どうも、ロンドン駐在員のぷーたです。
今回の記事は、次のような方のお悩みを解決するために書いています。
- イギリスの駐在員はクレジットカードの審査に簡単に通る?
- イギリスでクレジットカードを作るときにクレジットスコアが参照されると聞いたけど、どのくらい影響があるの?
- イギリスで駐在を数年したらクレジットスコアはどれくらいになるの?
イギリスのクレジットカード審査について
イギリスでクレジットカードを作ろうとして申請してもうまく審査が通らず、カードが発行されないことがままあります。私の場合、Nectarポイント目当てに今は無きSainsbury’s Bank Nectar Credit Cardの申込みを何度かしましたが、何度やっても承認されず、諦めてしまいました。こちらのカードは2021年当時のクレジットカードランキングで3位に登場していた、還元率が1.6%と高い良いカードでしたが、どうしても審査が通りませんでした。
一方、British Airways AMEX CardやAmazon Platinum Mastercard(今のPulse Credit Card)などは1回で審査が通っており、カード審査の基準に疑問を感じていました。
クレジットカードの審査について調べてみたところ、イギリスでは信用調査に使用されるクレジットスコアというものがあることを知りました。今回の記事では、このクレジットスコアについて説明するとともに、4年間イギリスで生活した駐在員がどのくらいのクレジットスコアになるのかをお伝えしたいと思います。
イギリスのクレジットスコアとは?
クレジットスコアは個人の信用力を示す数値
イギリスにおけるクレジットスコアは、個人の信用力を示す重要な指標です。具体的には、銀行やローン会社が個人の信用履歴を基に、貸付判断を行うための数値化された評価ということです。クレジットスコアは主に3社の信用評価会社が各個人を一定の数値で評価し、スコアが高いほど信用力が高くなります。
ここではLloyds Bankが採用しているクレジットスコア評価会社3社のクレジットスコア別の評価をご紹介します。
評価会社 | |||
Experian | Equifax | TransUnion | |
Excellent | 961 – 999 | 811 – 1000 | 628 – 710 |
Very Good | 881 – 960 | 671 – 810 | 604 – 627 |
Good | 721 – 880 | 531 – 670 | 566 – 603 |
Poor | 561 – 720 | 439 – 530 | 551 – 565 |
Very Poor | 0 – 560 | 0 – 438 | 0 – 550 |
イギリスでは、Experian、Equifax、TransUnionといった信用情報機関がクレジットスコアを提供しています。これらの機関は、ウェブサイトや専用アプリを通じてスコアの確認サービスを提供していて、無料で基本的なスコアを確認できます。また、有料サービスを利用すれば詳細な信用報告書を取得することも可能で、自分の信用履歴に関する詳細な情報を把握することができます。
スコアが高くなれば、ローンやクレジットカードの申請が通りやすく、金利も低く設定される可能性が高くなります。逆にスコアが低くなってしまうと、ローンやクレジットカードの申請が通りにくくなり、仮に通ったとしても、提供される条件も厳しくなることが多くなります。
目安として、
- Goodであれば、クレジットカードの審査に通ったとしても、限度額は低く金利は高めになる可能性があるが、支払いを滞りなくおこない半年~1年間経済的に安定していることを示せれば限度額は上がる
- Very Goodであれば、ローンやクレジットカードの審査に通りやすくなり、金利もより低くなる可能性がある
- Excellentであれば、ローンやクレジットカードの審査に通るのは簡単になり、最高レベルの低金利、ゆとりのある利用限度額が提供される
ということです。イギリスで駐在するような方であれば日本でクレジットカードの審査に落ちることはあまりなかったかもしれませんが、イギリスでは当然クレジットスコアは低い状態からスタートしますので、ある程度落ちることは覚悟する必要があるかもしれません。
ただ、American Expressカードは独自の審査基準を持っていると聞いたことがあり、日本でもしAmerican Expressカードを保有していたのであれば、その利用履歴も審査に反映されるようです。元々の審査基準が低いというのもあって、比較的審査が通りやすいのでオススメなクレジットカード会社です。
こちらの記事でご紹介していますが、クレジットカードの還元率の観点から、私はBritish Airways AMEX Cardをオススメしています。
入会特典でBritish Airwaysのマイレージポイント6,000Avios(£77相当)をもらえるのもお得ですが、下のBA Amex公式ページから申し込みをした場合、紹介キャンペーンとして、6,000+4,000=10,000Avios(£128相当)をゲットできます。普通に申し込むよりも、£51(£1=198円換算で10,098円)もお得になります。
