どうも、ロンドン駐在員のぷーたです。
今回の記事は、次のような方のお悩みを解決するために書いています。
- イギリスからYahoo!ニュースを見ようと思ったけど見られない!どうすればいい?
- イギリスで日本のTverやPrime Videoを見る方法はある?
- VPNサービスを利用したいんだけど、オススメのVPNサービスは何?
- イギリスで人気のVPNサービスはどれ?
イギリスに駐在して困ったことといえば、日本のAmazon Prime VideoやTverなどの動画配信サービスやYahoo!ニュースなど日本で普通に見ていたサービスが利用できないことなんですよね。
ですが、そんな不便はVPNを使えば解決します。この記事では私が実際に使用してきた各VPNサービスの体験を元に、イギリスで利用するVPNサービスのランキングをお伝えします。
まずは、VPNとは何か?について解説していきます。
VPNとは何か?
まず、VPNとは何かについて説明します。
VPNとは、Virtual Private Network(バーチャルプライベートネットワーク)の略です。直訳すると「仮想の自分だけのネットワーク」という意味になります。もう少し噛み砕いて言うと、
- Virtual(仮想の):お金をかけてネットワーク機器などの設置をしなくてもいい
- Private(自分だけの):自分だけが使えてハッキングや盗聴のような邪魔をされない
- Network:ネットワーク
となりますね。なんとなくセキュリティに関する仕組みなのかな?と思われると思います。
閲覧制限の仕組み
パソコンやスマートフォンのブラウザやアプリを利用して外部のサービス、例えばYahoo!ニュースやTverなどにアクセスする際、Yahoo!ニュースやTver側は、ユーザー側のネットワークのIPアドレス(インターネット上の住所のようなもの)を元に、どこからアクセスしたかを判断しています。
つまり、日本でしかサービスを提供しない、と決めているTverはIPアドレスが日本のものでなければ見られないようにしているため、イギリスからアクセスすると番組情報は見られますが、いざ動画を見ようとしても下のように延々とクルクル回ったままになってしまいます。これはTver側でIPアドレスを判断してサービスに制限をかけているのです。
また、Lineヤフーは一部のサービスを除いて欧州経済領域(EEA)とイギリスからの利用ができなくなっていますので、Yahoo!ニュースをイギリスから見ようとすると下のようにお断りのメッセージが出てコンテンツを見ることができません。こちらもLineヤフー側でIPアドレスをチェックして、欧州経済領域かイギリスからのアクセスであれば下のメッセージを出す、というプログラムを組んでいるのです。
なぜ閲覧制限をするの?
それでは、なぜLINEヤフーやTverなどは海外からの閲覧制限をかけるのでしょうか?その理由には大きく分けて2つあります。
- 著作権法上の許諾が日本など特定の地域に限定されている
- 海外からの閲覧を認めるのにコストがかかる
それぞれ見ていきましょう。
著作権法上の許諾が日本など特定の地域に限定されている
例えばTverのWebサイトにはこのような説明があります。
Tverで視聴可能なコンテンツの著作権は日本のテレビ局や番組制作会社が有しており、その著作権者はTverに対して、「日本国内での視聴に限定する」という条件をつけています。なんでこんなことをしているかというと、コンテンツが海外でも売れる可能性があるからですね。どこでもOKという許諾をしてしまえば、許諾を受けた会社、この場合Tverが海外向けにも配信をしてしまいます。そうすると、コンテンツの著作権者であるテレビ局や番組制作会社はこの番組を海外に売れなくなってしまいます。そのため、許諾を日本国内に限っているのです。
日本国内以外からの視聴を禁止するには、テレビや映画であれば日本国内にしか電波を届けない、または上映しなければ物理的に見られなくなりますが、インターネットの場合そうもいきません。そのため、IPアドレスつまりパソコンやスマートフォンの住所で日本国内にいるかどうかを判別しているのです。
海外からの閲覧を認めるのにコストがかかる
2022年4月6日、欧州在住者には衝撃の出来事がありました。Yahoo Japanのコンテンツにアクセスできなくなったのです。対象国は欧州経済領域(EU加盟の27ヶ国に、リヒテンシュタイン、ノルウェー、アイスランドを加えた30ヶ国)+イギリスです。
