どうも、ロンドン駐在員のぷーたです。
今回の記事は、次のような疑問を解消するために書いています。
- イギリスで不動産探しをするのにおすすめのサイトはどこ?
- イギリス駐在で住まいを探さなければならなくなったけどどうすればいい?
- イギリスの不動産ポータルサイトRightmoveの使い方を教えて!
イギリスでの不動産探し
イギリス駐在をする場合に課題となるのが不動産探しです。会社が社宅という形で用意している場合には、そこに住むことになりますが、多くの場合は住宅手当を受けて自分で賃貸する、または自分の希望の住居を借りて、会社が家賃を支払ってくれることになると思います。
自分で住居を選ぶ際には、希望の住所地の不動産屋を回って空き物件を紹介してもらい、内見をして契約をするのが一般的なステップになりますが、不動産屋に行く前にその地域の物件情報や相場感などをある程度知っておくことは重要です。
そこでオススメするのが、イギリスで最も多くの物件情報を提供している不動産ポータルRightmoveです。このRightmoveは、地域ごとに数多くの物件情報を一度に様々な条件で検索でき、自分にぴったりの住まいを見つけることができます。
今回は、このRightmoveをうまく活用する方法について詳しく解説していきますね。
Rightmoveとは?
Rightmoveは、2000年に設立されたイギリスの不動産ポータルサイトで、現在ではイギリス国内の不動産市場において圧倒的なシェアを誇っているということです。Rightmoveでは不動産業者、住宅建設業者、大家さんなどが物件を掲載して、利用者はこれらの情報を元に賃貸や購入を判断することができます。
Rightmoveの強みは、その膨大な情報量と地域ごとの物件カバー率にあります。イギリス国内のほとんどのエリアを網羅しており、ロンドンやマンチェスターといった大都市から、地方の小さな町や村まで、幅広いエリアの物件情報を提供しています。
また、RightmoveのWebサイトは非常に使いやすく、様々な検索条件を簡単に設定できて、目的に応じた物件をスムーズに見つけることができます。
他の不動産サイトとの大きな違いは、その利用者数と掲載物件数にあります。こちらの14 Best Property Websites in the UKには月間のページビューが1億PVと記載されており、利用者数の多さを伺うことができます。また、掲載物件数は100万件を超えているということで、物件数の多さも申し分なしです。
物件数の多さは物件の選択肢の多さを示しますし、最新の物件情報が常に更新されているため、リアルタイムでの物件探しが可能です。このような背景から、Rightmoveはイギリスで最も信頼されている不動産ポータルサイトの一つと言えるでしょう。
Rightmoveの利用方法を解説!
賃貸物件検索
Rightmoveの使い方ですが、まずは賃貸物件の検索をしてみましょう。トップページから自分の住みたい地域のポストコードや最寄りの駅、学校などを検索条件にして、「To rent」を押して検索を開始します。
今回は、私の住むイーリングで検索をしてみます。例えばWest Ealingと検索窓に入れてみると、プルダウンメニューで該当するワードを指定できますので、今回はWest Ealing Station周辺の物件を検索してみます。
次の画面で詳細条件を設定できます。指定できる条件は下記のとおりです。
- 駅や学校からの距離
- 家賃の上限・下限
- ベッドルーム数
- 物件の種類(House:一軒家やデタッチトハウス、Flat/Apartments:マンションなど)
- 物件が追加された日(24時間以内や1周間以内など)
また、参考にするために成約済の物件を含めて表示することも可能です。
今回は下記のとおり、半径0.5マイル以内の物件、家賃£3,000PCM~£4,000PCM、ベッドルーム数3~4で条件指定してみます。ちなみにPCMというのはPer Calendar Monthの略で、1ヶ月辺りの家賃という意味です。検索結果が表示されました。7件表示されています。
Sortの部分で並び替えが可能です。最初は新しく登録された物件から降順で表示されていますが、古い物件から表示したり、価格順(高いものから、または安いものから)で表示したりすることも可能です。
