えます。もちろん不安がないではありませんが、Year5まで毎日子どもを小学校まで送り迎えする負担がどれほどのものかは想像できると思います。Year5になれば選択的に可能というだけで、それでも不安なのがイギリスで、実質はSecondary schoolのYear7までは一人で出歩かせるのは不安な親が多いと思います。

イギリスの場合、保育園、いわゆるナーサリーに子どもを入れる場合、4~5歳児には週15時間分の補助が出ますが、それ以外の時間、年次には補助が出ませんし、子どもを預ける費用は1日あたり60£(9,000円)くらいかかります。1ヶ月だと20万円くらいになる計算であり、共働きが前提なのでもちろん出せないことないのでしょうが、相当な負担です。

加えて、小学校に上がってからはBreakfast clubに入れて、After school clubに入れることで7時半~18時までの預かりを可能にしてはいますが、それにかかる費用はかなりの多額となりますし、最終的には迎えにいかなければなりませんので残業もできません。

私としてはイギリスは日本よりもずっと子育てが大変だと思います。これは日本の労働環境が大きく問題になっている部分もありますが、子育てについては日本の方が楽だと思います。

まとめ

以上、イギリスと比べて考える日本のいいところを解説しました。ここでまとめておきます。

  • イギリスでの生活は大変
    -多民族・多国籍のコミュニティのため共通認識の醸成が難しく、ルールが守られない
    -社会インフラが思ったよりも整っていない
    -サービスは受けるものではなく与えられるものという意識
  • イギリスで生活してわかった日本の良いところ
    -社会インフラが整備されている(道路・電気/ガス/水道・ネット/携帯電話)
    -治安がとてつもなく良い
    -サービスが充実(役所・道路工事・お店)
    -オープンな場所が多い
    -物価が安い
    -子どもを育てるのが楽

ありがとうございました。

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ぷーた
ぷーたです!投資とポイント活動、ジョギングが趣味のロンドン駐在員です。お得活動のためには徹底的な調査と行動をしており、たくさんの方に情報を共有したいと思ってこのブログを立ち上げました。