なぜLINEヤフーがこのような決定に至ったかというと、理由の1つとして2018年に導入されたGDPR規制(General Data Protection Regulation)が挙げられています。これは、欧州以外の企業であっても、欧州の個人データを扱う場合には、データ管理の厳格化や情報漏洩対策の強化を求めているものです。
GDPRに違反した場合のペナルティは非常に高く、最大で2,000万ユーロ(約32億円)またはその企業の全世界の収益の4%のどちらか高い方となります。世界でビジネスをしている会社であれば後者に該当するでしょうから何百、何千億円のペナルティになる可能性があります。それに加えてデータ元の個人は損害賠償を求める権利もあります。
LINEヤフーはこのGDPRについて抵触していないと発表していますが、おそらくはこのGDPRへの対応や、さらに厳しくなっていくことが想定される欧州での規制に対応するコストを考えるとサービスを提供し続けることはできないと判断したと考えられます。
VPNのメリット1:VPNを利用すればアクセス元の国を変えることが可能
VPNを利用すると、先ほど出てきたIPアドレスを別のものに変えることが可能です。つまり、イギリスからサービスにアクセスする場合でも、別の国、例えば日本からアクセスするように見せかけることができるのです。
仕組みとしてはこの図のようになります。ちょっとずるいような気もしますが、こんな技術があるんですね。
このVPNを使用すると、TverやYahoo!ニュース側も「日本からのアクセスなのでOK!」と判断して、イギリスにあるパソコンやスマートフォンからでも、日本のコンテンツを見ることができるのです。
VPNのメリット2:VPNはセキュリティ向上にも役立つ
パソコンやスマートフォンが通信をする際に、相手方とやりとりする内容を暗号化することで、通信している情報を途中で盗まれたり、パソコンのコントロールを奪われるハッキングなどのリスクを低減することが可能になり、セキュリティを強化することができます。
これは海外のサイトにアクセスするだけではなく、例えばレストランやスーパーなどで利用するフリーWi-fi(アクセスポイント)にアクセスするときにもセキュリティを高めることができます。
イギリスでは大きな建物の中に入ったり、サッカースタジアムなど大人数が集まる場所では本当に携帯電話がつながらないので、フリーWi-fiを利用することが必然的に多くなってきます。空港のラウンジやホテルなどのようなパスワードで保護されているものであればまだ安全性は高いのですが、よくあるフリーWi-fiははっきり言って超危険です。
何が危険かと言いますと、率直に言って技術がある人から見たらスマホの中身が丸見えです。例えば、
というような被害に遭う恐れがあります。スマホは今やクレジットカードや銀行、証券など個人の財産管理ツールでもありますので、情報を盗まれたときの被害は甚大です。
このフリーWi-fiでVPNを使っておけば、通信が暗号化されて自分だけのネットワークを構築できますので、安全性が高まります。
VPNのデメリット1:通信速度が遅くなる
メリットばかりをご紹介してきましたが、VPNにデメリットがないわけではありません。VPNを利用した場合、通信速度は下がってしまいます。
私が自宅で利用しているブロードバンドの速度は通常であればこちらになります。
ですが、VPN接続(日本に接続)した場合、速度が落ちてしまいます。アップロード速度は何らかの規制がかかっている可能性がありますが、一番の問題はPingの数字です。下りの速度はVPNを利用しないときの1/10ほどになっています。
Ping(ピング) はネットワークの通信の応答速度を表す数値です。オンラインゲームをプレイする際、Ping値が低くなるほど通信の応答速度が速くなりますが、高くなると遅くなり通信ラグが発生しやくすなります。スプラトゥーンやApex Legendsのようなオンラインゲームをする場合、VPNを利用すると快適なプレイとはほど遠くなり、厳しいです。
VPNのデメリット2:有料VPNはお金がかかる
VPNですが、安心して快適に利用できるVPNサービスは有料になってしまいます。無料のVPNもあるにはあるのですが、速度が遅かったり満足に利用できなかったり、セキュリティのリスクがあるなど、おすすめできません。
VPNを利用するには、ある程度のコストをかける必要があります。先に説明したフリーWi-fiの利用時などの安心や日本のコンテンツにアクセスできるという快適さを買うためと考えれば高いことはないのですが、一応デメリットとして挙げておきます。
VPNは住所を別の場所にできるセキュリティ向上の仕組み