ただし、この紹介キャンペーンは「カード発行から3か月以内に£2,000利用」という条件は適用されますので、必ず満たすようにしてください。つまり、カード発行から3ヶ月以内に£2,000以上利用すれば、10,000Avios(£128相当)が手に入ります。
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クレジットスコアは日本ではあまり馴染みがないスコアですが、中国では信用スコアという名で生活態度を含めた個人の情報が点数化されて、その人が信用できるかどうかという指標として利用されており一般社会に浸透しています。さすがにそこまで行く必要はないと思いますが、信用情報について言えば、自分で確認できる数値で表示されるというのは良い仕組みであると考えます。もしスコアが悪いようであれば、何らかの改善に取り組むこともできるかもしれません。
クレジットスコアの構成要素
クレジットスコアは、クレジット履歴、返済履歴、クレジット利用比率、選挙人登録など、複数の要因に基づいて算出されるということです。
それぞれの要素について見てみましょう。
- 返済履歴:クレジットカードの利用による毎月の支払やローンの支払などを遅れずにおこなっているかどうか。遅れずに支払えていればスコアは向上する
- クレジット利用比率:利用可能なクレジットの内実際に使用している比率。利用比率が高い場合、スコアに悪影響となる
- クレジット履歴の長さ:長期間にわたって安定したクレジット利用をしている場合、スコアは高くなる
- 選挙人登録:選挙人名簿に登録されるとスコアが向上する
- 生活費の支払:公共料金などの請求書を期日までに支払っているかどうか。延滞などがある場合、スコアに影響が出る
これらの複数の要素を総合的に勘案して、クレジットスコア評価会社はスコアの算定をおこないます。
クレジットスコアの影響
実は日本人駐在員にとって、イギリスのクレジットスコアは単にクレジットカードの申請が通るかどうか、というくらいしか影響がありません。あくまでも地盤は日本にあるのであって、日本での信用情報をしっかりと確保できていれば問題ないでしょう。
ですがイギリスで長く生きていく方の場合、クレジットカードはローンやクレジットカードの審査に影響するだけではないようです。住宅の賃貸契約、携帯電話の契約、さらには就職活動においても、クレジットスコアが重要な役割を果たすことがあり、たとえば賃貸物件のオーナーや不動産会社は、賃貸を申し込む人の信用力を確認するためにクレジットスコアを利用することが多いということです。
そのため、たかがクレジットスコアということはできず、場合によっては人生にも影響する指標ということですね。
ロンドン駐在員がクレジットスコアをチェック!
ここまでクレジットスコアの重要性について述べてきましたが、自分のクレジットスコアを定期的にチェックすることは、イギリスで生きていく場合、とても重要であると言えます。
もちろん日本へ帰国することが前提となる日本人駐在員の場合、そこまでクリティカルなものではありませんが、自分のクレジットスコアがどれくらいか、ということは知っておいて損はないでしょう。
そこで、ロンドン駐在歴4年の私ぷーたがクレジットスコア評価会社に評価を申し入れてみました。
Experianでの評価
まずはExperianの評価を見てみましょう。Experianの会社概要およびExperianでのクレジットスコアの入手方法はこちらの記事で書いていますのでご参照ください。
Experianのクレジットスコアは963点でした!わずかにGoodを超えてExcellentに入っています。
これはかなり高い評価と言えるのではないでしょうか?ロンドン駐在員として、イギリスに認めてもらえたようで嬉しいですね。クレジットスコアがExcellentになる人はクレジットカードを作る際の限度額が上がったり、クレジットカードの利率(常に一括払いのため意味ありませんが)が低くなったりするようです。
Equifaxでの評価
続いてEquifaxの評価を見てみましょう。Equifaxの本社はアメリカ合衆国のジョージア州アトランタに位置し、1901年に設立された会社です。Equifaxは世界24カ国以上で事業を展開し、特に北米、南米、ヨーロッパ、アジアでの活動が活発です。
Equifaxのクレジットスコアは569点でした。わずかにGoodを超えてExcellentに入っています。
先ほどのExperianでの評価ではExcellentでしたが、EquifaxではGoodの評価となります。これは普通というレベルなので、かなり評価に差が出ています。評価する際の指標が異なっているから結果も違うのでしょうね。
Equifaxの場合、Goodのレンジは531~670ですから、569は言ってみればPoor寄りのGoodということですね。なんとも残念な結果ですが、もしクレジット利用履歴の長さや、選挙人登録が無いことが影響しているとすると、駐在員としては仕方が無いのかもしれません。
Equifaxでのクレジットスコア取得方法はこちらの記事で詳しく解説しています。
TransUnionでの評価
最後にTransUnionの評価を見てみましょう。TransUnionはイギリスを含む世界中で信用情報サービスを提供するグローバルな信用情報調査会社です。本社はアメリカ合衆国のイリノイ州シカゴにあり、1968年に設立されました。現在、世界30カ国以上で事業を展開し、個人および企業の信用情報を収集・管理しています。
