どうも、ロンドン駐在員のぷーたです。
今回の記事は、次のような疑問を解消するために書いています。
- イギリス国外に出張や旅行するときにクレジットカードを使うと多くの手数料を取られるけど、避ける方法はない?
- イギリスのクレジットカードでユーロの費用を支払うとどうなるの?
- イギリス国外で支払いをおこなうときにベストな方法は?
イギリス国外でイギリス発行のカードを使うと?
イギリスで暮らしていると、イギリス国内で発行された銀行のデビットカードや、クレジットカードを保有している方は多いと思います。
私の場合こちらの記事でご紹介していますが、クレジットカードの還元率を考えて、British Airways AMEX Cardをオススメしています。
入会特典でBritish Airwaysのマイレージポイント6,000Avios(£77相当)をもらえるのもお得ですが、下のBA Amex公式ページから申し込みをした場合、紹介キャンペーンとして、6,000+4,000=10,000Avios(£128相当)をゲットできます。普通に申し込むよりも、£51(£1=198円換算で10,098円)もお得になります。
ただし、この紹介キャンペーンは「カード発行から3か月以内に£2,000利用」という条件は適用されますので、必ず満たすようにしてください。つまり、カード発行から3ヶ月以内に£2,000以上利用すれば、10,000Avios(£128相当)が手に入ります。
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ですが、このイギリス発行のクレジットカードをイギリス国外、例えばフランスやドイツのようなユーロ通貨国で使用すると、大変なことになります。
例えばイギリス国内で使う分にはとてもオトクなBA AMEXカードですが、ポンド以外の通貨で決済する場合は、2.99%の手数料が引かれてしまいます。これはAMEXのWebサイトでしっかりと説明されています。
つまり、イギリス国内で発行したクレジットカードで、イギリスで100ポンド、フランスで100ユーロを決済した場合の支払額は下記のとおりとなります。
- イギリスで100ポンドを決済した場合:100ポンド
- フランスで100ユーロを決済した場合:102.99ユーロ(100ユーロ+手数料2.99ポンド)
約3%の手数料というのは非常に大きいですよね。ちなみに上記のAMEXの説明では、イギリス国外のATMで現金を引き出す際にも3%の手数料がかかると記載されています。
なお、他のカード会社であれば安く済むのか?という観点で国外でのデビットカード・クレジットカード手数料を調べてみました(2024年11月2日現在)。概ね3~5%程度の手数料をかけてきています。
銀行名 | デビットカード購入手数料 | 現金引き出し手数料 |
Lloyds (プレミアムカード以外) |
2.99%+£0.5 | 2.99%+£1.5 |
NatWest | 2.75% | 2.75% |
Nationwide (FlexBasic debit card) |
2.75% | 2.99% |
Santander | 2.95% | 2.95% |
HSBC (プレミアムアカウント以外) |
2.75% | 2%+2.75%(£1.75~£5) |
Halifax | 2.99% | 5% |
Barclays | 2.75% | 2.75% |
クレジットカードの方も調べてみました。こちらも概ね3%の手数料がかかっています。
クレジットカード名 | クレジットカード購入手数料 | 現金引き出し手数料 |
BA Amex | 2.99% | 3% |
ASDA Money Credit Card | 2.99% | 3% |
Sainsbury’s Bank Credit Card |
2.75% | 3% |
Lloyds Bank Credit Card | 2.95% | 5% |
M&S Credit Card | 2.99% | 2.99% |
現金両替ならばもっと損!?
とはいえ、クレジットカードを利用せずに現金に両替して使用をした場合どうなるでしょうか?現金の問題点は、いくら使うかわからないため、前もってある程度の金額の両替をしておく必要があることです。
また、銀行預金であれば金利がつく(Trading212であればISAで税金のかからない銀行利息が5%超)のに対して、余ってしまった外貨をそのまま置いておいても何の金利も生みませんので、基本的に余った外貨はポンドに戻すことが前提になります。
私がよく利用するEurochangeでの為替レートを見てみましょう。2024年11月2日現在のポンド→ユーロ、ユーロ→ポンドのレートは下記のとおりです。
ポンド→ユーロ:1,000ポンド→1,170.8ユーロ
ユーロ→ポンド:1,170.8ユーロ→902.84ポンド
ということで、ポンドをユーロに変えて、それをさらにポンドに戻した場合、約10%目減りしてしまうことがわかります。
これは相当痛いマイナスですね。この結果を見ると、現金化した外貨は使い切ってしまうことが前提となるでしょう。
Eurochangeでは一定の手数料を支払うと、両替した外貨の内使いきれなかった分(最大30%)を両替したレートでそのまま買い戻してもらえるオプションがつけられますので、それをつけるという方法もありますが、必要以上の外貨を現金化しないことが重要と言えそうです。
Revolutならばお得に外貨決済が可能!