以上をまとめると、VPNとは、「住所を別の場所にできるセキュリティ向上の仕組み」といえますね。住所を別の場所に見せかけるなんて、怪しい!と思われるかもしれませんが、セキュリティのことを考えた場合、自分の居場所がわからないというのは重要ですよね。
実際に住んでいる場所のことについて言えば、できるだけ人には知られたくないというのは誰もが思うことではないでしょうか?特にロンドン在住の筆者は、日本人駐在員であるということと家の場所はできる限り知られたくないと思っていますし、過去の駐在員からの教訓にもそのようなことが書かれています。
日本人駐在員がもらっている給料についてはこちらの記事で書いていますので、よろしければご参照ください。日本勤務時代との比較もしています。
それでは、ここからはVPNサービスの比較をしながらそれぞれの特徴を見ていきましょう。
イギリスで使えるVPNサービスランキング
ここからは実際にVPNサービスを検討するに当たって必要な情報を比較形式でお見せします。VPNサービスについては色々なサイトで評価を確認することは可能ですが、私は以下の観点で比較をしています。
- コストとVPNサービスの質(通信速度や対応するストリーミングサービス)が見合っているか?
- 日本のサービスを海外から利用する場合に使いやすいか?
- サポート体制はしっかりとしているか?
月額わずか 2.49 ポンドで強固なセキュリティとWireGuard の独自バージョンであるNordLynxプロトコルのために非常に高速です。日本のストリーミングサービスへの対応も申し分なしです。
利用料 | ベーシックプランで 2年契約:2.69ポンド/月 1年契約:3.99ポンド/月 1ヶ月契約:10.39ポンド/月 |
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通信速度 | 平均ダウンロード速度285Mbps(VPNPro、Forbes Advisor、Security.org調査の平均) |
対応ストリーミング サービス |
トップクラスのカバー範囲 |
同時接続端末数 | 10 |
サーバー数 | 6,300以上 |
接続可能国数 | 111カ国 |
返金保証 | 30日間 |
総合評価 | NordVPNはすべての項目において最強というわけではありません。ですが、主に日本の動画サービスなどを利用することを考えた場合、価格、通信速度、対応サービス数、使いやすさ、セキュリティリスクなどを総合的に考えた場合、どう考えても1位はNordVPNになってしまいます。2年契約にはなりますが、月あたり2.69ポンドで利用できるのは便利です! |
利用料 | 1年契約:5.48ポンド/月(今なら3ヶ月無料つき) 6ヶ月契約:8.21ポンド/月 1ヶ月契約:10.64ポンド/月 |
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通信速度 | 平均ダウンロード速度292Mbps(VPNPro、Forbes Advisor、Security.org調査の平均) |
対応ストリーミング サービス |
トップクラスのカバー範囲 |
同時接続端末数 | 8 |
サーバー数 | 3,000以上 |
接続可能国数 | 105カ国 |
返金保証 | 30日間 |
総合評価 | ExpressVPNは月額利用料が高いのがネックになってしまいますが、通信速度は申し分ないですし、対応サービス数や使いやすさも優れています。日本人の利用者が多いという評判も納得できます。 |
利用料 | Sufshark Starterプランで 2年+3ヶ月契約:1.69ポンド/月 1年+3ヶ月契約:2.09ポンド/月 1ヶ月契約:12.29ポンド/月 |
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通信速度 | 平均ダウンロード速度298Mbps(VPNPro、Forbes Advisor、Security.org調査の平均) |
対応ストリーミング サービス |
多くのストリーミングサービスの利用が可能 |
同時接続端末数 | 無制限 |
サーバー数 | 3,200以上 |
接続可能国数 | 100カ国 |
返金保証 | 14日(1ヶ月契約)~45日(1ヶ月超の契約) |
総合評価 | Surfsharkはコストが安いにも関わらず、接続端末数の制限が無く、接続速度も十分で利用する価値のあるサービスです。コストを重要視する方には最もオススメのサービスですね。 |
利用料 | 2年契約:3.59ユーロ/月 1年契約:3.99ユーロ/月 1ヶ月契約:9.99ユーロ/月 |