マップでの賃貸物件表示
リストで物件を一覧表示するのもいいのですが、土地勘があまりない場合、表示されているストリート名を見てもさっぱりわかりませんので、地図上に表示するのも便利です。Mapをクリックすると、物件が地図上に表示されます。
地図が表示されました。点線が中心となるランドマーク、この場合West Ealing Stationから半径0.5マイルの円となっています。赤丸で表示されているのが賃貸物件でそれぞれをクリックすると物件詳細が左側に表示されます。他の駅や公共機関も表示されますのでイメージしやすいですね。
物件詳細の確認
それでは物件詳細の見方を説明します。まずは先ほどリストで1番上に出ていた物件を見てみましょう。赤枠の部分に重要な情報が書かれています。
拡大してみました。
各項目について説明します。
家賃
賃貸物件を探すに当たって最も重要な要素の1つである家賃です。1ヶ月当たりの家賃と1週間当たりの家賃が表示されています。ロンドン郊外で家族4人が暮らす場合、3~4ベッドルームが必要ですから最低でも2,000ポンドは必要になるでしょう。1ポンド=190円で換算すると38万円ですから相当な金額ですが、私の住むロンドンの西の果てであるイーリングですら2,000ポンドでは十分な物件はなく3,000ポンド程度の支出を考えなければなりません。そうすると1月の家賃が57万円となります。
この物件は月4,000ポンドですから76万円ですが、ロンドンでは割と普通なレベルかも知れません。
賃貸開始時期
Rightmoveに掲載されている物件はまだ前の入居者がいる状況のものも多いです。この場合、既存の入居者との契約が終了し、工事や清掃などのメンテナンス後いつから入居可能かを示しています。
状況によっては入居可能な時期が遅れてしまう場合もありますので、不動産屋によく確認しておく必要があります。
敷金
敷金の金額です。通常は1ヶ月分の家賃とすることが多いです。イギリスの場合、Deposit protection schemesという制度で敷金が保護されています。そのため何の問題もなければ敷金は戻ってくるのですが、一方で入居時と、退去時の物件の破損や損耗についてのインベントリーチェックを時間をかけて厳しくおこなっており、何かを壊したり、汚してしまった場合は理由をつけて敷金が減らされてしまいます。
この点は根拠もなくとりあえず敷金を減額してくる日本の不動産屋よりもまともな対応をしているとも言えますが、反論すれば敷金減額を取り下げてくる日本の不動産屋と違って、イギリスで敷金減額に抵抗するにはそれなりの根拠が必要となってくるようです。
最低賃貸期間
日本での不動産賃貸契約は、たとえ2年間と決まっていても、入居者側は事前の通知さえすれば早く退去することが可能です。ですがイギリスの場合、1年契約や2年契約と決まってしまっていると、早めに退去する場合契約期限までの家賃を支払わなければなりません。
そのため、最低賃貸期間は短い方がいいようにも思えますが、今度は賃貸期間が到来する際にイギリスの場合大家側から賃貸契約解除が容易にできてしまいます。
日本の場合は、大家側からの賃貸契約の解除は正当な理由、たとえば家賃を何ヶ月分か滞納するなどの相当な理由が必要となりますがイギリスでは理由は必要ありません。
そのため、あまりに短期間で契約を解除されてしまうと次の物件を探したり、引っ越しの手間がかかりますので1年くらいの契約が妥当なのではないかと考えます。
それにしても国が変われば事情が変わるとはいえ、日本とイギリス(だけでなく欧米ではほとんどそうなのでしょうが)の不動産賃貸契約の違いに戸惑われる方は多いと思います。
賃貸タイプ
1~2年のような長期間の契約となるのか、数ヶ月単位の短期間の契約になるのかを示しています。駐在の場合は、帰任間近で住居を変えるような場合でなければ長期間の契約の方が無難でしょう。
家具
家具付き物件か家具なし物件かを示しています。家具付き物件であれば通常はダイニングテーブル、椅子、ベッドやクローゼット、タンスなどが付属していますが、家具なし物件ではついていません。
冷蔵庫や洗濯機、オーブンなどは家具なし物件でもついていることが多いと思いますが、どこまでの設備が備わっているかは内見時によく確認しておく必要があります。