イギリス国内で発行したクレジットカードやデビットカード、外貨への両替のどちらも多額の手数料、為替差が出てしまうことがわかりました。
それでは、どうすれば出張や旅行時にもっともコスパがいい外貨決済が可能でしょうか?その答えはRevolutにあると考えます。
Revolutとは?
Revolutは、ロンドンに本拠地を置く世界中でユーザ数を拡大している海外送金などを中心とした銀行サービスです。MonzoやSterling Bankのようなチャレンジャーバンクの1つであり、NatWestやLloydsのようなメガバンクなどの銀行とは異なり、実店舗を持たずに申し込みを含めすべてをオンラインで完結する銀行サービスです。チャレンジャーバンクはデジタルバンクとか、ネットバンクとも言われます。
Revolutは2015年に設立された企業で、そのユーザ数はイギリス国内のみで1,000万人を超えており、全世界で4,500万人を超えています。特徴としては、以下のものがあります。
- 日本で口座開設手続きが可能
- 1つの口座で、ポンドや円など36の通貨を管理できる
- 月£1,000までは手数料無料で通貨間の両替ができる
- ATM引き出し手数料(国内 / 海外): 月£200まで無料
- 月£5,000まで海外送金が無料(36通貨、160カ国以上に対応)
- バーチャルカードを選択できる、送金用の使い捨てカード番号座の利用も可能
- チャレンジャーバンクの中では最も利用者が多い
- 仮想通貨にも対応している
- Apple PayやGoogle Payでの利用可
- 送金以外では、クレジットカードでしか入金できない(VISA、Maestro、Mastercard)※現金をATMで入金するのは不可
- デビットカード発行・郵送料に£4.99かかる
- FSCS対象ではないので、預金保護の対象にはならない
Revolutをはじめとするオススメチャレンジャーバンクについては、こちらの記事で説明しています。
Revolutの申込みはこちらのボタンから可能です↓
Revolutは国外での利用がお得!
Revolutはイギリス国内でデビットカードのように便利に利用できるのも利点の1つですが、本領を発揮するのは海外での利用です。イギリス国外でRevolutを利用するとお得な点は下記のとおりです。
- 為替レートがお得!
- デビットカード利用・両替手数料がお得!
- ATM引き出しがお得!
それぞれ解説します。
為替レートがお得!
Revolutが優れている点は、この為替レートです。先ほど説明したEurochangeの現金の両替手数料に比べて安いのは言うまでもありませんが、他のクレジットカード会社やチャレンジャーバンクの為替レートと比較してもRevolutはお得です。
例えば11月2日現在の為替レートで、1,000ポンドをユーロに換算する際に何ユーロになるかで比較してみましょう。
Revolutの為替レート
まずはRevloutです。1,000ポンド=1,190.09ユーロとなります。なお、ここでは手数料が10ポンドと書かれていますが、週末手数料の1%が加算されており、平日に取引をする場合であればこの手数料はかかりません。
Monzoの為替レート
次にMonzoです。
1ポンド=1.18343ユーロとなっていますので、1,000ポンド=1,183.43ユーロとなります。
Sterling Bankの為替レート
Sterling Bankは、ユーロからポンドの変換で示していますが、Monzoと同じく1,000ポンド=1,183.43ユーロとなります。
Mastercardの為替レート
MonzoとSterling Bankは、実はMastercard rateというのを使用しています。そのため、同じレート、1,000ポンド=1,183.43ユーロとなっています。
Mastercard rateはこちらのWebサイトで確認可能です。MonzoやSterling Bankは手数料がゼロのため、このままのレートで換算可能ですが、他の多くのクレジットカード会社では手数料がかかるため、レートはもっと悪くなります。
VISAの為替レート
Mastercard同様、VISAにも為替レートがあります。こちらはMastercardよりもいい、1,000ポンド=1,194.87ユーロとなっています。ただし、Mastercard同様多くのカード会社では手数料を取りますので、実際に両替する際のレートはもっと悪くなります。
American Expressの為替レート
最後にAmerican Expressの為替レートを見ます。実は他の為替レートもすべてそうなのですが、両替やデビットカード、クレジットカード使用時の為替レートは、欧州中央銀行(ECB、European Central Bank)の為替レート+マージンで決まっています。欧州中央銀行のレートは、こちらのWebサイトで確認可能です。
そして、欧州中央銀行のレートはどこの会社でも参照していますので、先ほど見てきたMastercardとVISAの為替レートの差は、このマージンの部分の差によるものです。
American Expressのマージンは、Webサイトの情報によれば2.638%となっています。これを為替レートに反映すると、1.1905÷(100%+2.638%)=1.159901となりますので1,000ポンド=1,159.90ユーロとなります。
為替レートまとめ
会社 | 1,000ポンドをユーロに両替 |
Revolut | 1,190.09 |
Monzo | 1,183.43 |
Sterling Bank | 1,183.43 |
Mastercard | 1,183.43 |
VISA | 1,194.87 |
American Express | 1,159.90 |
この結果を見ると、VISAが最も得(ただし手数料ゼロの場合)、次にRevloutとなります。為替手数料がかからないクレジットカードはなかなかありませんし、あったとしてもプレミアム会費などが必要だったりしますので、Revolutを利用する価値は高いと言えます。
デビットカード利用・両替手数料がお得!