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通信速度 | 平均ダウンロード速度280Mbps(VPNPro、Forbes Advisor、Security.org調査の平均) |
対応ストリーミング サービス |
多くのストリーミングサービスの利用が可能 |
同時接続端末数 | 10 |
サーバー数 | 5,100以上 |
接続可能国数 | 91カ国 |
返金保証 | 30日間 |
総合評価 | Proton VPNは月額利用料はそこまで安くありませんが、通信速度や同時接続端末数はかなりのレベルとなっており、セキュリティ面での心配もないため、オススメのVPNサービスの1つです。 |
利用料 | 2年+4ヶ月契約:1.78ポンド/月 6ヶ月契約:6.19ポンド/月 1ヶ月契約:10.89ポンド/月 |
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通信速度 | 平均ダウンロード速度277Mbps(VPNPro、Forbes Advisor、Security.org調査の平均) |
対応ストリーミング サービス |
多くのストリーミングサービスの利用が可能 |
同時接続端末数 | 7 |
サーバー数 | 11,800以上 |
接続可能国数 | 100カ国 |
返金保証 | 14日(1ヶ月契約)~45日(1ヶ月超の契約) |
総合評価 | CyberGhostは月額利用料が安く、手軽に使えるVPNサービスです。通信速度や同時接続端末数の制限など気になる部分もありますが、コストを考えれば我慢できる範囲でしょう。返金保証が長いのも、ゆっくり試して必要なサービスの確認ができるため安心です。 |
一覧表でVPNサービスを比較
VPNサービスのランキングをご紹介しましたが、ここで一覧表でそれぞれのVPNサービスを比較してみました。初めてVPNを利用する人や、契約するVPN選びで悩んでいる人はおすすめの中から選んでみてください。
VPN名 | NordVPN |
ExpressVPN |
Surfshark |
Proton VPN |
CyberGhost |
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月額料金 | £2.69~£10.39 | £5.48~£10.64 | £1.69~£12.29 | €3.59~€9.99 | £1.78~£10.89 |
通信速度 | 285Mbps | 292Mbps | 297Mbps | 280Mbps | 277Mbps |
サーバ 台数 |
6,300以上 | 3,000以上 | 3,200以上 | 5,100以上 | 11,800以上 |
接続可能 設置国数 |
111ヶ国 | 105ヶ国 | 100ヶ国 以上 |
91ヶ国 | 100ヶ国 |
同時接続 端末数 |
10 | 8 | 無制限 | 10 | 7 |
返金保証 | 30日間 | 14〜45日間 |
私ぷーたとしましては、最もオススメなVPNサービスはNordVPNです!コストとパフォーマンスのバランスが最も良く、接続スピードや広範囲の動画サービスのカバー、サーバー数も多くて同時接続端末数も十分にあるため、NordVPNを利用して困ることはほとんどないと言えます。実際、ロンドンで4年以上生活していて、大部分をNordVPNと過ごしてきた私ですが、NordVPNでNetflix、Hulu、Amazon Prime Video、Tver、DMM TV、Disney+、AbemaTVなどいずれのサービスでも利用に問題はありませんでした。
もし迷われているのであれば、NordVPNを一度お試しください。30日の返金保証もありますので、とりあえず申し込んでみる、というのもありだと思います。返金対応もサポートがしっかりしているのでスムーズに対応してもらえますよ。
まとめ
今回はVPNについての説明と、オススメのVPNサービスのランキングをご紹介しました。まとめておきます。
- VPNサービスはパソコンやスマートフォンの住所を別の場所にできるセキュリティ向上の仕組み
- VPNサービスを利用するメリットは
ーVPNを利用すればアクセス元の国を変えることが可能
ーVPNはセキュリティ向上にも役立つ - VPNサービスを利用するデメリットは
ー通信速度が遅くなる
ー有料VPNはお金がかかる- VPNサービスでオススメなのは
ーNordVPN
ーExpressVPN
ーSurfshark
ーProton VPN
ーCyberGhost
- VPNサービスでオススメなのは
ありがとうございました。