駐在員の場合、家具なし物件であれば家具をレンタルするか購入しなければならず、退去時に家具を処分したりする手間も発生しますので、家具付きの方がいいと思います。ただ、家具なしの場合は自分で好みの家具を購入することもできますので、こだわりのある方であれば、家具なしを選択するのもありかもしれません。
カウンシルタックス
カウンシルタックスは日本で言う住民税です。住宅用財産にかかるイギリスの地方税という説明ですが、大家ではなく入居者が支払うのが一般的です。カウンシル(自治体)による警察・消防やごみ収集、道路の清掃、公共交通機関運営などサービスに利用されます。
カウンシルタックスは毎年納める必要があり、その金額は住宅の評価額によって決まります。例えばロンドンのイーリングでは住宅をA~Hの8つのランクに分けており、そのランクに応じてカウンシルタックスの金額が決まります。
カウンシルタックスの金額はイーリングカウンシルのこちらのWebサイトに記載されています。下記の表は2024-2025年のカウンシルタックスの一覧となります。Range of (1991) valuesというのが住宅の価値です。
一番高いレンジでも320,000ポンド(1ポンド=190円で6,080万円)なの?と思われるかもしれませんが、実はこれは1991年時点の評価金額ということです。とても不思議なのですが、1991年より後に建設された物件であっても、1991年の価値に戻して評価するということのようです。
建ってから100年以上経過している不動産が多数あるとはいえ、30年以上前の評価金額で税金をかける、というのは何ともイギリスらしいですね。
さて、30年ほどで不動産価格はどのくらい変化したのでしょう?実はRightmoveでは不動産売買価格の変遷を見ることもできます。あくまで一例ではありますが、同じWest Ealingの4ベッドルームの物件では、1995年に83,500ポンド(1,587万円)だった物件が2024年には830,000ポンド(1億5,770万円)に上昇しています。なんと10倍もの価格になっています。
もう一点興味深いのは、住宅の価値が上がるたびにカウンシルタックスの金額の増加割合が小さくなっていることですね。つまりカウンシルタックスは累進課税にはなっていないようです。
アラート機能が便利!
Rightmoveは物件数も多く、検索もしやすいため非常に便利なサイトですが、更に便利な点がアカウント登録をしておくと、新たな物件が出てきた際に通知をしてくれるアラート機能を備えている点です。
下記の画面でベルのアイコンの横にあるCreate Alertを押すと条件が出ますので、緑色のボタンのCreate Alertを押します。
アカウント登録をしていない場合は、アカウント登録の必要がありますのでメールアドレスを入力してContinueを押します。
氏名、パスワードとポストコードを入力してCreate an accountを押して完了です。
これで物件の最新情報をメールで通知してくれるようになりました。
まとめ
以上、イギリスの最大手不動産情報サイトRightmoveの使用方法を解説しました。今回の記事のまとめです。
- イギリス駐在での不動産探しは不動産屋に行って物件を申し込むことになるが、事前に物件情報をネットで検索して相場感や物件タイプなどを見ておくことが望ましい
- Rightmoveはイギリス国内で圧倒的なシェアを誇る不動産情報サイトで、多くの賃貸物件が掲載されているため、賃貸物件を探しているなら一度は見ておくことをオススメします
- Rightmoveの賃貸物件検索では、ランドマークからの距離や家賃、ベッドルーム数などを指定して検索することができるため、希望の物件を見つけやすい。地図上に物件を表示したり新着物件のアラート設定したりできて便利
- イギリスでの賃貸は、日本と違って大家の権利が強いため注意が必要。例えば賃貸契約期間が満了する際には大家側から契約解除可能(日本では正当な理由がなければ大家側からの解除はできない)
- イギリスで賃貸物件を借りる場合は契約期間に注意が必要となる。契約期間満了前に退去する場合、日本と違って満期日までの家賃を支払う必要がある場合が多い
ありがとうございました。