Revloutは両替手数料がお得というのも重要な点です。Revloutのデビットカードで支払いをする際や、Revolutアカウント内で両替をする際の手数料が一定額までは無料となります。ただし、両替手数料が一切かからない、というわけではありません。
1ヶ月間でプランに応じて一定金額までの両替手数料は無料、それを超えると0.5~1%の手数料がかかります。プラン別の上限額は下記のとおりです。
プラン | 月額料金 | 月ごとの両替上限 | 上限超過後の手数料 |
スタンダード | 無料 | £1,000 | 1% |
プラス | £3.99 | £3,000 | 0.5% |
プレミアム | £7.99 | 無制限 | なし |
正直にいいますと、1%の手数料は安くありません。いくらRevolutがMonzoやSterling Bankよりも為替レートが有利と言っても、1%の手数料を加味してしまうとお得ではなくなります。そのため、Revloutを使用する際は1,000ポンドの上限については気を配っておく必要があると言えます。
とはいっても、Revolutアプリのアカウント情報にアクセスすることで、すでに利用した金額と、月別の利用額の更新タイミングまで簡単に確認できますので、手数料を支払わないようにすることもそれほど難しくはありません。
ちなみにMonzoやSterling Bankでは海外の利用の上限はなく、手数料がかかりません。為替レート自体はRevloutの方が良いため、上限額まで使い切ったらMonzoやSterling Bankに切り替えるという方法が最もお得と言えるでしょう。
ATM引き出しがお得!
Revolutは出張や旅行先で現地のATMから現金を引き出す際にもお得です。Revolutでは、ATM引き出しは1ヶ月当たり5回まで、または200ポンドまでが無料となります。200ポンドを超えて引き出す場合、引き出し金額の2%(最低1ポンド)の手数料がかかります。
これはイギリス国外でも同じで、為替レートがお得なことから、ATM手数料が無料の間はRevolutが最もお得であるといえます。
プラン | 月額料金 | 月ごとのATM引出上限 |
スタンダード | 無料 | £200または5回 |
プラス | £3.99 | £200(回数無制限) |
プレミアム | £7.99 | £400(回数無制限) |
なお、MonzoとSterling BankのATM引き出し手数料は下記のとおりです。
会社・プラン | 月額料金 | 月ごとのATM引出上限 |
Monzo(メインバンク利用以外) | 無料 | イギリス・欧州:£400 欧州以外:£200 超過後は手数料3% |
Monzo(メインバンク利用) | 無料 | イギリス・欧州:無制限欧州以外:£200 超過後は手数料3% |
Sterling Bank | 無料 | なし(1日当たり最大£300、6回まで) |
Monzoをメインバンク利用とみなされるためには、「35日以内に£500以上の入金・1件の口座引落(Direct Debit)があること」が条件となります。他にも年金の受取や学生ローンの支払いなどの条件を満たすことでもOKです。Sterling Bankは月ごとの上限がないため、ATM手数料がかかりません。
ATM手数料については、Revolut、Monzo、Sterling Bankなど無料と言っているサービスでも、現地のATM業者が手数料をかけてくる可能性があるため、ATMで現金引き出し時に表示される手数料をよく見ておく必要があります。
結論:Revolutはイギリス国外利用が最もお得! (条件あり)
Revolutが最もお得に使えるための条件
ここまで見てきましたが、イギリス国外でデビットカード決済やATM引き出しをする際にはRevolutを利用することが一番お得であると結論付けたいと考えます。
とは言っても、どんな状況でもお得ということではなく、下記の条件がつきます。
- 月ごとのデビットカード利用・アカウント内の両替を合計1,000ポンド以下に抑える
- 月ごとのATM引き出し金額を200ポンド以下に抑える
- これらの上限を超えないために、アプリで利用金額をチェックする
これらの条件を守れる前提であれば、為替レートが最も良いRevolutをイギリス国外で利用することをオススメします。
加えて下記の点(Revolutスタンダードプランの場合)に注意する必要があります。