TransUnionのスコアは実はTransUnionから取得することはできず、パートナーの評価会社から入手することになります。今回はcredit karmaという評価会社からスコアを取得しました。TransUnionのスコアは629点となりました。調査会社によりスコアの付け方が変わるため分かりづらいですが、TransUnionで629点というのは、ギリギリExcellentとなります。ExperianでもギリギリのExcellentでしたので、だいたいこのあたりが私の評価ということなのかもしれません。
クレジットスコアの総括
ここで改めて私のクレジットスコアを振り返ってみます。私の点/満点という表記になります。
- Experian: 963点/999点
- Equifax: 569点/1000点
- TransUnion: 629点/710点
Lloyds銀行の表で私の評価を表示してみます(黄色部分)。Experianは3点、TransUnionは2点だけ基準を超えたギリギリExcellent、EquifaxはGoodの下の方という形ですね。
評価会社 | |||
Experian | Equifax | TransUnion | |
Excellent | 961 – 999 | 811 – 1000 | 628 – 710 |
Very Good | 881 – 960 | 671 – 810 | 604 – 627 |
Good | 721 – 880 | 531 – 670 | 566 – 603 |
Poor | 561 – 720 | 439 – 530 | 551 – 565 |
Very Poor | 0 – 560 | 0 – 438 | 0 – 550 |
この結果から考えると、私のクレジットスコアは総じてVery Goodくらいなのかな、と思います。これからクレジット履歴を積み重ねていくことでスコアが上がっていくことも考えられますが、下がる可能性もありますしExcellentの高いレベルまで行くとは思えません。
ですが、ロンドン駐在4年半程度でVery Goodのレベルまで行けるのは喜ばしいことなのかもしれません。恐らく今であればクレジットカードの審査ももう1、2枚は通る気がします。
こちらのクレジットカードランキングでご紹介しているように、入会特典などがオトクなカードもありますので、試してみようかと思います。
クレジットスコアの向上方法
最後になりますが、クレジットスコアを向上させる方法について調べてみましたので、お伝えします。
といってもそれほど難しいことはなく、こちらでご説明したクレジットスコアの各構成要素に基づいて、しっかりとクレジットカードの残高管理や返済をしっかりとおこなっていけばスコアは上昇していくと考えます。
- 返済履歴:クレジットカードの利用による毎月の支払やローンの支払などを遅れずにおこなっているかどうか。遅れずに支払えていればスコアは向上する
- クレジット利用比率:利用可能なクレジットの内実際に使用している比率。利用比率が高い場合、スコアに悪影響となる
- クレジット履歴の長さ:長期間にわたって安定したクレジット利用をしている場合、スコアは高くなる
- 選挙人登録:選挙人名簿に登録されるとスコアが向上する
- 生活費の支払:公共料金などの請求書を期日までに支払っているかどうか。延滞などがある場合、スコアに影響が出る
日本人駐在員の場合、選挙人登録はできませんしクレジット履歴を急激に伸ばすこともできませんので、結論としては
- 水道光熱費や携帯電話代、カウンシルタックスなどの支払いを滞りなくおこなう。もちろんクレジットカードの支払もきちんと期日までにおこなう
- クレジットカードを限度額まで使用することなく、一定以上の利用枠を維持する
の2つが重要となりそうです。
クレジットについて知りたい方向けの本
今回イギリスのクレジットスコアについて調べてみましたが、日本でもクレジット業界には面白い話が色々あります。
こちらの「図解入門業界研究 最新クレジット/ローン業界の動向とカラクリがよ~くわかる本」は日本のクレジットカード、信販、消費者金融の三業態について業界の基礎知識や業界関係者からヒアリングした内容を元に業界の動向をレポートしていますので、よろしければ読んでみてください。
まとめ
以上、ロンドン駐在員のクレジットスコアについて説明してきました。まとめておきます。
- クレジットスコアは個人の信用力を示す数値
- クレジットスコアの構成要素には以下のものがある
-返済履歴
-クレジット利用比率
-クレジット履歴の長さ
-選挙人登録
-生活費の支払 - ロンドンで4年半生活した日本人駐在員のクレジットスコアは
-Experian: 963点/999点(Excellentの最下層)
-Equifax: 569点/1000点(Poor寄りのGood)
-TransUnion: 629点/710点(Excellentの最下層)
となり、総合するとVery Goodくらい - クレジットカードが作れない!といった場合はクレジットスコアを上げる必要あり。ただ日本人駐在員の場合できることは
-公共料金やクレジットカードの支払いを滞りなくおこなう
-クレジットカードを限度額まで使用せず一定以上の利用枠を維持する
最後までお読みいただきましてありがとうございました!