- Revolutではイギリス時間金曜日午後10時(アメリカ東部標準時午後5時)からイギリス時間日曜日午後11時(アメリカ東部標準時午後5時)までの間に行われたすべてのデビットカード利用・両替・ATM引き出しに対して1%の手数料が請求される
- Revolutでは、月ごとの利用上限を超えたすべての取引に対して1%の手数料が請求される
1%の手数料は、RevolutとMonzo、Sterling Bankとの為替レートの差を打ち消して余りあるほど大きな手数料ですので、絶対に避ける必要があります。そのため、ATM引き出しはそこまで考える必要がないかもしれませんが、月のデビットカード利用・両替の上限は意識しておく必要があります。週末の利用についても同様です。
これらの条件を満たせるのであれば、Revolutの利用が最もお得であり、イギリス国外での決済については下記の運用がオススメとなります。
- 月ごとの限度額に達するまで、または平日(イギリス時間日曜日午後11時~金曜日午後10時)の間はRevolutを利用する
- 月ごとの限度額を超えた場合、または週末(イギリス時間金曜日午後10時~日曜日午後11時)はMonzoやSterling Bankを利用する
Revolutの週末手数料を避けるための方法
Revloutは週末に使った場合1%の手数料を取られるのであれば使えないのでは?と思われるかもしれませんが、週末手数料を避けるための方法があります。
それは、週末に支払いが発生する可能性がある場合には、前もって両替をしてしまうことです。Revloutでは36の通貨で口座を持つことができ、両替もかなりお得にできることから、私の場合例えば週末にユーロ圏に旅行する場合には前もって平日に500ポンドほどをユーロに変えておきます。ユーロでの決済をする場合はユーロ口座から引き落とす(口座に残高があれば決済通貨で自動的に引き落とされます)ことで、週末でも手数料の支払いが不要となります。
この場合、もちろん余ったユーロをポンドに戻さなければなりませんが、先程の10%ほど目減りしたEurochangeの例とは異なり、ポンド→ユーロ→ポンドと転換してもRevlotであれば0.42%しか目減りしません。
この0.42%というのは、RevolutとMastercard rate(Monzo・Sterling Bankの参照レート)との差である0.56%(1,000ポンドをユーロに換算した場合、Revolutは1190.09ユーロ、Monzo・Sterling Bankは1183.43ユーロ)を下回りますので、Revolutで両替したほうが、Monzo・Sterling Bankを利用するよりも得になります。
Revolutの申し込みはこちらから
Monzo・Sterling Bankも魅力的ではありますが、私としては出張や旅行などでイギリス国外での決済を行う可能性があるのであれば、条件はあるものの最もお得に利用できるRevolutの口座を持っておくことをオススメします。
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まとめ
以上、イギリス国外での決済について説明してきました。まとめておきます。
- イギリス国外でイギリス発行のクレジットカード・デビットカードを使うと、約3%という高額な手数料がかかってしまう
- 現金両替する場合、余った現金はポンドに戻す必要がある(現金は金利を産まないため)が、ポンドに戻す際に10%ほど減ってしまうため損
- 最もお得にイギリス国外で決済する方法はRevolut
- Revolutはイギリスに本拠地を置くネットバンク(チャレンジャーバンク)で、
ー1つの口座で、ポンドや円など36の通貨を管理できる
ー月1,000ポンドまで両替・外貨決済手数料が無料
ーATM引き出しはイギリス国内・海外ともに月200ポンドまで手数料無料
といった特徴がある - Revolutのイギリス国外での利用は、
ー為替レートが最もお得!
ーデビットカード利用・両替手数料がお得!
ーATM引き出しがお得! - 結論としてRevolutはイギリス国外利用が最もお得といえる。ただし下記の条件あり
ー月ごとのデビットカード利用・アカウント内の両替を合計1,000ポンド以下に抑える
ー月ごとのATM引き出し金額を200ポンド以下に抑える
ーこれらの上限を超えないために、アプリで利用金額をチェックする - Revolutには週末手数料(イギリス時間金曜日午後10時~イギリス時間日曜日午後11時の利用に対する)があるため、事前に平日に両替をしておくのがオススメ
ありがとうございました。